▼‘その他’ カテゴリーのアーカイブ

13.09.29

本当にありがとうございました ―枇杷の木がある家の先生を悼み、心からの感謝を込めて

「庭に枇杷 (ビワ) の木があるので、それを目印に来なさい。」

初めて先生のご自宅を訪ねることになった時、そう教えていただきました。
何の科学的な根拠もないのですが、庭に枇杷を植えると縁起が悪い、という他愛もない迷信を幼いころ祖母から聞いたことがあったので、珍しいな (でも夏には毎日枇杷の実を食べられて羨ましい…)、と思ったのをよく覚えています。
岡山市郊外の閑静な住宅地にあるご自宅は、もちろん枇杷の木のおかげですぐに分かりました。―



先ごろ、ある先生から会社に電話があり、枇杷の木がある家の先生が8月に他界された、との報せを受け取りました。枇杷の木がある家の先生が監修され、弊社から出版させていただいた何点かの書籍に共著で加わってくださった先生からのお電話でした。

「え、そんな…。」
思わず絶句し、お報せいただいたことへのお礼を述べるのがやっとでした。

「なぜ?」
―70代半ばの今も毎年3校程度は非常勤講師に行っておられ、また市民講座の講師も務めご壮健そのものであられたはずなのに。
―7月にも枇杷の木のご自宅でお目にかかり、今後の予定を打ち合わせたばかりなのに。

先週、弔問におうかがいして、自宅近くの家庭菜園で倒れ急性心不全のため帰らぬ人となったことを奥様からうかがいましたが、衝撃と喪失感は今も完全には癒えていません。

私がふくろう出版(当時は西日本法規出版)にお世話になることになった1994年、すでに先生のご高著は5~6点に及んでいました。そのうち数点は20年を優に過ぎた今も版を重ね、弊社では他に例を見ないロングセラーとなっています。
哲学という分野によることもありますが、充実した内容、また常に私たち出版社の立場を慮ってくださり現在にいたるまで20年間、1年も欠かすことなくテキストとしてご使用いただいていることの賜物です。
共著者が独自に出版してくださったり、お知り合いをご紹介くださったことも枚挙に暇なく、先生の存在なくして弊社がこれまで歩んでこられたかどうか…。想像もできません。

私は最初お目に掛かったのが担当していた上司の「おつかい」としてでしたが、何も分からなく頼りない素人であったのにいつも優しく気さくに接してくださり、また上司が体調を崩した時には漢方薬を紹介してくださったり般若心経を勧めてくださったり、と公私にわたっていつも気に掛けてくださいました。

日ごろから健康には非常に気を配っておられ、栄養のバランスが良い食事や漢方薬を摂取すること、仏教に範を得、お経を唱えて心の平安を保つこと、さらには合気道を取り入れた「気」や「呼吸」による健康法など持ち前の探究心で幅広く研究され、惜しげもなく教えてくださいました (そういえば、枇杷の葉を煎じて飲むと利尿などの優れた薬効があるとか…)。

それだけに、75歳での突然の他界は何より先生ご自身が思いもよらないことだったでしょうし、残念でなりません。
重ねて書きますが、枇杷の木がある家の先生の存在なくしては、弊社がここまで歩んでこられたかどうか、想像もできません。

お礼は言葉で言い尽くせませんが、これまで本当にありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。



ご焼香させていただいた際、祭壇にはめがねや帽子など思い出深いお召し物と並んで、洋画のサウンドトラックCDがお供えされていました。お勧めの洋画を教えていただくことはもうできませんが、幼き者への愛情や幼き日日への郷愁が詰まった、こんな作品がお好きだったのではないだろうか、と想像します。


『ニュー・シネマ・パラダイス(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ、1988、伊)』
メインテーマ(エンリコ・モリコーネ作曲)

11.09.02

9月1日は防災の日

210日は今年も荒れ模様…

9月1日は防災の日。
また、この時期は古来言われる「210日」、一年で台風がもっとも発生しやすい時期です。それに合わせたかのごとく、台風12号の接近で、週末は全国どこもが荒天模様ですね。
被害のないことを祈るばかりです。




ハリケーン「アイリーン」の被害を受けられた皆様へ謹んでお見舞い申しあげます


日本にやってくる台風12号も気懸かりですが、先週米国東海岸に上陸、縦断していったハリケーン“アイリーン”は死者27名、500万戸が停電という甚大な被害をもたらし、経済損失は70億米ドル(日本円にして5300億円)に上るとされています。たいへんな惨事です。


人的被害(決して数値で取り沙汰できるものではありませんが)は、1000人をゆうに超える尊い人命が失われた2005年の“カトリーナ”(これも210日前後だった)の時を考えると、その経験が生かされたのかなとも感じますが、5300億円の経済損失って…絶句してしまいます。
ただでさえ国債の格付け下落という事態があったばかりのところへ、この大災害。5月下旬にミズーリ州で発生した史上最悪の巨大竜巻をはじめとした竜巻の多発といい、米国も今年は自然災害に見舞われる1年です。被害に遭われた方々へ、謹んで心よりお見舞い申しあげます。
アイリーン災害について報じたCNNのニュースサイトはこちら



今この時期に読みたい本、観てみたい映画


さて、浅田次郎原作『日輪の遺産』が映画化され、先週末封切られました。

原作は、終戦前夜、日本軍がフィリピンの米司令官だったダグラス・マッカーサーから奪った財宝を隠す命令を受けた少佐と下士官、何も知らず勤労奉仕にあたる35人の少女たちと引率の教員を主人公に、1945830日にマッカーサーが厚木に降りたち、GHQによる統治が始まったころの動乱の日日を克明につづった長編小説です。
フィクションとはいえ、史実をきわめて綿密に辿ったドキュメントの部分もあり、
814日から15日にかけての陸軍省での緊迫のやり取りなどを生生しく読み取ることができます。

浅田氏にとって長編処女作となるこの作品、『地下鉄(メトロ)に乗って』『壬生義士伝』『シェエラザード』やいくつもの短編でおなじみの、「現在」から「回想」への見事という他ない場面転換の手法がすでに見られます。

浅田氏が「稀代のストーリーテラー」といわれるゆえんでしょうが、分かっているのに毎回「やられ」てしまい、魅入られたようにいつしか浅田ワールドにはまり込んでしまう自分がいます。



日本が未曾有の大災害に見舞われたこの2011年、マッカーサーが日本に降り立ちGHQの支配が始まった8月末に、1945年当時の人びとの生きざまを克明に描いたこの小説が映画化される意味を考えながら、1945815日を境に、全国民がいかにして一丸となり復興へと力強く一歩を刻んだかに思いをはせて、久しぶりに映画館へ行ってみようかなー。

 

 1945830日 マッカーサー元帥、厚木飛行場へ降り立つ。
 1945
92日 東京湾上に浮かぶ戦艦ミズーリの艦上で降伏調印式。重光葵外務大臣が
           調印。ポツダム宣言の受諾、日本の無条件降伏が正式に決まる。
 1945
927日 昭和天皇とマッカーサー元帥が面談


『日輪の遺産』角川映画、原作=浅田次郎、監督=佐々部 清、出演=堺 雅人、中村獅童、ユースケ・サンタマリア他。全国で上映中です。公式サイトはこちらです。


11.08.14

夏の岡山でおいしいお魚

内輪のことで恐縮ですが、去る11日夜、ふくろう出版の随一の「知的キャラ」として頼りになるスタッフ[もっち]さんの快気祝いの宴の席をスタッフ一同で囲みました。
復帰してからもう1カ月近く経っていたのですが、復帰早々あれこれと頼られて年中忙しい[もっち]さん、ついでに自分の出張などもあったので、夏休み前日に合わせての開催となりました。

岡山市内の海鮮料理「幸市」さんでの宴席、まだ新しいお店とみえて新しい畳のさわやかなかおりが迎えてくれました。
上品な懐石料理にドリンクメニューも趣味が良くて乾いた喉も空かせたお腹も満足。ひととき蒸し暑さを忘れて、また「やるぞ」と気分を新たにしたのでした。

よく言われるように瀬戸内海は四季折々の多様なお魚たちが集う海。よその土地ではあまり目にすることのない魚が普通に魚屋さんで売られている、お魚好きにはこたえられない土地です。
この日並んだお料理にも、岡山の新鮮な魚が盛りだくさんで、目にも鮮やかでした。
特に今が旬の「マナガツオ」は申し分のない脂の乗りで、お造りも焼き物も絶品でした。
まあ、西日本では珍しいというほどではない魚(ただし高い)ですが、定番ということはそれだけ旨いということですからね。それに、マナガツオが普通にお造りで食べられるところはあまりないのではないでしょうか。
岡山というとよくサワラを使った料理が紹介されますが、出張などで岡山へお越しの方、今はマナガツオです。
それと今年はちょっと旬をまわっちゃいましたが、ヒラも本当においしい魚なんですよ!ヒラって国内では岡山を除いてほとんど食べられていないんですが、お隣韓国では高級魚だそうです。[出典:ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑

私は食通でもなんでもありませんが、
「何となく岡山を感じさせる魚介類」
として5つほど挙げてみますと、
1.サワラ、2.マナガツオ、3.ヒラ、4.ママカリ、5.カキ(or ベカ)
こんなところでしょうか?多種多様な食べ方で楽しめることも考慮し、トップはサワラということで…。
地方名のあるお魚は敢えて地方名で書いたのですが、岡山の人ならおなじみですよね。

電子出版をめぐって業界の動向には目が離せないし、お客様方のニーズも今後ますます多様化が予想され、私などついつい舞い上がってしまいそうなのですが、どんな時も冷静で確かな見極めで溢れる情報をきちんと取捨選択できる[もっち]さんがいれば、私が少しばかり頼りなくても安心です。
これからも、頼りにしています。よろしくね!
もちろん、私も依存し過ぎないよう自分なりに努力しますよ。もちろんね。

折しも8~9月は出張たけなわのシーズン。休みが明けたらまた出ていきます。
ご遠方の先生方も、資料などでふくろう出版の名前を見掛けたら、どしどしご相談くださいませ!

色とりどりで目にも鮮やかなお造り盛り。マナガツオ・マゴチ・エビ・ウニ。

色とりどりで目にも鮮やかなお造り盛り。マナガツオ・マゴチ・エビ・ウニ。



マナガツオの照り焼き。食欲をそそる照りですね。付け合わせはイチジクです。相性good!

マナガツオの照り焼き。食欲をそそる照りですね。付け合わせはイチジクです。相性good!



B級グルメにも新鮮な魚介類や新鮮な野菜がいっぱい!
『岡山GOGOグルメ隊!』


岡山市内のバーではアイディアを凝らした地産池消の「コラボカクテル」がメニューに仲間入り!
『おかやまバーテンダー』

11.08.05

手術室の奇跡?

またまたご無沙汰しておりました。
実は入院・手術のため、しばらくお休みをさせていただいておりました。
私事で恐縮ですが、その時のお話を少し書いてみたいと思います。

 

初めての入院+全麻手術。不安はありましたが、引継ぎやら入院準備やらで直前までバタバタしており、あまり深刻に考えこむ間もなく、入院の日を迎えました。
そして翌日にはもう手術。そこまできて逃げるわけにもいかず「もう、どうにでもなれ!」と覚悟を決め、意外に軽快な足取りで、手術室へと向かいました。

 

手術室へ入ると、そこには音楽が。アメリカの医療系ドラマなどでは、ドクターが自分の好きな音楽をかけ、すごいノリノリな感じで手術をしている風景がよくあって「あ~、ホントにこんな感じなんだぁ♪」と、なぜかドラマの主人公気分(笑)。
そして何と、流れていたのは私の大好きな林檎ちゃん!!しかも、特に愛してやまない、椎名林檎初期ソロ時代の曲だったのです!

 

手術室で音楽。そしてまさかの林檎ちゃん。
何か、すごく運命的なものを感じました!
「大丈夫。きっとうまくいく。」そう神様が言ってくれているような・・・。

 

そんなことを思っているうち、すぐに麻酔で意識は遠くなり、翌日目覚めたときにはICUのベッドの上でした。
術後1週間は本当に辛かった(口と鼻をふさがれた状態だったので、痛みより息ができないのが苦しくて、死ぬかと思いました)。
ですが、無事、生還することができました。
神様、仏様、林檎様、そしてご心配くださった皆様、本当にありがとうございました!

 

セカンドアルバム『勝訴ストリップ』
一番好きかも。

 

 

 

傑作すぎるファーストアルバム『無罪モラトリアム』

 

 

それにしても、最近の若いお医者さんって、キレイな人が多いなーと思いました。
きれいで頭がよくて、一般的にステイタスが高いとされる職業につき、それに見合う報酬もきっとあり、薬指には指輪がキラリ(☆д・)
全部持ってます!
そして持っている女性の配偶者は、やはり持っている人だと思われ・・・。
あ、別に妬んでいるわけではないんです。うらやましいだけ。(´・ω・`)

 

最近の若いお母さんには、キレイな人が多い(文明の利器や各種サービスの充実などにより)。子どもを持つ女性限定の就業支援(優遇)なども増えてきている。持つものと持たざるものの格差がより鮮明になってきている、みたいなことを確か香山リカさんが書かれていたのを、ふと思い出しました(^^;)

 

『しがみつかない生き方』

 

 

この度は看護師さんにもお世話になりました。
体力的にもきついと思いますし、患者さんにとっては精神的な支えとなることもあり、大変なお仕事だと思います。
取り乱し、泣きじゃくっている患者さんに対し、優しく辛抱強く接している姿など、本当に頭が下がる思いでした。

 

看護系教官、看護師、保健師など看護専門職の人々が、患者や家族、友人との関わりなど、自らの体験、心に残るエピソードなど、思い思いに綴ったエッセイ集あります。
「看護専門職の人生を育むもの」シリーズ
第8弾『仕事と誇り』


 

 

【教えて!ドクター♪】
岡山市中区やけまるさんから届いたこんな質問。先生に聞いてみました!(*^-^*)

 

質問:手術の時、トイレに行きたくなったらどうするんですか?ドクター交代?それとも我慢できる体になっているんですか?
答え:集中しているからか、これまで手術中にトイレに行きたくなったことはありません。
質問:10時間以上とか、すごい長時間の手術でも?
答え:はい。「お腹すいたなぁ~」って思うことはありますけど。

 

プロフェッショナルですね!
そういえば、占い師「新宿の母」も、鑑定中は立ちっぱなしで、食事もしないしトイレにも行かないと言っていたと思います。お客を待たせないためだそうですが、何十年も毎日そんな生活じゃ体が心配です。無理しないで!

09.07.01

あけましておめでとうございます?

今日は7月1日。
新しい半年の始まりですね。
***
去年までは、まったく意識もしてなかった今日、7月1日ですが、今年からは少し意識していこうかなと思ってます。
1月1日、この日は誰しも意識しますよね。
「新しい年が始まったなー」とか
「今年の目標は○○だ」とかとか。
***
今年の正月、僕も目標を立てましたよ。今年こそは!とね。
でもこの半年を振り返ってみると、日々の生活に流されて、出来ていないこと、うやむやになっていることが沢山あるのです。
そこで今日7月1日です。
ここで2009年の後半に向けて立て直したいのです。
***
1年間というのは、あっという間のようでいて、結構ながいです。
無為に過ごしてしまうのは、あまりにももったいないです。
理想を言うと「1分1秒を大切に」ってことなんでしょうけど、そこまではなかなかね。
そこで7月1日です。
この日を1月1日の次に重要な日と意識します。
もっと言うと、半年でも長いと思うので、10月1日と4月1日も入れましょう。
これで、3ヵ月刻みになります。
仕事の4半期みたいですけど、これは別に仕事に限ったことではないです。
仕事が含まれても別にいいのですが、僕が考えているのは、より豊かに(精神的に)生活したいということです。
そのために、1年を区切って振り返り、また新たな目標を立てる。
意識するだけでも違うと思うのです。
***

以前も紹介しましたが、この本のなかでギルバートは言います。
「マッチポイントやゲームポイントは誰でも意識する。でも大事なのは見過ごされているその前のポイントなのだ」と(ごめんなさい例によってうろ覚えです)
***
テニスのポイントはちょっと特殊で15、30、40となっていって、4ポイントを先にとった方が1ゲームとる(デュースの場合を除く)ことになり、6ゲームを先にとれば1セットとり(タイブレークを除く)5セットマッチの場合は、3セットを先にとれば勝利となります。
あと1ポイントでゲームがとれる(とられる)ポイントをゲームポイント。あと1ポイントでセットがとれる(とられる)ポイントをセットポイント。そしてあと1ポイントで勝てる(負ける)ポイントをマッチポイントと言います。
普通ここばかり意識してしまいます。つまり1年でいうと大晦日とかです。もはや大詰めですね。
そうではなく、その一歩手前。ゲームだったら30になったとき、ゲームだったら4ゲームになったとき。その次のポイントなりゲームをとるかとられるかが重要なのです。そこで不注意だったり無意識でプレイをしていたら勝てません。
そこに意識をもっていって集中し、そのポイントなりゲームをとらなければいけないのです。
その積み重ねの上に勝利があります。
***
人生もそうですよね。
1日1日が積み重なり、1ヵ月1ヵ月が積み重なり、1年1年が積み重なっていく・・・。
だから無為に過ごすことなく、意識して充実して過ごしていきたい
そうすれば人生も勝利(自分の中での)することができるのではないでしょうか。
***
おお今日は真面目だ!
なにしろ新しい半年のスタートですからね。

09.04.06

道具に拘る Vol.5

やっと今のカメラにたどり着きました。
Nikon D40です。

これもまたもう生産中止してしまいました。
デジタルカメラは技術的進歩が早く、生産される期間も短いので、フィルムカメラと直接比べるのは難しいのですが、D40はニコンのカメラの中でも、傑作の一つに入れて良いのではないでしょうか?
***
このカメラはニコンのデジタル一眼の中では一番安いカメラでした。でも「安かろう悪かろう」のカメラではなく、割り切るところは割り切り、譲れないところはしっかり造ってあります。
割り切ったところは、例えばAFを駆動するモーターです。ニコンはそれまで、ボディにもモーターをつけていたのですが、D40ではそれをやめて、レンズ内モーターのみにしたのです。そのおかげで、ボディは軽くなり、値段は安くなりましたが、多くのレンズがAF出来なくなってしまいました。発売当初はそこを問題視する意見も多かったのですが、しばらくすると、レンズメーカーもレンズ内モーターをもったレンズを作り出したため、さしたる欠点にはならなかったのです。それよりも小型軽量のメリットの方が大きく、ニコンの「割り切り」が成功したのです。
もう一つの割り切りは、画素数でしょうか。コンパクトカメラでも1000万画素を越えている時代に、D40は600万画素しかありません。
これも勇気がいる割り切りだと思います。一般に画素数が多いほど良いと思われていますから。しかし実際にはA3ぐらいまでなら600万画素もあれば充分なのです。普通の人はL版か、せいぜいハガキサイズがほとんどですので、まったく問題はありません。
逆に画素が少ないことには、メリットもあります。データ量が少なくなるため、保存するにしても、加工するにしても、取扱が楽になりますし、ノイズが出にくくなるために、暗い情況にも強くなります。
実際D40で撮った写真は充分なクオリティを持っていました。
そういったことで、D40はカメラ初心者にもまたベテランのサブカメラとしても愛されているのです。
***
僕もまだまだメインのデジタル一眼として使っていきたいと思っています。
この先もし買い換えるとしたら、フルサイズの撮像素子で10万円を切ったコンパクトなモデルが出たときでしょうね。
前にも言いましたが、コンパクトで高性能とかに弱いので…。

09.03.30

道具に拘る Vol.4

えーっと、たしかGR-1まで話が進んでいましたね。
***
そう、ほとんどGR-1を買いかけたのですが、当時まじめに写真に取り組もうと思っていたものですから、やはり1眼レフかな?っと思い直し、写真学生御用達と言われていた、NikonのFM3aを買うことにしたのです。
このカメラも今では生産されていません。
FM3aは、いわゆるマニュアルカメラで、フィルムを巻くのもレバーです。
絞りを変えたり、シャッタースピードを変えたりするのも、全てダイヤルと、直感的です。
液晶等もなく、電気を使うところがほとんどありません。露出計を動かすのと、シャッターが、電子制御式と機械制御式のハイブリットになっているので、そこに電池が要りますが、仮に電池がなくてもマニュアルで露出を決めれば、写真を撮ることが出来ます。
これは、今のカメラには出来ないことですね。
時計にもクオーツに対して機械式があるように、機械としての魅力がこのFM3aにはあると思います。
そうそう若い人にもこういうカメラの方が人気があるんですよ。デジタルよりむしろ新鮮なんでしょうね。
僕もこのカメラを買った頃は、デジタルに対して懐疑的で、フィルムのほうが味があって面白いし、綺麗に取れると思っていました。
フィルムが映画なら、デジタルはテレビくらいの感じで、フィルムのほうが本物って感じがしてましたね。
まあ今では、どちらも使いますし、どちらもそれぞれ良いところがあると思っています。
***
FM3aではリバーサルフィルムを主に使っていました。
ネガフィルムとは違って、プリントしなくてもそのまま鑑賞することが出来ます。
デジタルが一般的にになる前、プロはリバーサルで撮るのが当たり前でした。それが一番綺麗に印刷が出来たからですが、今では、速報性を必要とされるものは全てデジタル入稿となり、作家性が必要とされるものもネガフィルムでとってプリント入稿ということも増えています。

例えばこの佐内正史さんとかも、フィルム(35mmより大きな6×7ですが)で撮って、プリント入稿していると思います。
まあ僕がリバーサルで撮っていたのは、そのほうがネガより難しくてプロっぽいということと、プリントしなくても、現像さえすれば見られるのでお金があまりかからないという理由でしたが…。
でもリバーサルをライトボックスの上に置いてルーペで覗くと、本当に綺麗ですよ。すごいリアリティがあるのです。あの小さなフィルムの中に世界が凝縮されるというか、そこに「在る」という感じです。
この感じはデジタルでは得がたいものであると思いますね。
***
さあ次にやっと今のカメラにたどり着きましたよ。
ではまた来週。

09.03.25

道具に拘る Vol.3

まだ続く、道具に拘るシリーズ。第3回は
カメラ
です。
***
とりあえず僕のカメラ遍歴を…
***
最初にカメラに触れたのは、70年代のスーパーカーブームのころですね。
僕も当然スーパーカーに夢中で、フェラーリだカウンタックだと大騒ぎしていました。
そのとき親から借りて使っていたのが、オリンパスのペンという当時のベストセラーカメラでした。
当時はまったくカメラの知識がなく、わけもわからずに、あちこちのダイアルをいじるものだから、1枚もまともに撮れなかったのです。
その経験がトラウマとなって、以後しばらくは、まったくカメラに触りませんでした。
***
月日は流れ
かれこれ7、8年前でしょうか?
relaxという雑誌に載っていた、ロシア製の「ロモ」というTOYカメラにはまったのです。

このカメラは、ちっちゃくて、いい加減な作りなのですが、撮ってみると不思議と作品っぽく撮れるのです。
色も勝手に変換するし、ボケもかわっていて一寸絵画っぽくなったり。コントラストも高くなったりします。
でもそこがいい味になるんです。
どんなものが撮れるのか、現像できるまで解らない。そんなカメラまかせなところが楽しくて、しばらくそれで遊んでいました。
***
ところがある日、ロモが壊れてしまったのです。
なんせ、もともといい加減なつくりですからね…
こまりました…
その頃にはカメラのことも少しは勉強していたので、もう少しまともな(普通の)カメラを買うことにしました。
***
そのとき買いたかったのはリコーのGR-1というコンパクトカメラでしたね。

これのフィルム版です。
一眼レフではなく、あくまでコンパクトカメラなのですが、レンズが優秀で、「プロが仕事に使える」と言われていました。
そういうのに弱いんですよ。
「1600ccしかないのに、コーナーでは絶対負けないロータスヨーロッパ」とか…
このカメラは今でも欲しいですね。
***
あー話が長くなってきたので、続きはまた来週にします。
カメラって、話がつきませんねー
このペースだと来週でも終わりそうにありません。

09.03.12

道具に拘る Vol.1

なにをするにしても、僕は道具から入っていく方ですね。
「弘法筆を選ばず」の人もいるかもしれませんが、その人の気持ちは判りません。
道具を選んだり、その道具の蘊蓄を調べたり、色々工夫したりするのは僕の大きな愉しみの一つですから。
お金があればなんでも買えるのですが、悲しいかな使えるお金は限られています。
だからといって妥協するのではなく、買えるもののなかで、自分が納得できるポイントを探します。
***
例えば、ほんとはロータス・エキシージが欲しい!(627万9000円!!!)
でもお金がないから軽4ぐらいしか買えない…
ものすごい落差です。
そこでどうするか?
例えばジムニーにしてみる。
ロータス・エキシージとは値段も違うが、性格もまったく違う。
だけどジムニーにもとんがった個性がありますね。
いまでは珍しいラダーフレーム、軽量ゆえに路面によっては世界最強のオフローダーでしょう。
また沢山のパーツがあって、スペシャルショップも多く、色々と改造も楽しめる。
原寸大のおもちゃですね。

乗ってみても個性的で、オフロードに合わせたギヤ比になっているため、異様にローギヤードで、ローはすぐにふけ切ってしまいます。信号待ちから流れに乗って走り出そうとすると、交差点をわたる頃には、すでにサードに入っています。忙しいったらないです。
でも、そうやって乗るのが楽しい車です。
ロータスもいいだろうけど、ジムニーも悪くないなって感じで納得して乗ってるのです。
いつか車高を上げたりバンパー変えたりしてみたいな。(お金さえあれば・・・)
***
これから何回かに渡って、愛用の道具を紹介していきたいと思います。

次回はこれ。ブリヂストンデュアルコイル3.0

いま愛用している、ラケットです。

09.02.18

字が上手くなりたい

子どものころ、親の書く字をみて、かっこいいなー。僕も大人になったらこんな字が書けるようになるんだろうなーと思っていた。

ところがである。

今、僕は40代で、どう見てもオトナである。

なのに僕の字は、壊滅的に酷いままで一向に上手くなる気配もない。

なぜなのだろう、ホントは左利きなのに矯正されて右で書いているからだろうか?

***

まあ、最近ではほとんどパソコンで用は足りるので、字を書く機会じたいがあまりないのではあるが…

例えば年賀状なと、一寸手書きでコメントを付け加えたくても、あまりにも下手すぎてかけない。

せっかくデザインした年賀状が、その手書き文字によって、台無しになりかねないのだ。

だから、手書き風のフォントをつかって、一人分を入力しては一枚出力といっためんどくさいことをしている。

***

憧れますね。字の綺麗な人…

僕の字は大体において安定していない。

下手なのは変わらないが、日によって下手レベルが違う。疲れてくるとより下手になる。

よく「字」で、性格判断なんかをしているが、僕の字で判断してもらったらどうなるのであろうか?…怖い。

きっと僕の字をみたらちょっと頭悪いんじゃないかと思われるな。きっと

***

このままだと字の下手なおじいさんになってしまう。あ・り・え・な・い