▼‘テレビ・映画’ カテゴリーのアーカイブ

14.12.12

選挙行く?

選挙と聞くと今でも、
「選挙の日って、ウチじゃなぜか、投票行って外食するんだ~♪」
                                (「ザ☆ピ~ス!」/モーニング娘。)
というフレーズが脳内再生されてしまうもっちです。
大儀があるとかないとかいわれていますが、せっかくなので、投票には行きたいと思っています!

以前「選挙」という映画をご紹介しましたが、実は昨年、その第2弾が公開されていたんです~。
こちらが第1弾。

「選挙」DVD

第2弾について、ネット上では「前作と比べるとイマイチ」みたいな評価もあり、どうかな~と思っていましたが、私は意外と楽しめました。前作公開後、政党・政治家さんたちに広がっていたであろう波紋というか反響みたいなものが垣間見えて興味深かったです。

この時(「選挙2」)の選挙で、主人公「山さん」こと山内さんは「脱原発」を訴えていたのですが、そこに着目(?)したのも、NY在住の監督ならではなのかなと思いました。
震災による原発事故に対する関心は、国内以上に海外で高かったのかもしれません。
人気ニュース番組を舞台にしたこの米国ドラマでも、日本の原発事故が取り上げられていました。
このドラマもすごく面白いです。オススメ!

「Newsroom」Comp First Season Select [Blu-ray] [Import]

舞台挨拶には、想田監督と山さんに加え、山さん夫人と息子君も来られていました。
第2弾映画に出演(?)していた息子君は、映画の中より随分と大きくなっていて、
「よその子とゴーヤは育ちが早い!(by博多華丸)を実感しました!

「選挙2」DVD

そして今年は、地方議員の不祥事が、何かとニュースをにぎわす年でもありました。
ですが、本当に地域にため、人のためにと、地道に頑張っている政治家さんもいるはずです。

とある岡山県議会議員の一代記。
ふるさとを想う純粋な志と熱意あふれる活動の軌跡に、本来あるべき「政治」の姿というものが思い起こされます。

『ありがとう 県政を作州へ 粉骨砕身30年!!』

14.11.28

夢のハヤシバラシティ

来る12/5、JR岡山駅前に大型ショッピングモール「イオンモール岡山」が開業します。
買い物や映画を見に行くには便利になりますが、もしも、夢の「ハヤシバラシティ構想(※)」が実現していたら・・・と、少々複雑な思いでいてる岡山市民もっちです。

トレハロースをはじめ、数々の優れた商品を開発し、世界的優良企業と目されていた「林原」が所有していたあの駅前一等地には、世界有数の恐竜博物館(自然科学博物館)や美術館、複合文化施設、ホテルに百貨店、高層マンション、オフィスビルなどを備えた近未来都市「ザ・ハヤシバラシティ」ができ、その暁には、岡山は21世紀の中核都市として、東京、パリ、ロンドン、ニューヨークにまではなれずとも、その存在感においてボストンやミラノ、ウィーン、シンガポールなどと同等にはなれるはずだったのです(^^;)。

2011年、地方都市岡山の誇り、そして「バイオの雄:林原」がまさかの破綻。
あの突然の倒産劇は何だったのだろう。
という疑問がわいてきたので、この機会に林原家ご兄弟の著書を読んでみました。

林原グループ元社長、お兄さんが語る「真実」。

『林原家 同族経営への警鐘』(林原健)

以前、「非上場かつ同族経営だからこそ、目先の利益に直結しない基礎研究を続けることができる」というお話を聞いた時には、いたく感銘を受けたのですが・・・。

林原グループ元専務、経営実務を任されていた弟さんが語る「真実」。

『破綻──バイオ企業・林原の真実』(林原靖)
弁済率93%の倒産の不可思議!?

2冊併せて読まれることをおすすめします。

これぞ「リアル半沢直樹」だという人も。

「半沢直樹」-ディレクターズカット版- DVD-BOX

ドラマ原作

『オレたちバブル入行組』

完成したイオンモール岡山は、西日本最大規模。
中四国初出店のお店もあるようですので、しばらくは相当にぎわうものと思われます。
ところで、今回入るテナントさんって、何年ぐらいの契約になっているんでしょうか?
こちらの新刊を読むと、そんなことが気になってきます!

事業用建物の賃貸借に関する研究 キーテナントの中途撤退は許されるのか、アメリカの事例をまじえて

※「ハヤシバラシティ構想」
JR岡山駅南、自社所有地の再開発計画として、2002年に発表。
それ以降インターネット掲示板などでは、映画にでも出てきそうな近未来都市「ハヤシバラシティ」画像が投稿され、ハヤシバラシティを核とした岡山が驚異的な発展を遂げる妄想未来計画が書き込まれるなど盛り上がり、(一部)岡山人にとっては、夢とロマンの象徴でした。
(参考)アンサイクロペディア「岡山市(大都会)」

14.10.31

AMDA:岡山から世界を救え

先日、岡山・香川県地区で、AMDA(本部:岡山市)を特集したドキュメンタリー番組が放映されていました。

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今年9月、インド・パキスタンを流れる3つの川の流域で発生した大洪水。両国で死者350人、被災者は数百万人を数えた。
テロや紛争が頻発する国・パキスタンにいち早く医療救援に向かったのは、岡山市に本部を置く認定国際医療NGO「AMDA」の若い女性看護師だった。
番組では、被災したパキスタンの農村部で緊急救援にあたるAMDAの活動に密着。
また何故遠く離れた国や地域の人たちを助けに行くのか、今年設立30周年を迎えたAMDAの精神に迫る。 (RSKテレビ「メッセージ」番組HPより一部引用)
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番組前半は、被災地に向かう女性看護師に密着する形で進められていました。もしやと思いつつ、番組を見るまでは確信が持てなかったのですが、その「若き女性看護師」とはまさに、ふくろう出版にもゆかりのある、あの方でした。
アメリカで看護を学び、看護師の米国資格を持つ彼女。彼女の語学力と医療分野の知識・経験を余すところなく活かしていただくことを期待して、こちらの本の翻訳にご協力いただきました。

こちらが元の日本語版

生きる力となるもの

英訳したものがこちらです。

Guide to Your Fascinating Life
翻訳には、最終的に3(~5)名の方に携わっていただきました。

それにしても、こういう活動をされている方たちを見ると、本当に頭が下がります。
人としての価値の違いを思い知らされるというか、「こんな役立たずな私、生きていていいんだろうか」ぐらいの気持ちになってしまいます(^^;)
今、自分にできることを・・・。
まったくもって余裕は無いのですが、せめて寄付ぐらい!という気持ちになりました。

ボランティアに興味のある方、特に初心者さんには、こちらがおすすめ♪

未来につながるボランティア

14.07.11

CA(キャビンアテンダント)のヒ・ミ・ツ

七夕の短冊にはいつも、「背が伸びますように!」と書いているもっちです。
  ‥…━━ *  m(゜▽゜* ) ホシニネガイヲ・・・☆彡

あと10cm、いや、せめてあと8cmでも身長があれば、そしてもう少し(少し?)若ければ、
「私もCAを目指していいですか?」
と思ってしまったかもしれません。

若い女性(男性でもOK!)のふんわりとした夢を、強い志望に変えてしまうのが、今回ご紹介する新刊『CAの方程式』です。

皆さん、「キャビンアテンダント(CA)」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。
ちょうど先日、深田恭子主演の「キャビンアテンダント刑事」というドラマも放映されていましたが、いまだ人気の高い「憧れの職業」なのではないかと思います。
近年、契約社員採用が主流となっていましたが、ANAが過去10年間で最大規模、かつ正社員としてのCA採用を発表するなど、ここにきて状況が変わってきました。
羽田空港の国際線発着枠大幅増大やLCCの相次ぐ就航、2020年東京オリンピック決定などが追い風となり、現在、CAの需要は増えているのです!!

元シンガポール航空客室乗務員、現在はCAなど航空業界への就職を目指す人のための専門スクール代表である著者による「CAを目指す人への指南書」です。

『CAの方程式』

そして、同書にも書かれていることですが、CAさんは航空会社の顔。
一般乗客の立場からいうと、
「CAさんの印象がその航空会社の印象を決める」
といっても過言ではありません。
航空チケットをとる際も、航空会社のクチコミなどを見て、比較検討を行うということはよくあると思います。

というわけで、私の乏しい飛行機旅行経験の中から、CAさんにまつわる思い出を書いてみたいと思います。

初めての一人海外旅行。
その不安を少しでも軽減すべく、選んだのは「安心と信頼の日本ブランド(日系航空会社)」。
果たしてそれは正解でした。
エコノミー客に対しても、CAさんは皆感じよく、親切に接してくれました。

アラスカ上空を飛行中のことでした。
眠れずにいた私に、CAさんが
「ちょうど今、あちらの方にオーロラが見えますよ」
と教えてくれました。
死ぬまでに、一度は見てみたいと思っていたオーロラを、思いがけず目にすることができ、とても感激したのを覚えています。
その時のことを思い出すと今でも、「CAさん、ありがとう!」という感謝の気持ちでいっぱいになります。


『オーロラ ウォッチング ガイド』

他にも、機内食では「和」か「洋」かで、かなり迷いました。(><)
CAさんがお薦めしてくれた(和の)「かに釜飯」は本当に美味しかったです!
お薦め、ありがとう!

そしてCAさんだけでなく、グランドスタッフの方たちも皆、丁寧で感じがよかったです。
日本でも、渡航先においてもです。
「安心と信頼の日本ブランド」の地位は、私の中で確固たるものとなりました。

あっ、でも日系に限らず、良い航空会社はもちろんあると思います。
これからCAを目指すという方々には、それぞれの航空会社の良い顔となるべく、是非とも頑張っていただきたいと思います。

ところで先日7月7日は、こちら「晴れの国おかやま」も、あいにく雨の一日でした。
ですが、本来の(伝統的)七夕は旧暦7月7日。
「伝統行事を新暦で行うと季節感に合わない」
の典型が七夕ではないでしょうか。
ちょうど梅雨の時期にあたる上、七夕の主役となる星たちの高度も低い7月に比べ、旧暦七夕(今年は8月2日)の頃は梅雨もあけ、織姫星や彦星、天の川の高度も高くなり、ぐっと「七夕」らしくなるのです。
今でも田舎の方では、ひと月遅れで行うところもあるのではないでしょうか。
というわけで、旧暦七夕の8月2日、または月遅れの8月7日が晴れならば、
織姫と彦星は、会えると思います!☆彡


『旧暦で今をたのしむ「暮らし歳時記」』

14.06.19

ダニエル・キイスと多重人格、からのニーチェ

今朝のテレビで「ダニエル・キイスさん死去」のニュースが流れていました。
一瞬「誰だっけ?」と思ったのですが、これでした。

『アルジャーノンに花束を』

それとこちらも。

『24人のビリー・ミリガン』
「多重人格(解離性同一性障害)」という言葉が広く知られるようになったのも、この本がきっかけだったと思います。

多くの場合、幼児期の虐待などによる心因性であるとされ、精神医学や心理学の立場から研究が行われています。

はじめてかじる人のための心理学なるほど案内
とてもわかりやすい、初学者向け入門書。
「多重人格」の他、ドラマなどによく出てくる「快楽殺人」、「プロファイリング」などについても基礎的な解説がされています。

「多重人格(解離性同一性障害)」、「快楽殺人」、「妄想性人格障害」、「社会病質者」などなど、
アメリカンドラマには非常によく出てくる言葉です。
興味のある方に、一番のおすすめはこちら。

「クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪」シーズン1 コンパクト BOX [DVD]
犯行から犯人像をプロファイリングする、犯罪者の心理を分析しその闇を暴いていくという捜査手法。
事件自体は残虐なものが多いのですが、そこに至るまでの過程、過去を知ると、時には犯罪者の気持ちに共感、あるいは理解できてしまう。
と言うとちょっとひかれてしまいそうですが、とても深い人間ドラマだと思います。
登場人物もそれぞれキャラが立っていて面白い。大好きです!

毎回、冒頭と終わりに、そのエピソードを象徴するような格言が出てくるのですが、それがまたいいんです。こんな感じ。

  おまえが深淵を覗き込むとき、深淵もまたおまえを覗き返している。
                           (フリードリヒ・ニーチェ

  幸せな家庭はどれも似通っているが、不幸せな家庭は様々に不幸せである。
                                     (レフ・トルストイ)

  自らのための行いは死と共に消えるが、人や世界のための行いは永遠に生き続ける。
                                       (アルバート・パイン)

そういえば、超訳版などの出版により、数年前にはニーチェがブームになりましたね。
ニーチェについて、もっと知りたいという方におすすめしたいのがこちら。

『ニーチェ b』
学会論文の常識的レギュレーションからは逸脱した、いわば「B級」論文ばかりを意図的に集めたニーチェ関連論文集。
「a」がないのに「b」がある、というのも、いかにもニーチェ哲学にふさわしい事態であるといえます。


『ニーチェl』
新刊です。
ややマニアックであった前著『ニーチェb』よりも、比較的愛想のよい論文集。

それから、先日たまたまTVでやっていて思い出したのですが、この映画も『アルジャーノンへ花束を』に通じるものがあると思います。

「レナードの朝」
30年間、半昏睡状態にあったレナード(ロバート・デ・ニーロ)が、試験薬の投与によって、ある朝、奇跡的な目覚めを迎える・・・という実話に基づくストーリー。
ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの豪華共演ですが、何といってもデ・ニーロです。
本当に上手いなぁ、と改めて思いました。

そしてデ・ニーロといえば、隠れた名作、こちらもおすすめ。

「俺たちは天使じゃない」
若かりし日のショーン・ペンとの共演です。
全体的にはコメディ・タッチで気楽に見られるのですが、終盤にショーン・ペンが行う説教がすごくいいんです!

14.06.16

I LOVE CHOPIN!

荘厳な調べの「カノン」を聴くといつも、虫になった女の話を思い出してしまうもっちです
 

「パッヘルベルのカノン~バロック名曲集」


「蛹化(むし)の女~蜷川実花セレクション」
このジャケット写真も、耽美で退廃的な歌の世界観によく合っていると思います。

というわけで(?)、今回のテーマは「クラシック(音楽)」。
今年に入り、岡山開催のクラシックコンサートに何度か行く機会があったのですが、
Amazonさんから届いたメールを見て、クラシック月間だった1~2月のことが蘇りました。

まずは「西本智実&イルミナートフィルハーモニーオーケストラ NEW YEAR CONCERT 2014」

一度は行ってみたいと思っていた西本智実さん指揮のコンサート。
無料招待券をgetした友人の御相伴にあずかりました。ありがとー!

ドヴォルザーク「新世界より」とかも良かったのですが、

「ドヴォルザーク:交響曲第9番」

一番興奮したのはアンコール曲の「リベルタンゴ」
イルミナートフィルの為にされたというアレンジが、ものすごくかっこよかったです!カコ(・∀・)イイ!!
奏者の方達もノリノリで、楽器をグルングルン回してました。(@◇@)

「Libertango」 [CD, Import]

そして最後の曲では、西本さんが観客に向かって指揮棒を振るというサービス(?)が!
美しく颯爽たる指揮の元、場内には不思議な一体感が生まれました。

『指揮者・西本智実 静かなる革命』

続いては、「牛田智大 ピアノリサイタル」
天才少年ピアニストとしてTVなどでも度々紹介され、その可愛らしい容姿と礼儀正しい受け答えで、奥様方のハートを鷲掴みの、あの牛田君です。

か、かわいい・・・

「献呈~リスト&ショパン名曲集」(初回限定盤)(DVD付)

ショパンとリストが中心の構成でした。
演奏前のペコリ(o*。_。)o。かわいいーーー
しかし演奏が始まると、途端にその音場に引き込まれます。
まず思ったのは「ショパンが似合う!」ということ。
ショパンは昔から好きなのですが、パフォーマンスにおいてあれほどショパンが似合うと思ったのは、(浅田)真央ちゃん以来でした。
優雅でなめらかで、ホント、うっとりです。。。

真央ちゃんの「ノクターン」。
何年か前のプログラムでも使われていましたが、2013-2014年SPの「ノクターン」はさらに磨きがかかり、ほんっとに素敵でしたよね。

浅田真央『Smile』~氷上の妖精10年の軌跡~ [DVD]

愛の夢」も、すごく似合っていましたよね。牛田君も真央ちゃんも。

日本人クラシックピアニストとしては、史上最年少(12歳)でのCDデビューでした。

「愛の夢~牛田智大デビュー(初回限定盤)(DVD付)」

現在14歳。その演奏に若さはあっても、幼さを感じることはありませんでした。

ちょっと意外だったのは、リストの「ラ・カンパネラ」。
すごく良かった!圧巻でした。

そして以前より、フィギュアスケート羽生結弦選手の大ファンだと公言している牛田君。


『蒼い炎』

いつかコラボとかできるとステキですよね。
と思っていたら、先日Amazonさんにお薦めされたのが、7月発売となるこちら。

「トロイメライ~ロマンティック・ピアノ名曲集(初回限定盤)(DVD付)」

大きくなってる~~~。
「卓越したテクニックに深い音楽解釈が加わり、精神的、肉体的に著しい成長を遂げた牛田のピアノの音色を聞くことができる作品。(Amazon「商品の説明」より)」
著しい成長、まさに!1月のリサイタル時より、明らかに成長しているのが分かります。

そして注目すべきは
    12曲目、パリの散歩道
    13曲目、ロミオとジュリエット

羽生選手への応援の気持ちをこめての収録だそうです。
2人のコラボレーション実現に向けて、既に大人は動いていると思います!

そして最後は、「辻井伸行&オルフェウス室内管弦楽団 日本ツアー2014」
辻井さんの演奏も、一度生で聞いてみたいと思っていました。
指揮者を置かず、メンバーの話し合いによって音楽を完成させるという、世界でも極めて珍しいオーケストラ、オルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーションです。
西本さんのコンサートで、指揮者による演奏の違いというものに興味が出てきたところだったので、「指揮者のいないオーケストラ」というものにも興味津々でした。

『オルフェウスプロセス―指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント』


「辻井伸行 世界が感動した奇跡のコンクール・ドキュメント」[CD+DVD]

オーケストラとの共演も良かったのですが、一番胸に迫るものがあったのは、アンコールのソロ演奏、
ショパンの「革命のエチュード」でした。
あれ?(^^;)

結論
やっぱり、ショパンはいい!!



「英雄ポロネーズ、ラ・カンパネラ~日本ツアー≪ショパン&リスト≫ スペシャルCD 」

そして、ショパンを学術的側面から捉えたのがこちら。
ポーランドが誇る偉才、ショパンのポロネーズに関する考察ほか、4本の講演を収録。

ポロネーズをめぐって -フォーラム・ポーランド2012年会議録―

ショパン論の最前線!
『フォーラム・ポーランド2009年会議録』

2010年に生誕200周年を迎えることを記念し2009年に開かれた、フレデリック・ショパンがテーマの会議録。
「民族の作曲家としてのショパン-ある私物化の物語」、「《近代小説》の主人公としてのショパン」、「ショパンの手稿譜について」など興味深い着想による5本の講演と、パネル・ディスカッションの様子を収録。日本語版・ポーランド語版を併載しています。

6/17 追記
牛田君の「パリの散歩道」他ですが、iTunes Storeで一足先に配信されていたので聴いてみました。
「パリの散歩道」、「ロミオとジュリット」の他、真央ちゃんの「ノクターン第2番」、「愛の夢」の4曲。
牛田君自身の手によるという編曲が、どれもすごく良かった!絶品です!

14.04.23

I LOVE SUSHI!!

お肉派?魚派?と聞かれたら、迷わず「魚派!」と答えることにしているもっちです。
もちろん、お寿司(鮨)にも目がありません!
本日、オバマ米大統領が来日されますが、安倍首相との夕食会の場として希望されたのが、銀座の高級鮨店「すきやばし次郎」なのだそうです。
そのニュースを聞き、昨年見に行った映画を思い出しました。

「二郎は鮨の夢を見る」【DVD】


全米で賞賛を浴びた話題沸騰の珠玉のヒューマン・ドキュメンタリー
ミシュランガイド東京三つ星に輝く「すきばやし次郎」
世界を魅了する“奇跡の味”に隠された87歳の鮨職人、小野二郎の生き方。

東京・銀座の地下にあるたった10席ほどの鮨店・すきやばし次郎の店主・小野二郎。
87歳の今でも職と技に対するこだわりを持つ彼が握る鮨は、「ミシュランガイド東京」で5年連続で最高の三つ星の評価を受け、フランス料理最高シェフのジョエル・ロブションや、ハリウッドセレブなど、世界中の食通たちをうならせてきた。
そんな彼の作り上げていく鮨の味に驚嘆し、職人としての技や生き様に魅了された、アメリカ人監督のデヴィッド・ゲルブ。
あのメトロポリタンオペラの総帥、ピーター・ゲルブ氏の息子でもある彼は、来日中に「すきやばし次郎」の鮨と出会い、その芸術性に感動して映画制作を決意。約3ヶ月にわたり東京、静岡と密着取材を敢行した。日本人の私たちが忘れかけた、親子であり師弟でもある二人の息子を通じて描かれる、二郎の仕事に対する誠実な姿勢。偉大なる父への敬意、そして葛藤…。
世界が認める名店を支える者たちのプライドと仕事にかける情熱を、温かくもモダンな映像とクラシック音楽の旋律とともに美しく浮かび上がらせてゆく。
                                      (Amazon「内容紹介」より)

二郎さんのことは、以前NHKのドキュメンタリー番組で見て知っていました。(これです)
「プロフェッショナル 仕事の流儀 修行は、一生終わらない 鮨(すし)職人 小野二郎の仕事」 [DVD]


ただ、これはアメリカで制作された映画ということで、日本の「職人の世界」というものが、海外の人の目にはどう映るのか、どのように描かれるのか、すごく興味がありました。
期待と不安が入り混じりながらの鑑賞でしたが、これが良かったんですよね~。

日々の仕事、87歳にして未だ衰えることのない情熱、親子の葛藤・・・。
どこまでも真摯に追求し続ける姿、それぞれにこだわりをもった仕事人たちの生きかたが、敬意をもって描かれていました。
公よりも私を優先することが許されてしまう今の時代、7歳で奉公に出され、がむしゃらに働いてきた二郎さんと同じような覚悟で向き合うことは難しいだろう。
息子さんは大変だと思いますが、まさに「職人魂」といえる二郎さんの姿勢と情熱は、やっぱりカッコイイと思いました。

「ずっと同じことをやっていたんじゃ、落ちたと言われる。前よりもいいものを作り続けてはじめて、変わらないねと言ってもらえる」という息子さんの言葉もすごく印象的でした。

「獺祭」でお馴染み「旭酒造」の社長が、「カンブリア宮殿」で、まさに同じことを言われていました!
「お客さんっていうのは進化するから、一定のところで守っていると必ず、落ちたねと言われる。常に上を狙っていかないと、変わらないねとは言ってもらえない」と。

大転換・大改革の末に再生した旭酒造と、匠の技を守りながらも更なるブラッシュアップで高みを目指す「すきやばし次郎」。
アプローチの仕方は全く違うのに、その根底にあるものは同じ、というのがすごく面白いな~と思いました。

「逆境経営」


獺祭、美味しいですよね~。初めて飲んだ時の感動は、今でも忘れられません。
この前、フジワランと共同購入しました♪

そして、映画に出てくるお鮨の美味しそうなこと!
クラシックの旋律に乗って目の前に供されるお鮨たち。見た目はすごくシンプルなのに、その一つ一つが芸術作品のように美しい。

『すきやばし次郎 旬を握る』

一見シンプルなこのフォルムの裏に、一体どれほどの手間隙がかけられていることか!

「極めると、シンプルな美しさとなる」
ここで思い出すのがアップルです。
apple2
アップルストアに行かれたことのある方はご存知かもしれませんが、あそこのエレベーターにはボタン(△とか▽とか)の類が一切ないんです!
初めて行った時には戸惑いました。

「フラットになってるだけで、どこかにあるのか?」「いや、無いぞ。もしやこれは自動運転?」
しばしたたずんでいると、降りてきました。そして、開きました。
乗りました。階ボタンもありません。
2F着きました。開きました。
降りる人・乗る人いません。閉まりました。
3F着きました。開きました。
降りる人います。降りてます、降りてます・・・
みんな降りました。閉まりました。
・・・という具合。

「極限までそぎ落とす」というこの美意識が「アップルさんだなぁ」と思いました。

アメリカ版のパッケージはこんな感じ。
Jiro Dreams of Sushi [Blu-ray] [Import]

ニューヨークのデリやスーパーでも、パックに入った「SUSHI」をよく見かけました。
「SUSHI」コーナーにまっしぐらに走り
「SU――SHI―――!」\(゜▽゜=))/…\((=゜▽゜)/ワーイ♪
とすごくテンションの上がっている子どもがいて、アメリカでの寿司人気も本物なのだと実感しました。

そして、JIROのSUSHIが、日米の信頼関係改善に一役かってくれることを願っております。
そして私も、死ぬまでに一度でいいから行ってみたいなぁ、次郎。(゜-、゜)ジュル

14.02.21

 前人未踏の浅田真央

泣きました。o(iДi)o

ソチ五輪クライマックス(←私基準)、フィギュア女子フリー。
前日のSP、まさかまさかの結果に、気持ちを立て直すのも大変だったと思います。
ですが、ですが、やっぱり真央ちゃんはすごい!!

重厚なラフマニノフは真央ちゃんに似合わないともいわれますが、絶望のどん底から這い上がり、作りあげた復活の曲「ピアノ協奏曲第2番」は、もがき、苦しみ、それでも挑み続ける、まさに真央ちゃんにぴったりの曲だったと思います。
その鬼気迫る演技に、彼女の努力、そしてこれまでどれほどのものと闘ってきたのかを思い、涙が止まりませんでした。


「ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番」

トリプルアクセル成功!8トリプル決まった!
なめらかで伸びのあるスケーティング、
美しいスピンにスパイラル、
そして超絶ステップ!!
「これぞ浅田真央!」
という圧巻の演技を見せてくれました。
これまでで一番、胸に迫る演技、感動しました!

この表紙の真央ちゃん、すごくカッコイイです。

「Sports Graphic Number」2014年 2/13号

もう何年も、フィギュアの採点にはモヤモヤすることが多く、大好きなのに、好きだからこそ、競技を見るのが辛くなっていました。


『フィギュアスケート 銀盤の疑惑』

曲の解釈とか出来栄えとか、ジャッジの主観・裁量による不透明な基準で、いくらでも加点・減点できてしまう現在のシステムにおいて、得点とか順位とか、もはやどれほどの意味があるのだろう。

それよりも真央ちゃんが、集大成にふさわしい素晴らしい演技を見せてくれたことがうれしくて、今はただ、すがすがしい気持ちでいっぱいです。\(^▽^)/

記憶に残る演技、そして前人未踏の記録にも挑戦しました。

前回バンクーバーでは
「史上初!ショート・フリー合わせ、3回のトリプルアクセル成功!!」
という記録を打ちたてた(ギネス認定)。

さらなる高みを目指した今回は、
「史上初!トリプルアクセル含む6種類の3回転ジャンプを8回成功!?」
すべて回りきったかに見えましたが、惜しくも回転不足判定があったようです。

ですが、この挑戦自体
「浅田真央にしかできない」
ものだったと思います。

どこまでも高みを目指し、自分の限界に挑戦し続ける浅田真央選手は、
紛れもないNO.1スケーターで、トップアスリートだと思います!!


『浅田真央 そして、その瞬間へ』

真央ちゃん、素晴らしい演技をありがとう!!私たちは大満足です。
そして、ひとまずはゆっくり休んでください。

13.12.11

小津安二郎監督、没後50年を前に<2 映画感想>

「あとから、せんぐりせんぐり生まれてくるわ」
-『小早川家の秋』(小津安二郎 脚本・監督、
  原 節子、中村鴈治郎、森繁久弥他 出演、東宝、1961)-


「あとから、せんぐりせんぐり生まれてくるわ」

「せんぐりせんぐり」とは、「繰り返して、順繰りに」との意味。関西の言葉でしょうか?起源の古い言葉なのでしょう。
この短い台詞に、吉田喜重監督が評論の中で繰り返し述べている「小津映画の小津映画たるゆえん」が垣間見えた気がしました。

エンディングも近づいた一場面、珍しく端役での登場だった農夫役 笠智衆さんの台詞です。
晴れ渡る秋の虚空に突き出した火葬場の煙突から噴き出す煙。
川岸で農具を洗いながら、夫婦の農夫がそれを眺めている。
若い人だったら気の毒だと同情する妻にこたえて、夫は冒頭の台詞をひとり言のようにつぶやくのです。

短くてさりげないため、聞き逃してすらしまいかねないこの台詞こそ、他の作品には見当たらない小津監督自身の独白、自らの死生観をつぶやいたものに他ならないと私には思えました。

「元来、人は来る日も来る日も昨日と同じ生活、反復を続けるもの。変わらぬ日常こそがドラマであり、そのドラマを撮り続けることを小津監督は自らに課したのではないか」

と評論『小津安二郎の反映画』の中で著者 吉田喜重監督が推察していますが、これを受け、僭越にも私は次のように思いました。
――親から子へ、子から孫へと、人びとは次の世代にバトンを繋ぎ、「血」が守られ生活が受け継がれていく。絶えることのない反復。それを最小限の言葉で端的に語ったのが、冒頭の台詞に他ならないのではないか。

――何も起こらぬ日常こそがドラマ……。逆説的ではあるが、小津映画を語る上でこれ以上の真理は見当たらないのではないだろうか?だからこそ、俳優たちは過剰な演技を一切排し、ごく自然に振る舞うことを徹底して求められたのではないだろうか。

「小早川家の秋」は松竹ではなく、東宝映画作品として作られ、封切られた作品です。
印象的なカラー、おなじみのカメラアングルなど映像はいつもながらの魅力あふれるものですが、松竹作品とはどこか違っていて、出演陣も、原節子さんら小津組のレギュラー陣に加えて中村鴈治郎や東映の個性派俳優、森繁久弥、宝田明、小林桂樹、新珠三千代がずらっと顔を並べ他流試合のイメージもあります。

それでも、相変わらず女優さんらは皆とても美しいし、秋真っ盛りの大阪、京都の古い街並を美しく切り取った枕カット等、小津監督ならではの熟練の技、演出が冴えわたっています。

また、この作品に限ったことでなく、小津映画のもう1つの得がたい魅力として、脚本や演出で家族を思いやる人びとの美しい心持、そして美しい穏やかな日本語を丹念に描いていることが挙げられると思います。

「秋日和」で親子を演じたばかりの原節子さんと司葉子さんが義理の姉妹に姿を変え、京都・嵐山の桂川のほとりを会話を交わしながら歩くシーンがありますが、画面から美しい日本人の心がにじみ出てくるようで清清しい感動を覚えます。

小津監督の映画作品が欧米など海外で高く評価されていますが、1つには、こうしたつつましくて美しい日本人の姿が好感を呼び、作品の評価につながっているのではないかとも思われ(勝手な解釈ですが)、日本人であることを非常に嬉しく誇らしく思う気持ちになれます。

1960年の「秋日和」に続いて主演した原節子さんにとって、この映画は最後の小津監督作品の出演となりました。
小津監督の没後、一切の芸能活動を中止して引退した女優 原節子としても最晩期の作品といえると思います。



「小早川家の秋」(小津安二郎 脚本・監督、
 原 節子、中村鴈治郎、森繁久弥他出演、東宝、1961)

13.12.11

小津安二郎監督、没後50年を前に<1 読書感想>

平成25年12月12日は戦前から長く活躍し、戦後「東京物語」(1953、松竹)をはじめ輝かしい名作を数多く残した映画監督 小津安二郎氏が60歳の誕生日に他界してから50度目の命日になります。

数限りなくある小津映画論の中でも決定版と言えるのではないかと思う、松竹の後輩にあたる映画監督 吉田喜重氏の小津映画評論『小津安二郎の反映画』を読み返し、小津監督晩年の作品『小早川家の秋』DVDを再鑑賞しました。
長くなったので、評論と映画の2つに分けて、感想を綴りました。



映画はドラマだ、アクシデントではない
-『小津安二郎の反映画』(吉田喜重著、岩波現代文庫、2011)-


「映画はドラマだ、アクシデントではない」
これは、他界する1か月前に病床の小津監督を見舞った吉田監督と妻である女優の岡田茉利子さんが帰る際、小津監督に掛けられた一言です。

同じ年の正月に開かれた新年会での一幕、そしてこの一言の真意を探り、また代表的作品の脚本やカットを数多く取り上げて、大胆かつ細心にその精神的支柱をさぐり、自らの言葉で結論付けた著者。30代半ばで召集され、経験した軍隊生活の影響を色濃く残しながら、戦後の作品で確立するにいたった「反映画」ともいうべき唯一無二の個性がスクリーンを超えて見えてくる気がします。



小津安二郎の「反映画」とは
戦前のサイレント映画時代からのキャリアを持ち、特に戦後の作品群は日本映画の黄金期を飾る名作として国内外で高く評価されている小津映画。その本質が「反映画」であると著者 吉田喜重監督は説いています。これはどういうことか?

著者は注意深く作品を眺め、小津監督の映画に向かう内なるスタンスを2つの根拠から「反映画」として導き出していました。1つは「カメラで切り取られた画面は真実を映し出してはいない」と、技術としての映像化に疑問を呈し、背を向けていること。もう1つは「映画を観る者すべてが映像から共通の意味を読み取ること」に懐疑的であること。

それゆえ、小津映画においてカメラはただ冷徹に静謐に、そこにある事実を映し続けるのみとなっています。これは素人である私たち観賞者にも一目で分かる、小津映画最大の個性ですよね。多くの監督や観客の持つ映画の概念とは対極の考え方、アプローチであり、著者が「反映画」との表現を用いた理由のようです。



僕はトウフ屋だからトウフしか作らない
「最大の魅力が「反映画」であること」
と言わざるを得ないように、小津映画は一筋縄でいかない、時には矛盾をもはらむものとなっているのですが、小津監督は自らをトウフ屋つまり職人(≠芸術家)になぞらえ、家族の物語を描き続けることを宣し、映画に限りない愛情を持ち、遺作となった『秋刀魚の味』で自らのターニングポイントとなった『晩春』を再現してみせたように絶えず映画と、家族と向き合い続け、輝ける名作の数数を世に遺しました。

この評論は、そんな小津映画への深い敬愛の念を根底に持ちながら、ただ賛辞のみを展開するものではありません。深い洞察は、ある部分では私たち素人の浅はかな思い入れを根底から覆されもします。しかし、取りも直さずそれは『小早川家の秋』を手始めに、今一度違った視点から小津映画を楽しむ喜びを与えてくれるものに他ならないと思います。



『小津安二郎の反映画』(吉田喜重著、岩波現代文庫、2011)