▼2008 年 12 月 のアーカイブ

08.12.22

ヌーヴェルヴァーグ

M-1グランプリ2008でNON STYLEが優勝しましたね。

決勝は、爆笑レッドカーペットでおなじみの面々が独占しました。

 

時代が変わっていってますね。キングコングや笑い飯は、決勝にすら残れなかった…。

 

我が家の息子たちも、レッドカーペットが大好きなので、決勝に出た3組のことはもちろんよく知っていたのですが、驚いたのは、ダウンタウンの松ちゃんが、NON STYLEとかを知らなかったことですね。

 

お笑いの世界に出てくる新しい人たちの事に興味とか、恐怖はないのですかね。

まあダウンタウンぐらいになると、もう「上がり」で、そもそも土俵が違うのでしょうね。そして絶対の自信もあるのでしょう。

 

それでも時代は変わっていきますがね。いやおうなく。

 

これがたとえばテニスの話になると、新人に無関心なんてことはありえませんね。

いくら確固たる地位を築いていても、伸び盛りの新星に負けてしまえば、そのポジションから追い出されてしまいます。

だから伸びてきそうな新人はマークされ研究されます。もちろん新人も上位の選手に勝つために作戦をねり、身体と技を鍛えていきます。

 

そんな新星がうれしいことに、日本から誕生しましたね。そう錦織 圭です。

彼はもちろん本物中の本物です。これほどの選手が日本から出るとは!!

 

今までの日本の選手の試合は見ていてもあまりおもしろくなかったのです。ただ繋いでるだけって感じで…。いや日本だけでなく他の国も同じです。見ていてワクワクするようなプレイをできる選手はほんの一握りです。

錦織のプレイは見ていて楽しいですよ。クリエイティブで攻撃的。WOWWOWの特集では、コートセンスがいい。と言われていましたね。

 

そして、あのエア・ケイなんか、まねしたいもん。(足が攣りそうになるけど)

 

現にテニスを習っている子供たちはエア・ケイの真似しています。おそらく憧れて同じラケットを使っている人もいるでしょう。これは凄いことです。

 

昔僕がマッケンローに憧れて、ダンロップの200Gというラケットを使ったり、独特なクローズドスタンスのサービスを真似したりしていた。

それと同じことを、今の子供たちが、錦織に対してしている。なんか感無量ですね。

 

来年が本当に楽しみです。テニスでは19歳でブレイクする人が、結構多いんですよね。

グランドスラムベスト4ぐらいに入って欲しいな。

 

そうそう恥ずかしながら僕も、実は錦織の真似してるんですよ。

そう。これです。ラケットの振動止め…。

08.12.18

サンタのおばさん-クリスマス本selection

街中がクリスマスソングとキラキラのイルミネーションに彩られるこの時期♪
幸せそうなカップルや家族連ればかりが目について、ただ一人で歩いているだけで必要以上に孤独感を味わうことになるのは何故なのでしょう?ふ・し・ぎ(・・?)
冷たい夜風が身にしみる、そんな時にはあえて外に出て「マッチ売りの少女」妄想(「フランダースの犬」でも可)に浸ってみることをお薦めします☆

 

というわけで、本日はクリスマス特集~♪
クリスマス本といってまず思い浮かぶのはこれ!
『サンタクロースっているんでしょうか?』
あまりに有名なのでご存知の方も多いと思いますが、100年以上前、アメリカの新聞に実際に掲載された社説を元に書籍化されたものです。
「サンタクロースは本当にいるの?」ヴァージニアという8歳の少女から新聞社に届いた手紙。
「Yes, Virginia」から始まるその答えが実に素晴らしい。こんな風に答えられる大人って素敵だなぁって思います。
『サンタクロースっているんでしょうか?』(邦訳版です)

 

他には、これも有名ですがSABUDAさんのポップアップ絵本もいいですね。
大切な人や、自分自身へのプレゼントに是非!
仕掛けがすごいのはもちろんですが、英文もすごくきれいなんです。
『The Night Before Christmas』

 

そして、ちょっと変わったサンタ本をお求めの方にはこちら。
『サンタのおばさん』
毎年恒例のサンタ会議。アメリカサンタが引退することになり、後継者候補として紹介したのは、予想外の女性候補だった。ちなみに前回会議で問題となったのは、アフリカサンタの肌の色がサンタのイメージに合わないのではないかということだった。しかし女性のサンタというのはさらに前代未聞!女性サンタを認めるかどうか。各国サンタが、自国の事情をふまえながら白熱した意見を闘わせます。父性とは?母性とは何か?そしてそもそも、サンタは何のためにいるのか?

 

このお話を書いたのは、あの東野圭吾さんです。幅広いですよねぇ。
この物語は、東野さんの著書『片想い』から生まれた作品だそうです。その中ではタイトルだけが登場していたのですが、そのいわばスピンオフ作品?という感じでしょうか。

 

偶然にもAmazonの『サンタのおばさん』商品説明で『サンタクロースっているんでしょうか?』にもふれられています。やっぱり、不朽の名作なんですね。
そして生理用品の進化が女性の社会進出に大きく寄与したとのこと。なるほど。確かにそうなのかもしれません。というわけで、こちらもどうぞ。
『生理用品の45年の軌跡』

 

日本でも商業的にはそこそこ盛り上がるクリスマスですが、アメリカなどではやはり、もっと特別な意味を持つようですね(でも今年はそのアメリカでクリスマス商戦が不振だそうで、金融危機の深刻さが伺えます)。

 

私の大好きなドラマ「アリー my love」でも、クリスマスシーズンになるとよく、サンタがらみの訴訟が起こされていました(主人公アリーは弁護士)。
太りすぎを理由に、百貨店からサンタ役を解雇された男(※1)。ニュース番組で「サンタなんていない」と発言したため解雇されたキャスター。自分をサンタクロースだと思いこむようになり、それを危険な妄想だと判断され解雇された老教師。いずれも不当解雇だとして訴えを起こします。

 

このドラマでは他にも「神様を訴えたい!」という白血病の少年(あのハーレイ・ジョエル・オスメント君が演じています!)やユニコーンを見たという男の裁判、難病を患い死を待つだけだが夢の中では理想の恋人と素敵な時を過ごしているという老女が合法的な睡眠の措置を求めた裁判など、一見訴訟大国アメリカならではのトンデモ裁判のように思えますが、実に深みのあるじんとくるエピソードが多いんです。様々なタブーにも踏み込み、きれいごとだけじゃない、リアルな人間の姿が描かれ、マンガチックなCG映像などコメディ要素も盛り込みながら、時折現れる鋭く真実をついた言葉にドキッとしてしまうのです。

 

アリーmy Love 1stシーズン DVD-BOX

 

アリーmy Love 2ndシーズン DVD-BOX


 

5thシーズンまであります。

 

(※1) アリーは現実世界を先取り?!昨年12月、こんなニュースが報道されていました。
[ニューヨーク 7日 ロイター] クリスマスのシンボルでもある「サンタクロース」に対し、太った体形が健康的ではなく、子どもの肥満率が上昇するなかで悪い見本になっているという批判の声があがっている。
 英ケント州ダートフォード近郊のショッピングセンターでは、赤い衣装を着て子どもらを出迎える「サンタ役」に対し、体を絞るためにクリスマスまで1カ月間のブートキャンプ参加を命じている。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-29263720071209

 

欧米では、肥満や喫煙は自己管理ができていないものと見なされ、厳しい評価をくだされることが多々あるようですが・・・。
そういえば昨年はビリーズブートキャンプが大流行しましたね。入隊された方も多いかと思います。私も一時「がんばるぞ!」と思ったのですが・・・一日体験入隊で終わりました。_| ̄|○

08.12.16

伝説のマクロ

このタイトルを読んで、ちょっとカメラをかじっている人なら、ああ、あれね。ってなります。

 

そう、タムロンの90mmマクロです。

 

マクロってなに?って人のために少しだけ説明すると、つまり、「小さな虫や、花なんかを大きく写すことの出来るレンズ」のことです。(実に大雑把な説明だな…)

つまりは、こんな写真が撮れるのがマクロレンズです。

まあ僕の腕が未熟なもので、マクロで撮りましたっていうだけの写真ですが…

 

拡大して見てもらえばわかりますが、この小さな虫も全体にはピントがきていません。

ピントが合うのはほんのわずかで、あとはボケていきます。

もちろん絞りを絞れば、もっとボケを少なくすることも出来ますが、このレンズの伝説たる所以はこのボケだと思うので、その美点を生かして撮りたいですね。

この写真を撮ったときは、はじめ虫には気がつかずに、花を撮ろうと思ってレンズを向けたら、この虫がいたのです。

 

マクロレンズをもっていると、普段は気がつかない、小さな世界に気付くきっかけをあたえてくれるのです。

08.12.13

今年を象徴する文字は

日本漢字能力検定協会(京都)が毎年暮れに制定している,その年を象徴する漢字ひと文字。
今年を象徴する文字は

 

 

と決まったそうです。「変化」「変動」を意味して,オバマ米次期大統領の選出や急激に変わる政治・経済情勢,「ゲリラ豪雨」など,こちらも急激な天候の変化などに因んだとのこと。
きっと「変な年」だったという意味も,ちょっとはあるでしょうけどね…。
でも,去年は「偽」で,本当に救いのない字だなと感じたのに比べると,「変」は悪い意味ばかりじゃないし,オバマさんの選出で盛り上がる米国民の皆さんの姿もだぶったりして,「未来に向けて希望を持ち,変化を恐れずやっていこう」という意味に捉えなければ,と思います。
世界中の経済にとって来年は「正念場の年」になるでしょうけどね。

 

さて,そう書いた端からあれですが,先日,まったく変化していない「時の止まったスポット」に足を踏み入れ,言葉に尽くせない感慨を味わう機会がありました。

大学時代の同級生だった男から結婚披露宴への招待があり,実に久しぶりで同期の部員8人が一同に会したのです。
お互い出身地もばらばらの上京組が大半だったため,卒業後Uターンしてからは会う機会がほとんどなくなったまま,ほぼ15年ぶりの再会でした。
お互い腹が出て,髪がちょっと薄めになり,白髪も増えましたが,それでも,まるでタイムスリップしたように,昔のままの顔で会話し笑いあいました。

 

「体育会という,とりわけ密度の濃い世界で苦楽を共にし,試合に勝った嬉しさ,負けた悔しさ,情けない失敗をして先輩に叱られた事などをすべて共有することで,この先長い人生の終わりまで,強い絆で結ばれるもんだよ」
と当時のOBに教えられたことが,今身をもって体験できたなあと,口にこそ出しませんでしたが,全員が間違いなく感じたであろう一日でした。

 

結婚式の前に立ち寄った大学の弓道場。
泣けることに,見事なまでに昔のままのたたずまいでした。
キャンパスはずいぶん立派になっていたのですが,ここだけは「時の止まったスポット」でした。

普段は的が掛かっています。射位からの距離は27m。

「星的」と言い,学生弓道の独特の的です。直径約36cm。

矢を的場へ取りに行くため通る道

 

今回もまた,個人的な感傷にこの場を使ってしまいました。

写真を撮影し,この場に使わせていただいたことへの感謝を込めて,すべての関係者と部員の方へ。

「明治大学体育会弓道部の創立100周年おめでとうございます!!」

 

先週ご紹介できませんでしたが,雉軍団こと「ファジアーノ岡山」見事にJ2最後の椅子をゲットしましたよ!
そりゃJ2は厳しいでしょうが,希望を持って一年間がんばって欲しいものですね。

 

<今年の漢字:「変」に決まる 政治や経済など「変化」象徴>
(毎日新聞 2008年12月12日 14時14分)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081212k0000e040082000c.html

08.12.12

エムケイ 全国で1万人の正社員雇用計画を発表

派遣切りに内定取り消し、リストラの嵐が吹き荒れる最中、なんと正社員を1万人も採用するという企業が現れました。今朝のニュース、驚きです。

 

 タクシー事業を展開するエムケイ(京都市)は11日、今後1年間を目標に、全国で計約1万人もの正社員を雇用するとした「MKタクシー緊急全国雇用創出計画」を発表した。

 同社は現在、開業が見込まれている5社を含めグループ計10社で車両1523台、社員3050人の規模。計画によると、それを1年間で5932台、1万3050人に増やすとしている。

 ただし、計画書には「新規参入や増車に障壁を設けた国土交通省のタクシー再規制が重大な支障を来す」などと記されており、現状では実現性は未知数だ。 (12/12 毎日新聞より)

 

MKグループ創始者である青木定雄氏の一代記、当社より刊行しております。

韓国でベストセラーとなったものの邦訳版です。翻訳作業では、岡山にあります大学の韓国人留学生諸氏にも尽力いただきました。

 『韓流 人が動く -MKタクシー青木定雄の経営哲学-』

08.12.12

ドン松五郎日記 6号

なめんなよ!!

最近、ボクのテリトリーになめた猫が頻繁に出没します。

仲良しになる気は無いのでガラス越しに威嚇していますが完全に無視されています。

これって猫になめられてるのかな~

一応、これでも犬なのに・・・・・・・・

08.12.11

自分の体で実験したい!

早いもので、今年も残り20日ほどとなり、何かと気忙しい師走でございます。
食の不安に世界的な金融恐慌、暗い話題が続いた2008年ですが、物理学賞と化学賞、日本人のダブル受賞にわいた今回のノーベル賞ニュースは、ひときわ明るいものでうれしいですね(*゚-゚)

 
昨日行われた授賞式では、王立科学アカデミーの代表者による賛辞が日本語で述べられていました。日本語講演にこだわった益川教授に配慮されたものでしょうが、何とも粋な計らいですよね。別に自分が何かをしたわけでもないのに、日本人であるだけで何だか晴れがましい気分になれるニュースってそうそうないと思います。実に素晴らしい!

 

素粒子物理学がどんなものかは分からなくても、一つの事柄に対し、何年でもどこまででも追求し続ける科学者ってすごい!と思う私のような人にお薦めなのが、本日ご紹介する本。
『自分の体で実験したい-命がけの科学者列伝-』

 

科学の進歩には、実験が必要不可欠です。医学の研究では動物実験も多い。しかしながらやはり、人間を使わなければ意味のない実験もある。
その実験を、自分自身の体で試してきた科学者たちの記録。勇気ある人体実験の記録です。

 

1770年代の体温計は、おもちゃのような代物にすぎなかった。
人間の体温が通常36.7度前後ということは知られていても、なぜその温度になるのかわからない。
人間はどれだけの熱に耐えられるのか、人体と熱の関係を解明しようとした男がいる。

 

手始めに蒸気の立ちこめる部屋にこもり、32度、43度と徐々に温度を上げていく。ついに49度。心拍数は1分間に145回!
それでも体温は37.8度を超えることは無かった。

 

さらに実験は加熱していく。
四人の紳士が仲間に加わり、65度と72度、さらには92度の部屋で10分過ごした。金属でできたものはどれも熱くなりすぎ触れることができない。
体に力が入らず、手が震える。めまいに襲われながら、やっとの思いで体温を測ると36.7度!平熱のままである。
自分の体を触ってみると「横腹が死体のように冷たかった」という記述を残している。

 

それでも好奇心はおさまらない。さらに4人の紳士を加え、室温127度にまで挑戦だ。温度計が狂っていないか確かめるため、生肉と生卵を置いてみる。20分で卵は固ゆで、30分ほどで生肉がウェルダン状態のステーキに。
それでも体温は37度を超えることがない!

 

なぜ体温は変化しないのか。秘密の一つは汗にある。

彼らのあぶり焼き実験のおかげで、医者は病人の体温の変化に気を配るようになり、体温計を使って体調管理ができるようになったのです。ありがとうございます!

 

他にも消化のしくみを知るために袋や木の筒ごと食べ物を飲み込んだ男、病気に感染したメスを両腕に刺して記録をとった男など、彼らの実験とその陰にあった物語、後の社会に与えた影響などが紹介されており、その勇気と情熱にはただただ圧倒される。
何が彼らを、時には死をも賭す実験に駆り立てたのか。
世のため人のためという崇高な意志もあったでしょう。ですが一番には、純粋に科学者としての好奇心と探求心、抑えきれない知的欲求というものだったのではないかと思います。

 

でも、それはちょっと分かる気がします。なんて言うのはおこがましいですよね。まったくレベルは違いますが、いまだ「見たい!知りたい!感じたい(感動したい)!」という気持ちマンマンなお年頃ではございます(*・・*) すみません。

08.12.09

アミノ酸、マルチビタミンそしてクエン酸

この日曜日、子どものテニスの試合がありました。
そこでなんと

コンソレですが

優勝!

してしまいました。
今までも何回か試合にはでていたのですが、まあいいとこ2〜3回戦どまりって感じでした。

僕のほうもそれほど本気でもなく、当日まで試合会場も開始時間も知らないってありさま。

ドローも見てなければ、スペアラケットもまともなものがない。勝てるわけありませんよね。

 

それで今回思ったわけです。きちんと準備をしてみようと。

 

で、まずスペアラケットを買いましたね。前回試合中にガットが切れたアタフタしたので…。

次に試合前日に、調整のために軽めの練習(こんなことすら今まではしてなかった)。

それから食事です。試合前日と当日の朝、そして試合中。

色々調べました。アミノ酸がどうとか、マルチビタミンが必要だとか、疲れにはクエン酸がいい等々。

スペシャルドリンクもつくり、寒くなりそうだったので、暖かい飲み物も…。

そして、どこか痛くなったらいけないのでエアーサロンパス。

思いつく限りの準備はしました。

そしたらこの結果です。

コンソレだけど…

 

まあ出来過ぎですけどね。いつも準備が報われるわけではないでしょう。

でもやはりそれは必要なのです。

日頃のコツコツとした努力。その努力の成果を100%発揮するための準備。

そしたらあとは「戦う」だけです。

 

今回は僕が準備をしましたが、いずれ自分でやって欲しいですね。

今自分がどうしたいのか。それにはどうしたらいいのかを自分で考えて、それを実行する。

そんな子に育って欲しいな。

「おまえもちゃんとしろよ」って子どもに言われそうですが…。

08.12.07

ドン松五郎日記 第5号

初体験だそうです。

先日、ボスが生まれて初めて”スッポン料理”を著者の先生と食べたそうです。

味は淡白で鶏肉みたいだったそうです。

ボスにスッポンの血を飲んだ感想を聞いてみると・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・に強烈で次の日は異常に元気だったそうです。

ちなみにボクは先日、こっそり食卓にあった生の鳥肉を食べて叱られました。

反省中です。

08.12.06

とんがりジョン

12月になると,岡山でも目抜き通りは街路樹に電球を巻いたイルミネーションが灯り,あわただしくも華やいだムードに街全体が染められます。
12月末の決算に向けた追い込み,一年間の取引をぜんぶまとめての諸処理,さらには,そのまま3月年度末の出版ラッシュになだれ込んで…と,一年でもっともバタバタする季節が近づいてきました。
がんばるぞ!

 

そんな中今年も12月8日,ジョン・レノンの亡くなった日がやってきます。
あれからもう28年,私もいつの間にかジョンの享年を追い越してしまいました。
それでも,とにかく今年もまた12月8日です。

 

私はもう30年以上ロックを聴いていますが,何を求めてロックを聴くのでしょうか?
心地よい気分になりたい,過ぎ去った青春の甘酸っぱい回想に浸りたい,今日も一日仕事がんばろうと気合を入れたいなど目的はいろいろで,目的別のアーティストやお気に入りのアルバムも自分の中でカテゴライズされています。

 

では,ジョン・レノンはいつ聴きたくなるのか?
どうしようもなく心があわ立つとき,とがった気分を解放したい時ってありますよね。
私も人間ですから。誰でもね。
そんな時,私はジョンに救いを求めます。
救い,と言っても決して「癒し」ではなく,ささくれ立っていて,聴いていると余計心があわ立つような,そんなジョンを聴きます。

 

ご存知の通り“ジョンの魂”は1970年,ビートルズの実質的解散後しばらくしてリリースされた,実質的なソロ第1作です。
CD化されて“パワー・トゥ・ザ・ピープル”がボーナストラックとして追加収録されています。
代表曲でありながら,狂気じみたボーカルのためかベストアルバムからオミットされている“マザー”に始まり,あまりに生々しくて,痛々しかったり,悲しかったりと聴いていて良い気分になんかなれるはずのない曲の連続です。
でも,もう30年近く,このアルバムを手放すことができません。
きっとこれからもずっとそうだと思います。

 

どうしても,特に亡くなってからは“イマジン”“ハッピー・クリスマス”などに代表される「愛と平和のメッセンジャー」としてのジョンがクローズアップされるし,それは間違いなくジョンの一側面だし,止むを得ないことだと思うのですが,傷つきやすい,不安定,本質的に弱いなど,誰もが持っている“人間の本質”を詞と曲とボーカルに託して,隠すことなくさらけ出していることこそ,唯一無二の存在であるジョンのジョンたるゆえんだと思います。

 

“パワー・トゥ・ザ・ピープル”は,ジョンが亡くなった直後,評論家の渋谷陽一さんがやった“追悼”番組の冒頭の曲でした。

あまたある“追悼”番組の中,明らかに異質で,強烈な印象を残した番組でした。
一言もしゃべらず,40分間ひたすら曲だけ流した番組でした。

ジョンの魂は曲の中にこそある,そういう意味だったと思っています。