09.03.30

道具に拘る Vol.4

えーっと、たしかGR-1まで話が進んでいましたね。
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そう、ほとんどGR-1を買いかけたのですが、当時まじめに写真に取り組もうと思っていたものですから、やはり1眼レフかな?っと思い直し、写真学生御用達と言われていた、NikonのFM3aを買うことにしたのです。
このカメラも今では生産されていません。
FM3aは、いわゆるマニュアルカメラで、フィルムを巻くのもレバーです。
絞りを変えたり、シャッタースピードを変えたりするのも、全てダイヤルと、直感的です。
液晶等もなく、電気を使うところがほとんどありません。露出計を動かすのと、シャッターが、電子制御式と機械制御式のハイブリットになっているので、そこに電池が要りますが、仮に電池がなくてもマニュアルで露出を決めれば、写真を撮ることが出来ます。
これは、今のカメラには出来ないことですね。
時計にもクオーツに対して機械式があるように、機械としての魅力がこのFM3aにはあると思います。
そうそう若い人にもこういうカメラの方が人気があるんですよ。デジタルよりむしろ新鮮なんでしょうね。
僕もこのカメラを買った頃は、デジタルに対して懐疑的で、フィルムのほうが味があって面白いし、綺麗に取れると思っていました。
フィルムが映画なら、デジタルはテレビくらいの感じで、フィルムのほうが本物って感じがしてましたね。
まあ今では、どちらも使いますし、どちらもそれぞれ良いところがあると思っています。
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FM3aではリバーサルフィルムを主に使っていました。
ネガフィルムとは違って、プリントしなくてもそのまま鑑賞することが出来ます。
デジタルが一般的にになる前、プロはリバーサルで撮るのが当たり前でした。それが一番綺麗に印刷が出来たからですが、今では、速報性を必要とされるものは全てデジタル入稿となり、作家性が必要とされるものもネガフィルムでとってプリント入稿ということも増えています。

例えばこの佐内正史さんとかも、フィルム(35mmより大きな6×7ですが)で撮って、プリント入稿していると思います。
まあ僕がリバーサルで撮っていたのは、そのほうがネガより難しくてプロっぽいということと、プリントしなくても、現像さえすれば見られるのでお金があまりかからないという理由でしたが…。
でもリバーサルをライトボックスの上に置いてルーペで覗くと、本当に綺麗ですよ。すごいリアリティがあるのです。あの小さなフィルムの中に世界が凝縮されるというか、そこに「在る」という感じです。
この感じはデジタルでは得がたいものであると思いますね。
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さあ次にやっと今のカメラにたどり着きましたよ。
ではまた来週。

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