ダニエル・キイスと多重人格、からのニーチェ
今朝のテレビで「ダニエル・キイスさん死去」のニュースが流れていました。
一瞬「誰だっけ?」と思ったのですが、これでした。
『アルジャーノンに花束を』
それとこちらも。
『24人のビリー・ミリガン』
「多重人格(解離性同一性障害)」という言葉が広く知られるようになったのも、この本がきっかけだったと思います。
多くの場合、幼児期の虐待などによる心因性であるとされ、精神医学や心理学の立場から研究が行われています。
『はじめてかじる人のための心理学なるほど案内』
とてもわかりやすい、初学者向け入門書。
「多重人格」の他、ドラマなどによく出てくる「快楽殺人」、「プロファイリング」などについても基礎的な解説がされています。
「多重人格(解離性同一性障害)」、「快楽殺人」、「妄想性人格障害」、「社会病質者」などなど、
アメリカンドラマには非常によく出てくる言葉です。
興味のある方に、一番のおすすめはこちら。
「クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪」シーズン1 コンパクト BOX [DVD]
犯行から犯人像をプロファイリングする、犯罪者の心理を分析しその闇を暴いていくという捜査手法。
事件自体は残虐なものが多いのですが、そこに至るまでの過程、過去を知ると、時には犯罪者の気持ちに共感、あるいは理解できてしまう。
と言うとちょっとひかれてしまいそうですが、とても深い人間ドラマだと思います。
登場人物もそれぞれキャラが立っていて面白い。大好きです!
毎回、冒頭と終わりに、そのエピソードを象徴するような格言が出てくるのですが、それがまたいいんです。こんな感じ。
おまえが深淵を覗き込むとき、深淵もまたおまえを覗き返している。
(フリードリヒ・ニーチェ)
幸せな家庭はどれも似通っているが、不幸せな家庭は様々に不幸せである。
(レフ・トルストイ)
自らのための行いは死と共に消えるが、人や世界のための行いは永遠に生き続ける。
(アルバート・パイン)
そういえば、超訳版などの出版により、数年前にはニーチェがブームになりましたね。
ニーチェについて、もっと知りたいという方におすすめしたいのがこちら。
『ニーチェ b』
学会論文の常識的レギュレーションからは逸脱した、いわば「B級」論文ばかりを意図的に集めたニーチェ関連論文集。
「a」がないのに「b」がある、というのも、いかにもニーチェ哲学にふさわしい事態であるといえます。
『ニーチェl』
新刊です。
ややマニアックであった前著『ニーチェb』よりも、比較的愛想のよい論文集。
それから、先日たまたまTVでやっていて思い出したのですが、この映画も『アルジャーノンへ花束を』に通じるものがあると思います。
「レナードの朝」
30年間、半昏睡状態にあったレナード(ロバート・デ・ニーロ)が、試験薬の投与によって、ある朝、奇跡的な目覚めを迎える・・・という実話に基づくストーリー。
ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの豪華共演ですが、何といってもデ・ニーロです。
本当に上手いなぁ、と改めて思いました。
そしてデ・ニーロといえば、隠れた名作、こちらもおすすめ。
「俺たちは天使じゃない」
若かりし日のショーン・ペンとの共演です。
全体的にはコメディ・タッチで気楽に見られるのですが、終盤にショーン・ペンが行う説教がすごくいいんです!