08.11.13

女子も理容室へ行こう!

最近、理容室に行く女性が増えているそうです。その目的は、美容院にはない理容室だけの特権「顔そり」。ん~、確かに気持ちよさそうですよね。

理容室=男性が行くところ、というイメージがありますが、女性が入りやすいようサロン風の雰囲気にしたり、個室ブースを設けたり、はてはネイルやマッサージなどエステメニューを始めているところもあるようです。
近所にそんなお洒落理容室ができたら、是非是非行ってみたいと思います♪

 

本日ご紹介するのは、ある理容室を訪れたことから、人生が思わぬ方向に変わっていったという人々の悲喜こもごもを描いたオムニバス小説です。

 

気が弱く、言いたいことも言えず、人に舐められ、そんな自分が嫌で自己嫌悪。
短大総務課で働く須川沙紀は、ある日、気分転換に髪を切ることにした。普段は行かない、美容院ではなく理容店。女性店主との気持ちの良いおしゃべり、マッサージをしてもらううちにうとうとした。目を覚ました時、鏡の中の自分は、凶暴性を放つ威圧的な眉になっていた。
眉に引っ張られるように、沙紀は強気な行動をとれるようになり…。
                                        「眉の巻」

男は記憶を失っていた。
なぜか警察や病院には行かない方がよいと思え、記憶喪失のまま仕事を捜すことにした。

面接前、散髪くらいはしておこうと入った理容店で、マッサージされながらうとうとし、目を覚ましたら、側頭部が縞模様に刈られていた。
これではまともな会社に就職することはできない。髪に引きずられるように、男はブラックジャーナリズムの会社に入った。
そして記憶が戻ったとき、男は…。
                                       「黒の巻」

小学五年生のちひろは、春休みを祖父母の家で過ごすことになった。

パッチワークだフラダンスだと毎日いそがしい祖母に引き換え、会社人間だった祖父は、退職後の日々を無為に過ごしていた。孫を退屈させまいと動物園に行けば休園、退職した会社を訪ねてみても歓迎されず、やることなすこと空回り。
散髪をする祖父につきあい初めての理容店に入った。ちひろはマンガに熱中し、気が付くと、鏡の中の祖父は高校球児のような丸坊主になっていた。
不本意な丸坊主。憤慨する祖父に、ちひろはあるプレゼントをした。そして・・・。
                                         「花の巻」

 

初めて入った理容店。
ついうとうとしている間に、髪形(または眉)がすごいことに!
髪形が変わることによって、服装が変わり、性格が変わって、人生までもが変わってしまうというお話。最初はみんな戸惑うものの、結局はなりたい自分、気づかなかった本来の自分になれているような気がします。この店主には人の心の奥底を見抜く力があるに違いない!
そんな陰の主役ともいえる女性店主ですが「以前一緒にやっていた夫と離婚したときにこの店をぶんどってやった」という話を毎回しているのがちょっとおもしろかったです。
個人的に一番気に入ったのは「花の巻」。今の60歳過ぎなんてまだまだ若いし元気な人も多い。家に引っ込んでいるだけなんてもったいない!

『わらの人』六編収録


 

映画化もされていたようです。「髪がかり」DVDもうすぐ発売。

 

女店主のイメージは夏木マリではないんだけどなぁ。。。

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