▼2011 年 9 月 のアーカイブ

11.09.30

藤城清治版画展

藤城清治版画展が岡山で開催中とのニュースを目にしました。一度は見てみたいと思っていたので、これは行かないと!と思い、すぐにネットで確認しました☆

 

藤城清治は日本を代表する影絵作家であり、御年87歳。現役で、創作活動を続けておられます。

なんと、10月2日(日)にはサイン会があるみたいです。

岡山までお越しになることに感動です☆

東日本大震災の復興の日差しを描いた作品も今回みられるのでしょうか。

 

藤城清治版画展

開催日時:2011年9月28日(水)~10月3日(月)の約一週間(最終日は17時閉場)

場所:丸善シンフォニービル店 地下1階ギャラリーにて ◎入場無料◎

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-maruzen_okayamasymphony.html

 

藤城清治公式HP

http://www.seiji-fujishiro.com/

 

こちらもあります☆

11.09.28

女子バルで、女子力UP?!

腐女子に女子会、肉食系女子に大人女子など、○○女子(or女子○○)という言葉が乱立し始めて久しいですが、行ってきました「女子バルvol.2」。

 

それはシルバーウィーク後半、岡山駅地下の岡山一番街で遭遇した、9月23日~25日の3日間限定、そして女性限定(女性同伴の男性はOK)のステキイベントなのでした。

 

突如現る大正ロマンあふれる一角。
入り口には着物姿の可愛いお姉さん。
スタンディング形式でグラスを傾ける人々(オシャレ女子多し)。
奥に見えるはバーカウンター。
美味しそうな小鉢たち。ヘ(゜▽、゜*)ノ ジュルッ♪

 

料金は、1ドリンク+2フードのチケット制で1枚1,200円。
一番街ファーストカード会員なら、ジャスト1,000円というお手ごろ価格!
これは入らないわけにはいきません。((o(*^^*)o))ワクワク♪

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内容(上記チラシより)
・日替わりで登場する総勢9名のイケメンバーテンダーによるカクテル、ソフトドリンク
・「G.G.Wine」青木麻有美がセレクトするワイン
・日替わりで『millet』『健太郎』『野菜食堂こやま』が手掛ける和食
・書道パフォーマンス
・ミュージシャンライブ、DJプレイ など

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テーマは「和」ということで、大正ロマンを代表する岡山県出身の画家、竹久夢二の版画作品も色々と展示されていました。 

『もっと知りたい 竹久夢二 生涯と作品』

 

まずは飲み物。
着物姿のイケメンバーテンダーが微笑むカウンターへ。
一応メニューもありましたが、好みを伝えると、オリジナルのものも作ってもらえます。
担当バーテンダーは、弊社刊行おかやまバーテンダー掲載店の中で特に行ってみたいと思っていた「華伝座」のマスターでした。何というラッキー☆
カンパリ系リクエストで作ってもらったのがコチラ。

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スプモーニベースで、梅酒と何かと何か(忘れた・・・)を足しているそうです。
ちょうど良い甘苦さで、美味しかったです♪

 

続いてはおつまみ。
この日の担当は、小粋な大人の居酒屋「健太郎」さん。
8品くらいの中から、好きなもの2品を選びます。
がこの時すでに、2~3品が売り切れになっていました。
あ~、でもどれも美味しそう。
「穴子寿司」が残り3皿だといわれ、一品目はそれに決定。
2品目は、趣旨を考え(?)、とかく女が好むという「芋たこ南京」の煮物にしてみました。

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他には「秋刀魚の梅煮」、「牛すじとふろふき大根」、「筑前煮」とかがありました。

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木の葉型の飾り切り。こういう繊細さが和食ですよね~♪
芋も蛸も柔らかく炊けていて、美味しかったです。

 

美味しいお酒に美味しい料理。それを手軽に楽しめる素敵イベント。
毎週末、いや月一でいいから定期開催してほし~い。
(いやいや、気に入ったのなら、ちゃんとお店に行くべし!ですね(^^;))

 

女子バル」参加バーテンダー9人のうち、6人が紹介されています!!
 

『おかやまバーテンダー』

 

 

余談ですが、大人の女性を「女子」を呼称することについては「それってどうよ?」的意見も多々あります。
恐らく、女子=「女の子」だと思われていて、そこに「スイーツ(笑)」的痛さ、ナルシズムや幼稚さを感じる人もいるのだと思います。
だけど「女子トイレ」、「女子プロゴルファー」、「女子と小人は養い難し(論語)」のように、本来「女子」というのは「女性」を指す言葉であり、大人の女性を「女子」と呼ぶことも、何ら間違ってはいないのです。v(・_・)

 

それに「女子」って、やっぱり使いやすいんですよね。
「女性」だと固くなるし、「女」というと、呼び捨てのような捨てばちさ、あるいはなまめかしさ、情念みたいなものまで感じたり感じなかったり・・・。
その点「女子」にはあっさり感がある。性的ニュアンスが少ない気がするのです。
決して「いくつになっても乙女心を忘れないカワイイあたしアピール」とかではありません。

 

情報の一つとして、単に性の別を述べたいだけなのに、自身のジェンダー観を問われているかような気持ちになってしまうのはなぜ?σ(^_^;)

11.09.16

音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-新刊のご案内です!

音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-

音楽の話をしよう              -10代のための音楽講座-


このほど、チャーミングでユニークなエッセイ集を刊行いたしました。
著者は広島県生まれ、2004年から2007年まではアムステルダムに拠点を置いて活動してきた音楽家 寺内 大輔氏。広島大学教育学部で講師をお務めです(公式サイト)。

   ・独奏曲、管弦楽曲、校歌や映画・イベント・ゲームソフト等のBGMなど
     50曲を超すオリジナル曲の作曲
   ・独演会、バンド演奏、書道家やダンサーらとのコラボレーションなど
     多様なスタイルによる国内外での200回近くにおよぶ演奏会への出演
   ・幅広い年代層を対象にした音楽教育活動

など、多様な音楽活動に積極的に取り組んできた経歴をお持ちです。著者経歴(スライドショー)はこちらにもあります(YouTube)。
その音楽、世界観は独自のもので、とても「~音楽」と括れるものではないし、一口では言い表せない、聞く人の感性に直接訴えてくる自由なもの。
このほど完成した
『音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-』
は、そんな著者が10代を中心としたこれから音楽を学んでいってほしい世代を読者の中心に見据えて音楽の楽しさ、表現の自由さについて説いたエッセイ集です。

目を引くのは、これまた独特のタッチで個性あふれる挿画の数数。
小学館『ヤングサンデー』講談社『ヤングマガジン』青林社『ガロ』など国内を代表する雑誌で幾多のコンクール入選歴を誇り、連載4コマ漫画、広告漫画、教材漫画、コンビニ本、デコメ素材、イラスト等を手掛ける多忙なイラストレーター
門倉 フリッツ 貴浩氏公式サイト)。

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2人の気鋭のクリエイターが互いの芸術性を融和させた頭にも目にも新鮮な一冊です。


陰影の濃いモノトーンの写真も深く印象に残ります。

陰影の濃いモノトーンの写真も深く印象に残ります。


こんな、いやし感あふれるイラストもあります。

こんな、いやし感あふれるイラストもあります。



そんな個性あふれる内容をまとめ、簡潔で読みやすい紙面を構成してくださった
“アトリエてがき”戸次 祥子様公式サイト)。
門倉氏のイラストをフィーチャーしたひときわ目をひく装丁も担当されています。
素材を生かしたコラージュや温かみのある版画作品を数多く手がけていらっしゃいます。

扉の先はちょっとした『異空間』です

扉の先はちょっとした『異空間』です



『10代のための』と銘打ってはおりますが、老若男女を問わず、音楽に関心のある方をはじめ、多様な観点から楽しめる1冊に仕上がりました。税込定価1,890円で、広島県内を中心に各書店で発売中!オンラインストアでももちろんご購入いただけます。中秋の名月も過ぎて徐徐に涼しくなってくるこれからの季節、夜長のお供にいかがですか?

[著者によるコピーより]
人は,何のために音楽を聴くのだろう。
何のために歌い,奏で,音楽を作るのだろう。
音楽とぼく達とは,どんな風に付き合っているのだろう。
「音楽とはこういうものだ」という概念を問い直し
音楽とぼく達との関係をもっと自由にするための話―――まずは耳を澄ますことから。





7月下旬から8月そして9月上旬と、担当した物件が立て続けに校了~刊行となり、いつになくせわしない夏の時間を過ごしました(書きながら思うけど“せわしない”って夏には似つかわしくない言葉だな…)。
せわしなさはまた現在進行形でもあるのですが、特派員である私にとってこの時期は来年以降に向けた新たな先生方、新たな書籍との出会いを求めて旅に出る大切な時期。
これからしばらくは“渡り鳥”人生かな。

9月15日は愛媛県に出張。ランチタイムに瀬戸内海の斎灘(いつきなだ)で。対岸は広島県

9月15日は愛媛県に出張。ランチタイムに瀬戸内海の斎灘(いつきなだ)で。対岸は広島県

11.09.14

モフモフ♪ZIPPEI 岡山滞在中

朝からウツウツ気分になりがちな、世知辛い世の中です。
それでも、お部屋代を払うため、ご飯を食べるためには、働かなくてはなりません。
そんなやさぐれOL(?)出勤前のつかの間の癒しといえば、

「めざましテレビ」(フジテレビ)の「きょうのわんこ」、

そして「ZIP」(日本テレビ)出演、真っ白ふっさふさの可愛いわんこ「ZIPPEI君」です。

 

そのZIPPEI君、今週はココ岡山県に滞在中です。ワオン♪(U・x・U)

今朝の放送は、県北、鏡野町訪問の様子でした。

 

岡山の温泉といえば美作三湯(湯原・奥津・湯郷)が有名なのですが、その中の一つ、奥津温泉を有しているのが鏡野町です。
かなり山深いところですが、その秘湯っぽい雰囲気が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!といわれています。

 

そして、このほど女子サッカーチーム「湯郷ベル」のメインスポンサーに決まった山田養蜂場の本社があるのも鏡野町です。

 
先日、所用があって鏡野町近辺に行ったのですが、通りすがりに「山田養蜂場お菓子工房 ぶんぶんファクトリー」なるものがあったので立ち寄ってみました。
それぞれ試食できる10種類くらいのはちみつと、はちみつを使ったお菓子、化粧品などが販売されていました。
ソフトクリームにも惹かれたのですが、それは岡山駅にもあったと思うので、はちみつジェラートを買ってみました。
ちゃんとはちみつの味が感じられ、やさしい甘みで美味しかったですo(*^^*)o~

 

 

ZIPPEIと同じサモエド犬。ブログで人気となったクローカ君です。
かわいい~白くて大きなモフモフちゃん(*´∇`*)
モフモフください。
 

『モフモフ売りがゆく! サモエド・クローカの日記』

 

 

「モフモフ」で検索するとアルパカちゃんもでてきました。
うぅっ・・・。可愛いじゃないか。
そうそう、「クラレちゃん」でお馴染み、株式会社クラレも岡山創業の企業です。 

『もふもふはなこ』

 

白いふわふわもこもこって、やっぱり最強!  
もふもふしたい、もふもふしたい、もふもふしたい、もふりたいっ!!


  『モフモフ家族』

11.09.11

小津安二郎監督の“反戦”について      -吉田喜重『小津安二郎の反映画』未読了-

先週末、台風12号は岡山に上陸し、私の住む地域では小学校の裏山が崩れて校舎内に土砂が流れ込み、3日間の臨時休校を余儀なくされました。再開後も一部の学年は近隣の中学校を借りて授業をしているようです。
平日で児童がいたら、あるいは(避難所指定されているため)ここに避難してきている人がいたら…と思うと空恐ろしくなりますが、せめてもの救いに人的被害はここ岡山ではありませんでした。
紀伊半島を中心として大きな被害を受けた地域の皆様には、謹んでお見舞い申しあげます。

一階部分が完全に埋まった郷内小学校の校舎(授業は8日から再開しました)



10年が経ち、そして半年が経ちました

さて、今日は9月11日。ニューヨークで起こった同時多発テロから丸10年。同時に東日本大震災から半年です。
テロと自然災害、経緯はまったく異なりますが、一瞬でおびただしい数の人びとに苦痛と悲しみを与えたカレンダーの対角上になる2つの大惨事は今後20年、50年、100年といったスパンで人びとの記憶に刻まれることでしょう。
どちらも繰り返し起こってはいけないこと。人として記憶に刻み続けなくてはならないことだと思います。



小津安二郎監督の“反戦”について

私がこよなく愛して止まない映画に「晩春」「麦秋」「東京物語」「秋日和」「秋刀魚の味」他、小津安二郎監督の戦後の作品があります。
小津安二郎は戦前戦後を通じて活躍した松竹の映画監督で、サイレント時代の喜劇映画も有名ですが戦後に撮った松竹の10本と他社の2本の計12作品は特に名高く、国内・海外の数多くの映画監督に多大な影響を与えた偉大な監督です。
ただ、観た人すべてが同じ感想を抱くように、その作風は一貫して

  「ありふれた庶民の日常生活」
  「平凡な家族の当たり前の生活」に起こった小さなできごと

を冷静な視点で捉えた、とても穏やかな、見ようによっては退屈と思えるほど淡淡としたものです。大きな事件や派手なアクションは一切ありません。
ただ、静かでさりげないがゆえに強くて重い主張を感じずにはいられない、そういう場面がどの作品にも必ず織り込まれています。

小津監督は昭和12年に34歳で召集され、ほぼ2年の間、中国国内を一兵士として転戦しています。毒ガス部隊に配属されるなど、恐らくは人を苦しめ、死に至らしめるような所業にも関わらざるを得ない日日だったと思われます。1903年生まれの小津監督にとって、また恐らくはその時代に生まれた人びとにとって、それは是非を超え、避けて通ることのできない日日だったのではないでしょうか?

そうした自分の体験も間違いなく背景にあって、残虐で非人間的な戦争という悲劇をなぜ人は起こしてしまったのか、声高な主張は一切ありませんが、明確な反戦のメッセージを伝えようとしているのが分かるのです。



「映画はドラマだ、アクシデントではない。」
   -小津安二郎監督 語録(吉田喜重氏の回顧より)


松竹で小津安二郎監督の後輩であった映画監督の吉田喜重氏は、著書や対談で小津監督について

  「小さなずれを生じながら反復される毎日の生活」 こそが人間の営みである
 との視点を持っていて、
  「繰り返す毎日、日常にささやかな平和、楽しみ、喜びを見つける」
 ことが一貫してその作中に流れるテーマである

と語っています。
そうした本来の姿を持つはずの人間が、時に戦争やテロといった大きな出来事を引き起こすのはどうしてなのか…。
時を超え、戦後10年以上が経過しても変わらぬ視点で淡淡とつづられる庶民生活の場面の数数は、裏返せばそれ自体が人の愚かな習癖に対する疑問であり監督の問い掛けであるかと感じられます。

  「映画はドラマだ、アクシデントではない。」

死の床にある小津監督を見舞った吉田監督と妻の女優 岡田茉莉子さんに、病床の小津監督が掛けた生前最後の言葉として吉田監督が紹介しています。戦争や9.11、そういった大きな出来事は絵空事、アクシデント。それに対し、ドラマは毎日繰り返される日常的な営み。そういう自分の考えを伝えたかったのではないかと吉田監督は言います。

人間は本来、繰り返す日常を淡々と過ごす存在であり、人生の中で大きなアクシデントを起こすものではない。
しかし、
一度犯してしまうと取り返しのつかない悲劇となり、一瞬にして発生し、長きにわたって多くの人に苦しみと悲しみを与え続ける、そうしたアクシデントを繰り返してしまうのもまた人間の業

それもまた分かっている。
でも、どうしてそんな必要があるのか?

人間が本来持つ穏やかで平和な面を描き続けた小津監督の映画(ドラマ)を、そこに込められた戦中世代の痛切なメッセージを、その痛みを知らないで育った私たちではありますが、感じ取り次世代へと語り継がなくてはいけないと思います。


[吉田喜重『小津安二郎の反映画』岩波現代文庫、2011. 6(未読了です)]


[日本映画の至宝 小津安二郎監督の作品セレクションⅠ]


[日本映画の至宝 小津安二郎監督の作品セレクションⅡ]

11.09.07

☆星新一が見通していた未来☆

秋風が肌に心地よい季節となりました。
先日の台風12号により被害を受けられた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

これから実りの秋を迎えるわけですが、今週発売のライバル経済誌、奇しくも同じ「コメ」特集となっていました。

 

センセーショナルなコピーはあまり気持ちよくないですが・・・。

「週刊 ダイヤモンド」2011年 9/10号
 

 

「週刊 東洋経済」2011年9/11号
 

 

そして話はガラリと変わりますが、昨日9月6日は、
「ショートショートの神様」星新一 生誕85周年!
という記念すべき日でした。
Googleトップページって、季節感だけじゃなく、○○記念日なども教えてくれて、気が利いてますよね♪

 

星作品というと、小学校高学年~中学生時代に出会う人が多いと思います。私もその時代にすごくはまって読み漁り、刊行されていたものはすべて読破しました。
でも当時、SFのショートショート=小説の中ではちょっと格下、ラノベなどと同程度と思われていたふしがあり、「あんなものは小説ではない」などと言う先生もいました。
ですが1,000話以上に及ぶアイディアはやっぱりすごいし、誰にでも読める(理解できる)文章を書くというのも、実はすごく難しいことだと思います。
近年になってNHKで映像化されるなど、再評価著しいようです。

 

「星新一 ショートショート」 DVD-BOX

 

「星新一 ショートショート 1」 [DVD]
 

そして星新一といえば「エヌ氏」ですよね♪
「固有名詞を使わない」、「時代の風俗を描かない」ことをモットーとしていたため、その作品には普遍性があり、時を経ても古くさくなることがないのです。
また、TV番組「ビーバップ!ハイヒール」(朝日放送)で見たのですが、再販がかかったり、新装版が出たりする度にゲラをチェックし、時代に合わなくなった言葉を別の言い方に変更するなど、細かな手入れをされていたそうです。さらりと書かれているようで、たゆまぬ努力があったわけですね。
  (例)「ダイヤルを回す」→「電話をかける」 など

 
また、彼の先見の明についても、最近特に注目されています。
確かにその作品の中には、30年、40年以上前に書かれたものでありながら、ネット社会、Free(何でも無料)時代、クローンや臓器移植問題などといった現代社会を連想させるものが多々描かれているのです。
もっと便利に、もっと楽しく快適に・・・。果てることない人間の欲望。

それを叶えるべく、科学技術は進歩を続ける。
快適さや利便性を追求し続けた結果の未来(=現代)の世界。
どこまでも読みやすい。
だけど現代社会の諸問題を考える入門書としてもよいのかもしれませんね☆

 

『ボッコちゃん』
 


『妄想銀行』

11.09.02

9月1日は防災の日

210日は今年も荒れ模様…

9月1日は防災の日。
また、この時期は古来言われる「210日」、一年で台風がもっとも発生しやすい時期です。それに合わせたかのごとく、台風12号の接近で、週末は全国どこもが荒天模様ですね。
被害のないことを祈るばかりです。




ハリケーン「アイリーン」の被害を受けられた皆様へ謹んでお見舞い申しあげます


日本にやってくる台風12号も気懸かりですが、先週米国東海岸に上陸、縦断していったハリケーン“アイリーン”は死者27名、500万戸が停電という甚大な被害をもたらし、経済損失は70億米ドル(日本円にして5300億円)に上るとされています。たいへんな惨事です。


人的被害(決して数値で取り沙汰できるものではありませんが)は、1000人をゆうに超える尊い人命が失われた2005年の“カトリーナ”(これも210日前後だった)の時を考えると、その経験が生かされたのかなとも感じますが、5300億円の経済損失って…絶句してしまいます。
ただでさえ国債の格付け下落という事態があったばかりのところへ、この大災害。5月下旬にミズーリ州で発生した史上最悪の巨大竜巻をはじめとした竜巻の多発といい、米国も今年は自然災害に見舞われる1年です。被害に遭われた方々へ、謹んで心よりお見舞い申しあげます。
アイリーン災害について報じたCNNのニュースサイトはこちら



今この時期に読みたい本、観てみたい映画


さて、浅田次郎原作『日輪の遺産』が映画化され、先週末封切られました。

原作は、終戦前夜、日本軍がフィリピンの米司令官だったダグラス・マッカーサーから奪った財宝を隠す命令を受けた少佐と下士官、何も知らず勤労奉仕にあたる35人の少女たちと引率の教員を主人公に、1945830日にマッカーサーが厚木に降りたち、GHQによる統治が始まったころの動乱の日日を克明につづった長編小説です。
フィクションとはいえ、史実をきわめて綿密に辿ったドキュメントの部分もあり、
814日から15日にかけての陸軍省での緊迫のやり取りなどを生生しく読み取ることができます。

浅田氏にとって長編処女作となるこの作品、『地下鉄(メトロ)に乗って』『壬生義士伝』『シェエラザード』やいくつもの短編でおなじみの、「現在」から「回想」への見事という他ない場面転換の手法がすでに見られます。

浅田氏が「稀代のストーリーテラー」といわれるゆえんでしょうが、分かっているのに毎回「やられ」てしまい、魅入られたようにいつしか浅田ワールドにはまり込んでしまう自分がいます。



日本が未曾有の大災害に見舞われたこの2011年、マッカーサーが日本に降り立ちGHQの支配が始まった8月末に、1945年当時の人びとの生きざまを克明に描いたこの小説が映画化される意味を考えながら、1945815日を境に、全国民がいかにして一丸となり復興へと力強く一歩を刻んだかに思いをはせて、久しぶりに映画館へ行ってみようかなー。

 

 1945830日 マッカーサー元帥、厚木飛行場へ降り立つ。
 1945
92日 東京湾上に浮かぶ戦艦ミズーリの艦上で降伏調印式。重光葵外務大臣が
           調印。ポツダム宣言の受諾、日本の無条件降伏が正式に決まる。
 1945
927日 昭和天皇とマッカーサー元帥が面談


『日輪の遺産』角川映画、原作=浅田次郎、監督=佐々部 清、出演=堺 雅人、中村獅童、ユースケ・サンタマリア他。全国で上映中です。公式サイトはこちらです。