今日は冬至に新月が重なる、19年に一度の「朔旦冬至」ですね。
とりあえず、お昼はかぼちゃを食べました。
そんなわたくし、実は先日、お伊勢参りに行っておりました。
天照大神がまつられている内宮手前の宇治橋からは、美しい日の出を拝むことができ、
さらに冬至の日には、宇治橋の鳥居のちょうど真正面に朝日を見ることができるということで、
毎年多くの人が訪れています。
冬至少し前、それに近い状態で見られることを期待していたのですが・・・・・・
雨でした。_| ̄|○ il||li
宇治橋両端のこの鳥居は、今年10月に建て替えられたばかり。
昨年の遷宮を終えて解体された内宮、外宮の各正宮の棟持柱を再利用したものだそうです。
正宮の柱として20年、そしてこれからは宇治橋の鳥居として20年、そのお役目を務めます。
その他にも、旧殿で使用されていたご用材は1本たりとも無駄にせず、神宮内のみならず全国の神社等で再利用されるのだとか。
他の神宮では木材に防腐剤などが塗られていることが多いが、伊勢神宮では、後々再利用しやすいよう、あえて白木を使っているのだそうです。エコですね!
ところで日本でも、たいていのホテルに置かれているのが聖書ですが、今回宿泊した内宮近くのお宿では、聖書の代わりに「古事記」が置かれていました!
「全国のホテルや旅館に『古事記』を置きたい」
と、昨年の講演会で、竹田恒泰さんが言われていたのを思い出しました。
『現代語古事記: 決定版』
日本人のルーツというか、自分の国の「建国の神話」を知ることは、グローバル化が進むほど、より大切になるのかもしれません。
そして、伊勢といえば『伊勢物語』です。
『伊勢物語とその周辺』
その構造のあり方、成立過程などから、物語の性格、作品論的意味など、その魅力を考察。
『伊勢物語』に大きな影響を受けたとされる『源氏物語』やその作者、紫式部をめぐる作品についての論考も収録。
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少し前の話になりますが、岡山県立美術館で開催中の
「光琳を慕う 中村芳中展」に行ってきました。
『光琳を慕う―中村芳中』
日本画というと、ちょっととっつきにくい印象もあるかと思いますが、芳中さんの絵は、何だかとってもカワイイのですo(*^▽^*)o
チラシにあった、ま~るいコロコロのわんこ絵が一番の目あてだったのですが、花も木も、あらゆるものが丸くて可愛かったです♪
口を開けてボーッと(?)佇む緊張感ゼロの鹿や鳥、どこかのゆるキャラみたいな子もたくさんいて、見ているこちらの口元も自然とゆるんでくるのです。
そんなステキなカワイイ展なのに、来場者は少なめで、何だかもったいないなーと思いました。
「中村芳中」といわれても、ピンとこない人は多いと思うので、もっと「カワイイ」を前面に打ち出せばいいのに、と思いました。
『かわいい琳派』
できることなら円山応挙や神坂雪佳、長沢芦雪とかの作品も集めて、「ニッポンのカワイイ展」にすれば、「日本画とかよくわかんない」っていう女子とか、もっとたくさんの人に見てもらえるのにな~、と思いました。
あ、東京ではそういうの、やってたみたいですね。
次回は岡山でも是非、開催してほしいです!!
『かわいい江戸絵画』
展覧会は、岡山県立美術館で11/3(月)まで開催中です。
芳中さんの絵の可愛らしさには現代にも通じる魅力があり、そういうものを見ていると、「かわいいを愛でるメンタリティ」みたいなものは、かなり昔から、日本人には備えられていたのではないのかという気がしてきます。
そういえば、そんなことが、この本にも書かれていました。
『人びとのかたち』(改訂版)
「Kawaii」も今や、世界共通語だといわれています。
2年前のNY、感謝祭パレードで、それを実感する出来事がありました。
老舗デパート「Macy’s(メイシーズ)」主催のこのパレード。
山車やピエロ、マーチングバンドに有名キャラクターの巨大バルーンなどが、マンハッタンの中心部約4kmを練り歩くのですが、その時、栄えあるトップバッターとしてやってきたのは、なんと日本のキティちゃんなのでしたー。
(著作権に配慮し、目線を入れております)
観衆の大歓声を受けながら進んで行くキティバルーン。
その時、私の近くで
「Kitty cha—-n!! Ka—Wa–i—-i!!」
と叫ぶ、背の高いyoung manがいました。
この時、アメリカでのキティちゃん人気は本物、そして日本の「Kawaii」も、世界で認知されているのだと強く感じました。
この子もいました!「ピカ☆」
この黄色い子も、大人気でしたよ!
そういえば今年、サンリオ社長から発せられた
「キティちゃんは猫じゃない」発言は、
アメリカをはじめ、世界を震撼させたようです。(^^;)
そんなキティちゃん、明日11/1は、生誕40周年のお誕生日なんだとか。
おめでとー!★:゜*☆※>(’-'*)♪オメデトウ♪(*’-')<※★:゜*☆
普段、サッカーを見ることはほとんどないのですが、今朝、少しだけ見ていて驚いたことがあります。
それはキックオフ前、国歌斉唱時のことでした。
日本代表選手が皆、「君が代」を歌っているではありませんか。
中でも、一番しっかりと声を出して歌っていたのが本田圭佑選手。
これはかなり意外、というか、嬉しい驚きでした。
『フットボールサミット第8回 本田圭佑という哲学 世界のHONDAになる日』
普段は特に気にしていなくても、自分のアイデンティティというか、自分がどこの何者であるのかということを、強く意識させられる場面があります。
一つは海外に行った時、そしてもう一つは、まさにワールドカップやオリンピックなど、大きな国際大会に際する時です。
他国選手のほとんどが胸に手を置き自国の国歌を歌っている中、日本人選手は口をつぐみ、ただ立っているだけ、という場面をこれまで何度も目にしてきました。
たとえ競技で良いプレーをしていたとしても、そんな姿を見ると、何だか残念な気持ちになってしまいます。
政治思想云々は関係なく、選手は国の代表として戦い、観客は自国の代表を応援する。
国歌や国旗は、そこで国民が一つになるための「よりどころ」ではないかと思うのです。
多方面で話題を提供してくださっている竹田恒泰さんの勉強会に、昨年ふくろう出版メンバーで参加し、「君が代」や他国の国歌(血なまぐさいもの多し!)について教えていただいたところだったので、その後の国家斉唱場面には結構注目していました。
子どもの頃は、ただ「地味だな~」という印象しかなかった「君が代」ですが、その歴史とか込められた意味などがよく分かりよかったです。
そして竹田さん、歌がとてもお上手なのにもビックリしました。
英語に中国語、ドイツ語やフランス語でも、各国の国歌を、朗朗と歌い上げていらっしゃいました。
『日本人はいつ日本が好きになったのか』
そして特に大きな国際大会においては、疑惑の判定やルール変更、○○協会・○○連盟など、選手を取り巻く環境に対してモヤモヤしてしまうことも多いです。
大きな感動を与えてくれた選手達の、その頑張りに応えるために、言うべきことは言い、自国の選手をちゃんと守れる組織づくりや運営が必要なのではないか、みたいなことを思うのです。
スポーツ組織とかマネジメントに興味が出てきた方に、是非おすすめしたいのがこちらです。
『体育・スポーツと経営』
そして実力通りの力を発揮するために必要なのが「メンタルの強さ」です。
「本当はできる子なのに!」
大舞台で今一つ実力を発揮できないという日本人選手は、残念ながら多い気がします。
逆にメンタル強そうだなぁと思っていたのが羽生結弦選手。
可愛らしい顔でジョニー・ウィアーデザインのフリフリ衣装を見事に着こなしてはいますが、中身はかなりの「漢(おとこ)」だと思っていました。
「ジョニー・ウィアー」
『蒼い炎』
普段から、大会でもあまり緊張しないと言っていましたが、ソチでもその言葉通りの成果をおさめてくれました。アッパレです!
『メンタルトレーニング入門』
長年メンタルトレーニングの指導や研究に携わり、トランポリンでオリンピック入賞を果たした古章子元選手、メジャーリーグでも活躍した松井秀喜元選手など、トップアスリートへの指導経験も多く持つ著者です。
先日、神戸市立博物館で開催中の「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」に行ってきました。
世界屈指の日本美術コレクションで知られる米国・ボストン美術館所蔵の北斎作品の数々が、現在日本に里帰り中なのです。
代表作「冨嶽三十六景」や「諸国瀧廻り」、「百物語」などの他、世界中でボストン美術館にしかないという珍しい作品も出品されています。
絵画には全く詳しくない私ですが、なぜだか浮世絵はとっつきやすく、面白いな~と思っていました。
マンガチックなデフォルメ具合に惹かれるのかもしれません。
今回の北斎作品、緻密さや躍動感の素晴らしさはもちろんのこと、そこに描かれた当時の風俗そのものにも興味をそそられます。
「○○という版元から出版されたものです」などという説明があると、「版元(出版社のこと)」っていう言葉もこのころからあるんだよなぁと、しばし感慨にふけったりもしてみました。
また、解剖学的にみてもかなり正確だという骸骨や、西洋絵画を意識したと思われるもの、だまし絵(隠し絵?)みたいなものなど、実験的試みや遊び心のあるものも多く見られ、晩年になってなお、
「猫一匹すら(満足に)描けねぇ」
と嘆いたといわれる北斎のあくなき向上心、好奇心をうかがうことができます。
『もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品』
そして浮世絵といえば、歌舞伎とも縁が深いということで、音声ガイドのナビゲーターは四代目市川猿之助さんでした。
『祝!四代目市川猿之助襲名記念 僕は、亀治郎でした。』
その猿之助さんも出演されていた「伝統芸能の今」という公演が先月倉敷でありました。
津軽三味線と狂言のコラボ、津軽三味線をバックにした猿之助さんの創作舞踊、一つの演目を狂言と歌舞伎で演じるなど、異ジャンルのアーティストたちによるコラボレーション、すごく面白い舞台でした。
「ゴールドリボン」と「世界の子どもにワクチンを」のチャリティー企画ということで、演者さんたち自ら募金箱を持ったり、客席を回ってのプログラム(手ぬぐい付き)販売などもされていました。
かなり間近で拝見した猿之助さんのお顔(たぶんすっぴん)は、毎日白塗り厚塗りしているはずなのに、スベスベつるつる、すごくキレイでびっくりしました!秘訣を教えてください!!
昨年あたりから、様々なジャンルのコラボ芸術舞台をいくつか見る機会がありました。
それらの斬新な試みは「邪道」といわれることもあるでしょう。
ですが素人にとっては、とっつきやすくて面白い。
入り口としては、そういうものもあってよいのではないかと思います。
そして時には、そんな素人目線、というか「外からの視点」というのが大きな意味を持つことがあります。
明治維新以降、西洋志向が強まり、伝統文化は軽んじられていった。
多くの日本美術品が市場に放出され、二束三文で扱われたといわれています。
そんな時、日本美術に魅せられ、価値を認めたのは異国の人々でした。
『ボストン美術館秘蔵 スポルディング・コレクション名作選』
素晴らしい日本美術品の多くが今、ボストンにある。
それを文化財の海外流出と捉えると残念な気もしますが、その後の歴史を考えると、もしも海を渡っていなければ、現在まで残ってはいなかったかもしれない、とも思えます。
そして何より、今なお鮮やかな色彩を放つ北斎作品の、その保存状態のよさに、とても大事にされてきたのだということが見てとれ、「ボストン、ありがとう!」 という感謝の思いで一杯になるのです。
今回出品されている作品は、少なくとも今後50年間、他館への貸し出しはもちろん、ボストン美術館においてですら公開はしないといわれています。
人気のため混雑は必至ですが、興味がおありの方は、この機会に是非!!
『北斎決定版』
海外では「BIG WAVE」と呼ばれる「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」。
それにインスピレーションを受けて作られたのが、ドビュッシーの代表作、交響詩「海」。
「ドビュッシー:管弦楽曲集」
20世紀を代表する建築家、フランク・ロイド・ライトも浮世絵に魅せられた一人でした。
ボストンの大富豪、ウィリアム・スチュアートとジョン・テイラー・スポルディング兄弟がボストン美術館に寄贈した多くの浮世絵版画は、当時日本に滞在していたライトを通じて購入したものなのだそうです。
『フランク・ロイド・ライトの建築遺産』
朝一が比較的すいているとの噂ですが、私は土曜日限定の「イブニング・レクチャー(学芸員さんによる展覧会の見どころ解説)」狙いで、夕方5時前に到着しました。
その時点で45分の入館待ち!!
ですが、展示コーナーには入れずとも、レクチャーの行われる講堂には入れるのです!
何だかお得!
土曜日夕方、お薦めです!
今日も仕事が終わらない。
パトラッシュ、僕はもう疲れたよ・・・。
『フランダースの犬 』
完結版『フランダースの犬 』DVD
あの時のネロと同じような気持ち(?)で、私も今、ルーベンスの絵を眺めています。
デスクに置いた卓上カレンダー。「大エルミタージュ美術館展」で昨年購入したものですが、2月を飾っているのが、ちょうどルーベンスの絵だったのです。
(ネロが見たのとは別の絵ですが)
前ブログで書いた名古屋遠征。実はミュージカル観劇の他に、この展覧会(in名古屋市美術館)訪問も目的の一つでした。
訪れたのは、『怖い絵』シリーズなどでお馴染み、中野京子氏の記念講演開催日。
到着した開演1時間前には既に満席。さすが中野先生、大人気です!
私は立ち見で参加しました。
『怖い絵 泣く女篇』文庫
「絵を見るのに理屈なんていらない。ただ感じればいいんだ。」という人がいます。
確かにそういう絵もあるのでしょう。でも、絵を描くことに意味があった時代、その時代特有の風俗や背景を知らなければ、感じるものも感じられない。
そんなことを教えてくれたのが中野氏でした。
「たとえばドガの踊り子の絵。当時のパリの常識では現代と全く異なりバレエはオペラの添え物でしかなく、バレリーナは下層階級出身の、娼婦と変わりない存在でした。それを知っているといないのとでは、ドガの作品が与える印象は180度といっていいほど違ってくるのではないでしょうか。」
(中野京子著『「怖い絵」で人間を読む』より)
絵画を「読み解く」ということ。
私のように絵心皆無な人間にとって、ただ「感じろ」というのは存外にハードルが高いもの。
だけど時代背景や人物の関係性などの予備知識を持って、そこに込められただろう想い、繰り広げられたかもしれないドラマを妄想しながら眺めることを始めると、それが俄然面白くなってくるのですo(*^^*)o。
『「怖い絵」で人間を読む』
お話は面白く、サインもいただき、満足しました♪
「歴史は勝者が作るもの。」
「見方を変えれば、物事はまったく違ったふうに見えてくる。」
講演会での中野氏の言葉は「ウィキッド」につながり、また以前聴いた吉村作治氏講演会でのお話も思い出されました。
「海の魚たちを描いた壁画(とか道具)があったとする。それを見た人はまず、昔この辺りは海に近かったのだと思うだろう。でも実際にはその時代、そこは海からかなり離れていたことが分かったりする。遠いからこそ、めったにお目にかかれないからこそ、いつか見た(聞いた)海や魚に憧れる。身近にあるものでなく、憧れや渇望を描き残すということもある。」
その話を聞いた時、「目から鱗」がボロボロとこぼれ落ちたような気がしました。
魚だけに・・・・・・(^^;) 。
『ルーベンス ネロが最後に見た天使』
ネロも焦がれたルーベンス。
カレンダー掲載作品の他、展示の中にあったのが「ローマの慈愛」。
これがなかなかの衝撃作でした(゚д゚)。
「これぞ究極の慈悲!親子の絆!」と感動する人もいるのでしょうが、人間が未熟だからか、母性が欠けているせいか、私は生理的にちょっと・・・と思ってしまいました。
ネロ、ごめん。
とはいえ、巨匠といわれる画家たちでも、ゴッホをはじめ生前ほとんど評価されていなかったという人は多く、逆に現役時代は人気があっても、それが後世まで続くという人もまた、まれだといいます。
生前から名声を博し、現在に至るまで高い人気を保ち続けているルーベンスが、とても稀有な存在であることは間違いありません。
ルーベンスの他にもレンブラントやモネ、セザンヌ、ピカソ、マティスなど、時代・ジャンル共に幅広い作品が展示されていました。
レンブラントがよかったなぁ。
公式MOOK
『ロマノフ王朝の至宝』

セスナ機上から見たエアーズロック
ご存じ、オーストラリアの「エアーズロック」、8月にインターンシップで職場体験された学生さんが、ゼミ旅行先のオーストラリア土産に送ってくれました。
上空から見たエアーズロックの美しくて雄大なショットです。
かわいらしいコースターもお土産にいただきました。
わずかな期間のご縁だったのに、こうして気に掛けていただけて本っ当に嬉しいですねー。
ありがとうございます。後期の授業もがんばってください!
――――――――
さて、10月2日、岡山県矢掛町の「やかげ町民センター」で政治評論家としてご活躍の三宅久之氏の講演会があり聴講してきました。
備中ブロック(岡山県西部)の市・郡の商工会の交流イベントの一環でした。
タイミングが良くて幸運にも整理券を入手できたのですが、700人弱収容のホールは満席で、さすがの人気ぶりでした。

会場となった「やかげ町民センター」 岡山県矢掛町
冒頭で主催者から昨年12月に人気番組“たかじんのそこまで言って委員会”で、好きな都道府県として岡山県を挙げてくれたという嬉しいエピソードも披露されたのですが、三宅さん自身の話によると三宅さんの父親は岡山の人で日常会話は岡山弁丸出しだったとのこと。
ご自身は東京の生まれですが、岡山を第2の故郷と考えてくれているんですね。
講演は90分弱。
野田首相が就任演説であいだみつおさんの詩を引き合いに出したことの裏話、原発の問題、消費税引き上げの問題、TPP参加の問題などといった専門の政情の話を
「私は後期高齢者」(1930年生まれの御年81歳)
「(年齢、経験が)上の者は誰もいない。だから怖いものが無い」
と、ユーモアを交えながら舌鋒鋭く、そして分かりやすく話してくれるので、会場はずっと湧きっぱなしでした。
“たかじんのそこまで言って委員会”について
「田嶋陽子さんを改心させるために、辞めないでやっている」
との話には会場全体が爆笑の渦。
三宅 VS 田嶋のバトルは番組に欠かせない名物ですもんね。
私が特に印象深かったのは、鉢路前経産相が就任1週間で失言による辞職に追い込まれた話、そして、阪神大震災の対応のため編成した専門家チームに対して当時の村山富市首相が訓示した話でした。
以下、三宅さんの言葉を引用しながら、感じたことを綴らせていただきます。
「大臣になったとたんにSP(護衛)が付くし、どこへ行っても記者に囲まれ、誰だって舞い上がってしまうもの」
大臣になるほどの優秀な人物の失言が絶えないのはなぜなのか?
言葉は一度口から出てしまうと、独り歩きしてしまうもの。それを自覚していれば
「思ったことをすぐ口にせず、一度頭で考えてから発言すること」
ができないはずないんですが、大臣という職務を担うことでかえって無防備となってしまうんでしょうかね。
「権力を手にした人がそれを行使するにあたっては謙虚な姿勢であたらないといけない。権力の使い方を誤ってはいけない。」
権力を手にした後も謙虚な姿勢を持ち続けられるかどうかが、そうした無防備さを回避できる鍵なのではないかとも思いました。
「トンちゃん(村山富市元首相)は阪神大震災の時、自分には対処するだけの力量が無いことを自覚していたので災害対策のプロで対策チームを作った。対策チームを前にした訓示で、全権を彼らに委ねる一方、『責任はすべて私が取る』と言った」
トップが自ら責任を負うと宣言してくれれば、部下は安心して思い切り仕事ができる。そういう組織だとうまくいく、というお話でした。
また、このエピソードからは村山氏のお人柄というか「謙虚さ」を垣間見ることもできます。
自らの力量の無さを悟り、対策チームを作って全権を委ねるというのは、首相という立場上なかなかできないのではないでしょうか?
(個人的には、村山元首相は尊敬する大学の先輩です)
講演を通じて、三宅さんは舌鋒鋭く無造作に話しているようでも決して思い付くまますぐに口に出したりしないし、言葉の遣い方を誤ることは無いだろうと思いました。
多岐にわたる日本の直面する問題点ひとつひとつに的確なコメントを付けながら解説されるのは、さすがの知識と話術でしたし、自分の連載の執筆にしろテレビでのコメントにしろ常に相手を慮る「謙虚な姿勢」を持って当たられていること、そして自分の言葉を「責任を持って」発していることをひしひし感じました。
老いてなお日本の将来を深く憂慮する姿勢、日本国に寄せる熱い思いを強く感じました。
あっという間に過ぎ去る中で、密度が濃くてしっかりと心に響いた講演でした。
6月の辛坊治郎さんの講演に続き、尊敬する“郷土の大先輩”のお話を直接聞けて幸せでした。

700人弱収容のホール内観。 ほぼ満席でした
ちょっと前になるのですが、前よみうりテレビ解説委員長 現在は株式会社大阪綜合研究所代表の辛坊治郎氏の講演会を日本生命岡山支社さんが催され、無料セミナーということもあって、いそいそと聴講してきました。
6月13日月曜日午後6時半開始。場所は岡山プラザホテル。2か月前です。「ちょっと」か!?
すみません、だいぶん前です…。
さて、辛坊氏というと関西では絶大な支持を誇るキャスターです。会場のホテルに開始30分程度前に着くと、すでにロビーは黒山の人だかり。みんな「たかじんのそこまで言って委員会」を観てるんだろうな、と思ったりしながら会場へ。
講演会場にはパイプ椅子が整然と並び、25人×36列のなんと900席。
[さすが「しゃべりの達人」です]
講演は90分間。キャスターとして活躍する日常の話、政治の話、「たかじんの~」の出演者とか視聴者からの反応などのエピソード…興味深い話題がめくるめくかのごとく続いた、あっという間の90分でした。
なんといっても話が理路整然として分かりやすい。これは一朝一夕にできることではありませんが。
そして、いろいろな突っ込みを入れたくなる話題が中心なのですが(もちろん聴講者もそれを期待している)、むやみに批判したり上から目線や説教調になるのでなく、
謙虚さ、客観的な分析、それに関西人ならではのユーモア
で的確にやんわりとまとめてくれるので、会場はハイテンションながら終始和やかで最高の雰囲気でした。
スピード感を保ちながらも的確に「注」を付けながら話してくれるので900人の聴講者の誰一人置いて行かれることなく、最後まで演者と聴講者が一体になりきっていました。
さすがキャスター、解説委員、そして名うての「しゃべり」の達人でした。
次回またチャンスがあったらぜひ参加したい(もちろんお金を払って)です。
日本生命岡山支社様、お世話になりました。
当日の話にもありましたが、辛坊氏はよみうりテレビで月~金の朝帯「す・またん」(5:20~6:30)のアンカーをしているため毎朝2時起床なんだそうです。なんと、ベーカリーをやっている私の友だちと同じ起床時間。
8時に終了して、すぐに発っても帰阪が11時くらいにはなるでしょうね。
平日の夜に地方で講演会なんて、めったなことではできそうにありません。
距離的に見ても名古屋か岡山が限界では?得がたい貴重な機会だったなー、と幸せな気分で会場を後にしました。
月曜の夜とあって忙しいのか、聴講者は大半が私より先輩の方方でした。
20~30代の若い皆さんも、もっともっと聞きに来るといいなーと思います。
[人とのコミュニケーションを図る上で大切なこと]
最後に、当日特に印象深かったお話を僭越ながら紹介させていただきます。
上記はこの日のメインテーマ。盛りだくさんの話に織り込んで、さり気なく辛坊さんが教えてくれた3か条を紹介します。
座右の銘にしたいような、まさしく金科玉条だと思いますよ!
―― 1対1のコミュニケーションは、まず自分が相手の話を聞くことから始めよう。
>相手に自分の話を聞いてもらうには、まず相手の話をしっかりと耳を傾けて十分に聞かないといけない。聞く姿勢を示さないといけない。聞くことはしゃべることよりもずっと難しい。
[カウンセラーの先生方などにも通じる姿勢ですが、当然のことと頭ではわかっていても、しばしば失敗を犯してしまいます。「自分がしゃべるのは後から」。鉄則ですね。]
―― 思いついたことをすぐ口に出さない。口にするのは一度頭で回してから。
>言葉は花束にも凶器にもなる。無意識のうちに口にした言葉が思いがけない凶器になることもある。言葉として口に出すと、良くも悪くも後後まで相手に残るもの。言葉を口に出す前に一度頭で回せ。
[まさに、政治家など優秀なはずの方方の「失言」が後を絶たないのは、この図式ではないでしょうか。]
―― 与えられたニュース(数値、話題)を鵜呑みにしない。
>見かけ上は正しそうでも、真に事実とは限らない。数字により表出されているものの奥にあるもの、向こう側にあるものを取りに行く心構えを常に持つ。
[まさにジャーナリストならでは。しかし、私たちも世論を担う一員ですから同じです。]
[新刊です(これまた少し前ですが)。よろしくお願いいたします。]
ところ変われば「常識」というものがこうも変わるのか!
を多方面の切り口から平易に紹介しています。
まろやかな口当たりにして得がたい情報がぎっしり。後から効いてくる1冊です。
お盆休みを利用して、現在京都市美術館で公開されている「フェルメールからのラブレター展」に行ってきました。
フェルメールの得意とする光の描写と考え抜かれた構図、青や黄色の美しい色づかいで描かれた、3作品(そのうち1点は日本初公開!)が今回の展示の一番の見どころです。
フェルメールの絵は日本では特別扱いされますが、ヨーロッパでは大部屋に飾られる、その他大勢の中の1枚としての存在でしかありません。でも、その他の中でもフェルメールの”光”の描写に特別なものを感じるのは私だけではないはず!!
絵に関して知識のない私ですが、
真夏の京都にて巨匠画家の絵画を堪能してきました。(^ー^)/
「フェルメールからのラブレター展」
京都市立美術館 2011年10月16日まで。宮城、東京でも順次開催されます。
フェルメールの絵を題材にした映画もあります。
師走です。
またまたご無沙汰してしまいました。
時間経ちすぎですが、失われた4ヶ月間にあったメインイベント2つについて、少し書いてみようと思います。
前回、岡山で開かれた恐竜展のことを書きましたが、実はその後東京の恐竜展にも行ってきました。
「地球最古の恐竜展」
会場:六本木ヒルズ森タワー 森アーツセンターギャラリー
期間:2010年7月10日~9月26日
一番の目当ては、東京タワーなどキラキラの夜景をバックに恐竜(骨格標本)を眺められるという素敵コーナー♪
だけど実は、お写真スポットを間違えていて、目的の夜景バック恐竜写真は撮ることができなかったのです。すごいキレイだったのに・・・_| ̄|○
何となくの雰囲気だけでもお伝えできるでしょうか・・・?
「恐竜BAR」
恐竜と夜景を見ながら、お酒を飲むことができるスポット。
グラスの上に乗っている黒い球体はぶどう(だったと思う)。
CG映像も豊富、照明も凝っていて、お金かかってそうな感じでした。
食べられてます。キャー!!
NHKで放送されていた関連番組で見られた方も多いと思いますが、
哺乳類のご先祖様って、つくづく残念な感じですよねぇ。
アップでどうぞ。
エンターテイメントとしては面白い!
でも林原さんみたいに説明してくれる人とかはいなかったので、知的好奇心をくすぐってくれる度は、岡山の恐竜ラボに軍配を上げたいと思います。
「NHKスペシャル 恐竜絶滅 ほ乳類の戦い」DVD-BOX
「NHKスペシャル 恐竜絶滅 ほ乳類の戦い」ブルーレイBOX
「恐竜大研究」DVD
秋には、瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。
近いので、日帰りで何回か行こうと思っていたのですが、暑すぎて気力がわかなかったり、友人と予定が合わなかったりで、結局1日のみ、男木島、女木島の2島をめぐりました。
アート自体は正直「??」なものもありましたが、島はすごく良かった!特に男木島。
島自体の雰囲気が素敵なんです。また行きたい!
細い路地の坂道が多く、尾道にもちょっと雰囲気が似ているかも。
眺めていると、住民らしき人が窓から顔をのぞかせ「○時になったらここから水が流れるのよ」などと教えてくださる。和む(。◕∀◕。)
民家の庭先にこういうの↓があったりするんですが、アート作品なのか住民の趣味のものなのか、ちょっと迷う・・・。
かぼちゃアート??
女木島(鬼ヶ島)の洞窟も面白かった。
だけど、桃太郎伝説発祥の地と主張している岡山県人としては、女木のそれを認めてよいものかどうか(女木島は香川県)、ちょっと複雑(^^;
こんな鬼が出迎えてくれる。
いざ、洞窟へ。
会議中の鬼たち。全然怖くないんですけど。
あっ、娘っ子が囚われている。これは怖いかも。
洞窟内のアート
壁面に映るシルエットがきれい!
あれ?和解?
にこやかな鬼に見送られ、洞窟の外へ。
そこは絶景!
港には帆船ピアノ
そしてモアイ・・・。
カモメたち
概ね楽しい島旅だったのですが、残念だったのが交通の便。
期間中だけでももっとフェリー増やしてほしかった。JRも。
直島に渡るには宇野港(岡山県)からが近いのですが、宇野線(岡山-宇野)、本数少なすぎ。フェリーとの連絡も悪すぎ。駅前何もなさすぎ。せっかく県外からも人いっぱい来てるのにもったいない。
今回の芸術祭は来場93万人。予想は30万人だったそうですから、想定外のことに対応しきれなかったのかもしれませんが・・・。
それにしても惜しい。
地図とかHPももっとわかりやすくできただろうし、何か色々と惜しい。
だけど一番惜しかったのはこの私。
公式ガイドブックを購入し、ネットでも情報収集。おやつを買い、JR、フェリーの乗り換え時間、移動コースなど、事前に計画を練りに練り(というほどでもないが)、途中まではすごく順調に進んでいました。が、最後の最後にワナが・・・。
予定では、島を発って夜7時前には高松に着き、何か美味しいものでも食べているはずでした。10~11時には余裕で岡山に帰れていたはず。
がしかし、7時過ぎに私たちが食べていたのはカップラーメン。
何も無い、女木島のフェリー乗り場(待合室)で。
間違えたんです。
ちっちゃく書かれた「夏期臨時便」という文字を見逃していた。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
次の(最終)フェリーまで3時間以上、日の暮れた女木島で過ごすことに・・・。
ごめんよーーー。友人Y。
島の夜は早い。祭期間中だろうが、構わず早い。
待合室の食堂は既に閉店。持参していたパンやお菓子も完食しており、何か食べ物をと、とっぷりと日の暮れた島内を回ってみましたが、18時過ぎ、食事のできるところは無し。
そしてそんなフェリー難民を受け入れてくれるのは、そう、待合室だけ。
何も無いなんて言ってごめんなさい。明かりがあり、雨風しのげるだけで御の字です。
待合室で売られていた唯一の食料、それがカップラーメンでした。
侘しさと切なさと心強さと、様々に交錯する思いですすったあの時のカップラーメンを、私は生涯忘れないだろう・・・。
それにしても2,3種類あったカップラーメン、すべてが「味噌味」だったのは何でか?
美術手帖6月号増刊 「瀬戸内国際芸術祭2010公式ガイドブック 」
先日、岡山市デジタルミュージアムで開催中の企画展
『ようこそ恐竜ラボヘ!~化石の謎をときあかす~』に行って来ました。
モンゴル科学アカデミーと長年恐竜共同調査を行っている、岡山の林原自然科学博物館(昨年「カンブリア宮殿」にもとりあげられていた林原グループです)が主催。
国内だけでなく海外にも巡回していた本展ですが、今回は地元開催ということで、これまで輸送の問題から展示できなかった実物標本や、世界で林原自然科学博物館が唯一保有する珍しい標本を展示するなど、スペシャルバージョンとなっているようです。
恐竜にさほど思い入れがあったわけではない私ですが、すごく楽しめました。おもしろかった!
何と、一部を除き写真撮影OK! (*゜ロ゜)ノ太っ腹です!(そうと知っていればデジカメを・・・。)
いくつかご紹介しますと・・・
(写真のブログ掲載に関してもOKをいただきました)
トリケラトプスの頭部。実物です。
上にもいた!ズンガリプテルス。
「どっひゃー!」みたいなポーズが若干お茶目かもしれないデイノニクス(復元)。
「トカゲ飼いたいのよ。でもさ、エサが虫なのよ!」が口癖(?)の友人Y(←昆虫が苦手)は
「かわいぃ~♪」といたく気に入った様子でした。
そして今回の展示は、恐竜の化石そのものだけでなく、その発掘から輸送、クリーニング、復元にいたるプロセスに焦点をあてた構成となっていました。
実物大の発掘現場写真
こっちが頭だからぁ、たぶんここがこういう風に・・・
友人とああだこうだ言いながら見ていると、林原の研究員の方が色々と説明をしてくださいました。
発掘の際、化石の周りの岩石ごと掘り出すわけですが、大きなものだと1トンを超えるものもあるそうです。
数人がかりで掘り出し、切り出し、車に乗せ・・・。
発掘調査ってすごいガテン系なお仕事なんだなーって思いました。大変です!
テントや食料品も展示されていました。
実際に持ち帰った化石。木箱や麻布にくるまれています。
木箱を開けると・・・。
周りの岩石ごと石膏でかためられている状態。
ここから化石をきれいに取り出すわけですが、これ、緊張しますよねぇ。
細かい部分もあるし、もろくなってたりもするだろうし。
と思って、研究員さんに聞いてみました。
「つい手が滑って『あぁぁーーー』 ( ̄□ ̄;)!!ってなることはないんですか?」
「ありますよぉ」(^^) とあっさり。
(書いてしまっていいのか?(^▽^;))
うっかりが あってもいいじゃないか
にんげんだもの
(みつを?)
発掘、クリーニングされたサウロロフス。
大きすぎて全身は入らなかった(;;)
まだクリーニング途中。
すべて完成させるには、あと5年くらいかかるそうです。(ここまでで約15年)
気の長い話ですよねぇ。
そして王者T.rex(ティラノサウルス)
迫力に圧倒され、手ブレしてます(^▽^;)
右太ももの実物化石
何とこれ、おさわりOKです♪( ‘∇^*)^☆うふっ♪
他には、皮膚の化石もありました。
肌の質感は分かるけれども、色までは分からないとのこと。
人間以外のほ乳類は色覚が弱いため、体の色が地味である。
恐竜は鳥類に近い部分があるので、発達した色覚を持っていた可能性があるそうです。
そう言われると、皮膚の化石にみる恐竜のお肌は、オーストリッチっぽい感じもありました。
雄鳥が美しい羽を広げ雌鳥にアピールするように、色覚があれば、色に意味が出てくる。
恐竜といえば茶系(またはグレー?)のイメージでしたが、もしかするとものすごくカラフルで、派手な模様をまとったものもいたかもしれない。
そんなことを想像してみるだけで、何だかすごくワクワクします♪((o(゚▽゚○)(○゚▽゚)o))♪
今後さらに研究が進めば、新発見、新事実もどんどん出てくるんでしょうね。
生物の進化だとか、地球の長い歴史にはせる思いだとか、古生物学ってロマンの宝庫ですね♪
(時代と共に)復元は変わる
そして今回、実際に発掘現場にも行かれていたという林原研究員の方々が行く先々で説明をしてくださったので、とても分かりやすかったし、現場の方の生の声というのが、ものすごく興味深かったです。
皆さんとてもいきいきと、うれしそうにお話してくださったのも印象的でした。
きっと愛してらっしゃるんだろうな、好きなことを仕事にできるって素晴らしいことよね、と思いました。
1時間くらいで回れちゃうかなと思っていたのに、滞在時間は予想を大きく上回る2時間半!
たっぷり堪能しちゃいましたr(^ω^*)。また行きたい!
特別展『ようこそ恐竜ラボヘ!~化石の謎をときあかす~』
期間:2010年7月10日(土)~2010年8月18日(水)
岡山市デジタルミュージアム
http://www.city.okayama.jp/okayama-city-museum/
『恐竜研究所へようこそ』