▼‘本’ カテゴリーのアーカイブ

12.05.02

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

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山村暮鳥の詩「風景」が自然に口をついて出る、一面の菜の花畑に遭遇しました。
岡山県笠岡市、干拓地に広がる1,000万本の菜の花です。

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近くに用事があり、急遽探し当て立ち寄ったのですが、予想以上に素敵でよかったです。
この日はGW初日ということもあり、家族連れ、わんこ連れの人たちで賑わっていました。

そしてかわゆいわんこが寄ってきてくれたので、飼い主さんの了承を得てもふらせてもらいましたぁ(*´∇`*)

ふわっふわ、もっこもこのわんこたんU・x・U カワユス
つかの間の至福・・・。

壮大な菜の花畑とかわゆいわんこたんとのふれあいで、花粉と黄砂と多忙のせいでささくれだっていた私の心も、ゆるゆると浄化されるような気がいたしました。

菜の花は5月中旬頃までが見ごろだそうです。

夏には、100万本のひまわり畑に変わります。

春の名詩「風景」が収録されているのはこちら
日本語を味わう名詩入門 4
『山村暮鳥』


 

やっぱり、これは縦書きの方が雰囲気出ますね(・へ・;;)。

12.02.02

現場刑事の告発

年が明けたと思ったら、瞬く間に1月が終わり、もう2月!
矢の如し光陰が恐ろしすぎます((((;゚Д゚))))

 

実は弊社は12月決算で、1月は日常業務に加え、印税計算や棚卸といった決算業務に忙殺されておりました。

システマチックにオートマチックにできればいいのですが、あっち見てこっち見てウンウン悩んで・・・というかなりのアナログ作業でして、これが結構大変なのです。
そして、さらにもう一つイレギュラーなお仕事が発生し、初めて取り組むことでもあり、思い悩みながらも、さらにバッタバタしておりました。
そして、やっと一段落つきました。(´▽`) ホッ

 

 

『現場刑事の告発』っていう本が欲しいんですけど、おたくから出てますよね?」
2週間ほど前から、こんなお問い合わせが頻発しています。

 

何だか面白そうですが・・・、残念ながら弊社の出版物ではございません。

 

書店さんのお話を総合すると、
 ・TV番組「奇跡体験!アンビリバボー」の中で紹介されていた
 ・10年以上前くらいに「ふくろう書房」(惜しい!)から自費出版された
ということのようでした。

 

少しでも「面白そうかも」と思えるものはとりあえず録画予約しちゃう派の私は、家に帰り早速探してみました。すると・・・、ありました!「アンビリバボー」。
でかした私!(゚ー^*)d Good job♪

 

戦後最大のミステリーといわれる「二俣事件」を担当した刑事が、事件の真相を綴ったという本がそれで、番組ではドラマ仕立てでその顛末が語られていきます。

 

・・・ひどい話です。
明らかな冤罪なのに、戦後なのに、正義の告発者はむごい仕打ちを受け、名誉を回復することも叶わなかった・・・。
今なら、番組HPにも放映内容が掲載されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
(1月19日オンエア 「二俣事件 山崎兵八刑事の一生」)

 

これは、読みたくなりますね。
ただ、出版ではなく、書店流通しない(ISBNの付かない)印刷物だったのかもしれないですね。
絶版であろうが日本の出版物はすべて網羅されているはずの国立国会図書館データベースにも登録されていなかったし、番組内でも「出版されました」ではなく「自費出版という形で製本された」と言っていたので。

 

これも何かの縁ということで、ふくろう出版から出版(復刊?)できたらいいですね。

 

冤罪を生み出す構造とはどういうものなのでしょう。 

『足利事件(冤罪を証明した一冊のこの本)』

 

『冤罪の軌跡―弘前大学教授夫人殺害事件』

   
   
そして、告発者の不遇は続く・・・。
と思いきや、長い闘いの末、勝利を勝ち取った人もいました。
『ドキュメント・仙波敏郎 -告発警官1000日の記録- 』

  
『現職警官「裏金」内部告発』

12.01.12

ティーバッグに夢中です

新しい年がスタートしました。
2011年は未曾有の大災害に見舞われた大変な年でしたが、そんな極限状態の中でさえお互いを慮り譲り合う姿、各々が分を尽くし務めを果たす姿勢には、日本の強さ、誇るべき国民性に裏打ちされた底力を感じることにもなりました。
オリンピックに各国大統領選挙など、色々と変化がありそうな2012年ですが、ふくろう出版にも何かが起こりそうな予感がしています!
ブログの方は相変わらずの気まぐれ更新ですが、生暖かく見守っていただけましたら幸いです。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます(o*。_。)oペコリ。

 

そんな中、今さらですが、アメリカンドラマ「プリズン・ブレイク」にはまっています。
数年前に途中までは見ていたのですが、お正月に一気見する機会があり、改めて見始めたところ・・・、やだ、おもしろい。。。
息もつかせぬ展開が、寝不足を招きすぎて困ります。

 

「プリズン・ブレイク」シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 

ご存知ない方のために、ざっくりあらすじを書きますと、
副大統領の弟を暗殺した罪で逮捕され死刑判決を言い渡された兄と、兄の無実を信じるIQ200!の天才弟が、兄弟での脱獄を企てる。背後には巨大組織の陰謀が?!というお話。

 

「プリズン・ブレイク」シーズン2 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 

個性豊かなキャラクターが沢山でてくるのもこのドラマの魅力。
最初の頃は「死ねばいいのに」とさえ思っていたのが、回を重ねるにつれ
大嫌い!!

悪者だけど憎めない

やばい、ちょっとキュンときた

もう君のことしか見えない!!

とまで印象を激変させるのだからたいしたものです。
そしてそんな存在の最たるものが、凶悪犯「ティーバッグ」なのです。

 

生い立ちからくるトラウマやコンプレックス、孤独感。
そしてそれゆえの渇望や葛藤がすごく切なかったですo(iДi)o

頭の回転が速く、時にコミカルで、弁もたつティー様。
もしも何かが、ほんの少し違ったら、誰かが、タイミングが、ほんの少しでも違っていたら、全く違った人生があったのではないかと思わずにはいられない。

 

そして夢の中にまで彼が現れるようになった(彼に惚れている設定。だけど私は逃亡のために利用されるだけの女。殺されなくてよかった・・・)今日この頃、現実世界でも脱獄事件が報道され、ちょっとビックリしています。
広島刑務所って市街地のほぼど真ん中にあるんですね。
現実となると、やっぱり恐いですね((((;゚Д゚))))。

 

全シーズン収録の限定版ブルーレイ

「プリズン・ブレイク」コンプリートブルーレイBOX

 

 

そういえば、刑務作業にも地方独自のものがあって、岡山刑務所には「備前焼」があるそうです。
ちょっとうらやましい・・・というと語弊がありますが、いいですよね。土ひねり。
一人で無心に土と向き合う。心の平安も得られそうな気がします。
長期の受刑者が多いため、かなり熟練もしていて上手いのだそうです。

 

人間国宝故山本陶秀を父に持ち、自らも備前を代表する陶芸作家として活躍する著者による、「鑑賞」ではなく「制作」側からの備前焼入門書がこちら。 

『備前焼の魅力と技法』

 

そして山口刑務所には「萩焼」があるそうです。
萩焼もいいですね。淡いピンクっぽいのとか、色味が柔らかくて、トロンとした感じがかわいいですよね(*^-^*)。

11.12.09

-出版流通の現場より-

先月、電子出版に関する某団体説明会があり、東京へと行ってまいりました。

 

日頃なかなか聞けない他社さんの取り組みや立ちふさがる難題、先駆者だから語れるホンネや課題なども伺うことができ、とても勉強になりました。
「こんなことができます」「あんなこともできます」という制作サイドからの提案を検討するのではなく、出版社が主体性を持って方向性を定めていくことが大事だと改めて思いました。

 

そしてその機会に、日頃お世話になっている埼玉県の倉庫業者さん(株式会社ブックセンター様)へもご挨拶に伺いました。

 

できあがった本がお客様に届くまでの流れ(ざっくりです)
「出版社」→「取次業者」→「書店」→「消費者」

 

大手出版社さんなどは自社倉庫から直接取次業者へ出荷などされていますが、少数精鋭部隊(?)の弊社は、出荷・返品業務、在庫管理等の主だったところを倉庫業者さんに委託しております。

 

初埼玉。最寄駅まで迎えにきてくださっていたさわやか青年は社長の息子さんでした。
恐れ入ります(o*。_。)oペコッ
近くに大手出版社さんの倉庫もあったりと、周辺一帯が物流拠点っぽい感じでした。
電話とメールだけの関係だった担当者様とも初対面

担当者さんに加え、社長自ら案内してくださいました。
恐れ入りますm(。_。;))m ペコペコ…

 

大きな倉庫の一角に並ぶ弊社の本たち

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一番上の棚には、予備のカバーなどが置かれています。

 

ちょうど弊社の本の出荷作業をされているところでした。

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上に写っているのはこちら
 

『ISO9001が看護を変える』

  
  
『親が変われば子どもが変わる《子育て編》』

 

行き先別に束ねて出荷されます

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ここは返品本コーナー

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本は、再販制度(再販売価格維持制度)適用商品なので、書店から返品されてきたものでも、再び同条件で販売することができるのです。
匠の手によって新品同様にキレイにされ、何事も無かったかのように、再び旅立っていけるのです。何度だって再出発することができるのです!  
私の人生もそうだといいのに!(>▽<;;
エヌ氏の人生も!
(ここでいうエヌ氏とは、特定個人ではなく、星新一的エヌ氏と捉えていただけましたら幸いです)  
 

 

『エヌ氏の遊園地』

11.12.02

11月4日は倉敷事変

人生には、3つの坂があると申します。
上り坂、下り坂、そして・・・・・・まさか!
そんなまさかに揺れ動いていた今日この頃ですが、心を落ち着かせるため、先月ありましたステキイベントのことでも書いてみようと思います。

 

行って来ました。椎名林檎嬢率いる東京事変全国ツアーの倉敷公演。
 東京事変Live Tour2011 Discovery!! in倉敷
     

      大発見[CD]

    
昨年はチケットがとれず、かなり悔いが残ったので、今年は何としても行きたかった。   
無事チケットも入手でき、その日ばかりは定時ダッシュで倉敷へ。
開演には間に合ったものの、先に見たかったグッズ売り場は長蛇の列。
あきらめて席へと向かいました。(次回への課題1)

 

席は10列目。かなり近い。だけどセンターではなく左寄り。(次回への課題2)

 

1曲目の音が聞こえてくるやいなや、ドーパミンやら何やら脳内物質があふれ出し、自然と体が動きます。(次回への課題3)
ライブって確かに中毒性があると実感。

 

お仕事も色々と忙しくて、ライブ前日に一夜漬けでアルバムを聴きこんでいたのですが
「21世紀宇宙の子」は、震災があったからこその歌なんでしょうか。

 

     「代わりのない紛失物」「さからえない運命事」
     「命は大自然そのもの」
     「悲しみも携えて生きていこう」

 

「前を向いてガンバロウ!」的なあからさまな復興ソングではなく、さりげなくしみるフレーズがいいと思います。
「かつては男と女」とかもアダルティな感じでイイ。

 

前から思っていたのですが、林檎ちゃんって姿勢がいいんですよね。
だからなのか、一つ一つの所作がもれなくキレイ。

 

そして資生堂のCMソング「女の子は誰でも」では、ラブリーなドピンクの衣装に早変わり。
も~、超かわいかったキュンキュンしまくりです。 

空が鳴っている/女の子は誰でも[CD]

 

林檎ちゃんがサイコー!だったことは間違いないのですが、今回のライブ、MCが無かったのがちょっと寂しかったです。
倉敷は、林檎嬢が主題歌を担当するNHK朝ドラ「カーネーション」のロケ地でもあるのですが、それについてのコメントも特には無し。 

カーネーション[CD]

 
録り溜めしていたこのドラマ、この前やっと見てみたのですが、
やだ…おもしろい。。。
職業婦人の草分けとして、果敢に道を拓いていく主人公の猛者っぷりも気持ちがいいし、ファッションをはじめ急速に変化していく激動の時代の風俗も面白い。小林薫や正司照枝など、脇を固める役者さん達もすごくハマっていて(・∀・)イイ!! 
原作はこちら
  
『コシノ洋装店ものがたり』

 

話はもどり今回のライブ、唯一倉敷ならではだったかと思うのは、客席から「うさぎや!」という声が掛かったことでした。(メンバーの一人が倉敷出身で、「うさぎや」という文具店を展開する株式会社クラブンの御曹司)

 

そしてそんな恍惚とした時間の後は、林檎ちゃんがいかに可愛くてかっこよくて素敵だったかについて語り合い、ひとしきり余韻に浸っていたかったのですが、翌日は社員旅行、朝も早いということで、早めに(その日のうちに)解散いたしました。

 

次回への課題
1. グッズは事前に調査・準備
   今回であれば、緑の小旗必須!(旗所有率高すぎ)
   これまでの人生で、あれほど強く旗を振りたいと思ったことはありません。
2. 席は中央or右寄りを狙う
      うっかり忘れていたのですが、林檎嬢(客席から見て)右を向いて歌うクセあり。
     今回左寄りの席だったため、あまり顔が見えずちょっと残念。
     でも白くなめらかな背中や、キュッと引き締まった美しいおみ足は存分に堪能する

   ことができました(〃∇〃)。
3. 体力づくり

   開始直後から興奮し飛び跳ねていたのですが、1曲目終わりで既に息切れ。
   最後まで走り続けるにはスタミナが必須と体感。 

 

 

そして林檎といえば、この米国産林檎の人気もすごいですよね。

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Apple Store銀座店(午前中は結構すいているっぽかったです)

 

先日、電子出版に関するお話があって、東京へ行ってきたのですが、また機会がありましたらその時のお話も・・・。
 
 
自伝は合わせて100万部突破! 

『スティーブ・ジョブズⅠ』 

 

『スティーブ・ジョブズⅡ』

11.11.20

オーストリア皇太子 フランツ・フェルディナント公とその時代めぐって2題

オーストリア「皇太子」の日本訪問 訳・著 渡辺 肇

オーストリア「皇太子」の日本訪問 訳・著 渡辺 肇



新刊!『オーストリア「皇太子」の日本訪問』 ただし非売品です…

10月、1冊の書籍が完成しました。

         『オーストリア「皇太子」の日本訪問』

弊社の書棚に乗ることのない「新刊」です。
著者は渡辺 肇(はじむ)倉敷芸術科学大学教授。国際金融を専門とするベテラン研究者です。書棚に乗ることがない、とは図書コードの付いていない自費出版の形なんです。

書籍の中核をなすのは、国賓として明治時代中期の日本を訪問したオーストリア皇太子 フランツ・フェルディナントの著した訪問記の日本語訳。その他、渡辺教授による欧州訪問記5編が収められています。

フランツ・フェルディナント公(文中写真)

フランツ・フェルディナント公(文中写真)


1914年6月28日にサラエボ市内で暗殺された事件が第一次世界大戦の発端となったことで知られるオーストリア皇太子 フランツ・フェルディナントは、1893(明治26)年8月に日本を訪問し、長崎から熊本、京都、大阪、奈良、名古屋、箱根、東京、横浜などをめぐって宮城に明治天皇を表敬訪問もしています。自ら筆を取り、紀行文として書かれた本稿には日本の国内の様子が詳細に描写されていて、数多くの写真も付されています。当時を伝える貴重な史料として価値あるものです。

最近、書店でもこうした史料を書籍化したものをたくさん見かけますが、それらと見比べても資料の貴重さという点でそん色ないと思われますし、訳者はかつて企業のウイーン支社長として赴任した経験を持ち現地の文化にも造詣が深い人物なので、現地でしか見ることのできない写真も数多く紹介されていて(現地の公立博物館より許諾を得て転載)、非常に充実した内容となっています。

装丁も含め、売り本として十分に成立する水準だけに、担当者としては図書コードなしという点のみが気分的にやや複雑…。

文中の写真ページ1

 文中の写真ページ1


航海時の服装や船上の様子がよく伝わってきます。
暗殺された時に乗っていた乗用車や着用していて血染めになった軍服は、保存・展示されているのですね(ウイーン軍事史博物館)。

文中の写真ページ2

 文中の写真ページ2


他にも、熊本城、名古屋城など日本国内の名所が当時の姿で収められた写真、大阪・梅田駅などの今とは全く様子の異なる様が映っている写真など、貴重なショットが満載です。


最近こうした書籍をたくさん見かけますが、
史料としての貴重さではそん色ないはず。
でも、残念ながらご購入いただくことはできません…。



美しい映像と頑固で冷徹なハネケ・ワールド

2009年、カンヌ映画祭のグランプリ「パルム・ドール」を受賞したミヒャエル・ハネケ監督のドイツ映画
        「白いリボン」

は、フランツ・フェルディナント公夫妻がサラエボで暗殺されて第一次世界大戦の開戦へと流れゆく時代のドイツ北部の農村を舞台にしたドラマです。

淡淡とした展開、美しい農村の風景とセピア調の自然光を生かした映像の中に、人の「心」の脆さというか些細なきっかけで地域の信頼関係が崩れる様が描かれた、観る者に不安感を抱かせるような映画、エンターテインメント性を徹底して排除したハネケ監督らしい作品です。
ドイツの寒村で続けざまに起こる小さな事件が積み重なり、住民が互いの信頼関係の喪失に追い込まれていくさま、支配する立場の者たちが無意識のうちにどんどんと弱者を追いこんでいくさまが描かれていて、忍び寄る不穏な時代の空気をうかがわせる…といったトーンです。

過剰な演出は一切なく、音楽も劇中の讃美歌を除いては一切使われていません。長回しのシーンも多いので、出演者にとっては緊張を強いられる現場だったのかなーとうかがえます。
作品の質感こそ全く異なるものの、その演出のみをとれば、日本の生んだ映画界の巨星、小津安二郎監督の影響も垣間見えました。2人の登場人物が会話するシーンでカメラの位置が右、左、右、左と入れ替わる、小津監督お得意のカメラワークもしっかり引用されていました。

この映画、一言でテーマを語ることはもちろんできませんが、とっさに浮かんだのは

         『北風』はダメ!  『北風』はダメ!  『太陽』で!

てな言葉でした。
乱暴なまとめ方ですみません。だけど、真理だと思います。さすがハネケ監督。



[2009年ドイツ 監督:ミヒャエル・ハネケ]

※ 誰でも知っているような著名な俳優さんは1人も出演していないし、最初は登場人物の相関関係を頭で整理するのに苦労しました。2度、3度と繰り返し観ていくうちに、だんだんとその怖さ、不安さが見えてきます。時間をかけてじっくり鑑賞するのがお勧めです。
公式サイトはこちらです。

11.10.05

考えずにいられない―映画『日輪の遺産』と辺見じゅん氏の訃報に寄せて―

[映画 『日輪の遺産』 鑑賞記]

原作は文庫で500頁を超える大作。尺に収めるためには、どこかを端折らなくてはいけないんじゃないか…。
そう思っていたところ、やはり登場人物にはかなり大胆な設定変更が。
しかし、物語は淡淡と進み、主人公である軍人と教師の“大人”役俳優は演出も控えめで、特に印象に残る台詞も無いまま進んでいく。
屈託なく笑い、歌う少女たちの姿ばかりが印象的。
そうか、これは少女たちの映画なんだ、と途中から気づかされる。
13~14歳の、女学校の生徒20人(キャラクターを際立たせるためか、人数が原作よりも大幅に少なくなっている)。

朗らかに響く少女らの歌声。
 「出てこい、ミニッツ、マッカーサー、出てくりゃ地獄へ逆落とし」
醜悪な歌詞と屈託のない少女らの笑顔、朗々とした歌声、そのアンバランス。

エンディングも近づき、8月15日が来て戦争は終わった。
しかし、13~14歳という、まだあどけない少女たちにはやることが残されていた。
彼女たちには自らの身に引き換えてでも守るべき、さらに小さな存在、小さな平和、小さな未来があった…。

 8月15日が来たからといって、いきなり
 「戦争は終わった、明日から復興だ、新しい日本を築こう」
 と前向きになれたわけはない。
 一家の柱である父親は戦地に取られて死んだり消息不明…。
 片や、生還したことを恥じて人目をはばかる人もいる。
 誰もが明日の暮らしの何1つの保障もない。
 幼い弟や妹を飢えさせずに生かしたい。
 乳離れすらしていない赤ん坊を死なせたくない。
 でも、どうすれば…。


明日のため、家族というちっぽけでも2つとない自分自身の世界を守るため、必死に戦後を生きた先人たちについて、往時を生きていない私たちは到底知る由もなく語る資格はないのですが、せめて自分自身に問いかけてみよう、とそんなことを考えさせられる映画でした。


『日輪の遺産』(浅田次郎、講談社文庫、1997)



[辺見じゅん著 『戦場から届いた遺書』 読後記]

先月、9月21日に亡くなった女流作家 辺見じゅん氏は戦地に赴いた兵士の日常生活、家族への思い、望郷の念などをその日記や戦地からの手紙、あるいは遺書などに綴られた「小さなことば」に見出し、粘り強く綿密に取材を重ねては、当時の人びとの真の心に迫り、後世に伝えることに腐心し続けた方です。

この本は、太平洋戦争中、戦場に赴いて二度とふたたび家族に会うことなく死んだ兵士たちの綴った遺書の「小さなことば」に込められた切実な思いを伝えるセミ・ドキュメント。

終戦間際に突如侵攻したソ連軍に捕虜として取られ、戦争はとうに終わったのに収容所で無念の死を遂げなくてはならなかった45歳の父親が子どもに語りかけた「遺言」を読んで、思わず身震いし身のすくむ思いがしました。

『戦場から届いた遺書』の結びで
 「死者たちの小さな、しかし真実の叫びに耳を傾け、歴史の真実を知ること」
の重要性を著者 辺見じゅん氏は説き、死者たちの声こそが21世紀の日本を生きる現代の日本人への遺産であると述べ、彼らが私たちに遺した「遺言」と、今の日本は全く裏腹の姿になっているのではないかと警鐘を鳴らしています。

 日本人である私たちの心の中に、死者は間違いなく生き続けている。
彼らの死が無駄になってはいけない。無駄にしてはいけないと、考えずにいられません。

それにしても、こうした労作があってこそ、平和を享受して生きる私たちが、たとえおぼろげにであっても、大きな時代の潮流に翻弄され若くして死なないといけなかった人びとの心の声を感じ取ることができるのですよね。
辺見氏の遺志に感謝し、ご冥福をお祈りします。

まったく今年という年は、震災とか原発事故とか9.11から10年とかいろいろなことが重なって、いろいろなことを考えさせられずにいられない年ですね。


『戦場から届いた遺書』(辺見じゅん、文春文庫、2003)


『男たちの大和』(上)(辺見じゅん、ハルキ文庫、2004)
実弟 角川春樹氏により映画化されたこの作品、
映画の印象が強いですが、こちらも乗艦していた人びとの内なる声、
その思いに迫る、胸熱くなる本です。




『最後の言葉』(重松 清・渡辺 考、講談社、2004)
戦地で回収された兵士の日記をよりどころに、彼らが何を見、何を考えて生きたかを探ったルポルタージュ。
 ※ 単行本は品切れのようですが、文庫が出版されています。

11.09.28

女子バルで、女子力UP?!

腐女子に女子会、肉食系女子に大人女子など、○○女子(or女子○○)という言葉が乱立し始めて久しいですが、行ってきました「女子バルvol.2」。

 

それはシルバーウィーク後半、岡山駅地下の岡山一番街で遭遇した、9月23日~25日の3日間限定、そして女性限定(女性同伴の男性はOK)のステキイベントなのでした。

 

突如現る大正ロマンあふれる一角。
入り口には着物姿の可愛いお姉さん。
スタンディング形式でグラスを傾ける人々(オシャレ女子多し)。
奥に見えるはバーカウンター。
美味しそうな小鉢たち。ヘ(゜▽、゜*)ノ ジュルッ♪

 

料金は、1ドリンク+2フードのチケット制で1枚1,200円。
一番街ファーストカード会員なら、ジャスト1,000円というお手ごろ価格!
これは入らないわけにはいきません。((o(*^^*)o))ワクワク♪

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内容(上記チラシより)
・日替わりで登場する総勢9名のイケメンバーテンダーによるカクテル、ソフトドリンク
・「G.G.Wine」青木麻有美がセレクトするワイン
・日替わりで『millet』『健太郎』『野菜食堂こやま』が手掛ける和食
・書道パフォーマンス
・ミュージシャンライブ、DJプレイ など

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テーマは「和」ということで、大正ロマンを代表する岡山県出身の画家、竹久夢二の版画作品も色々と展示されていました。 

『もっと知りたい 竹久夢二 生涯と作品』

 

まずは飲み物。
着物姿のイケメンバーテンダーが微笑むカウンターへ。
一応メニューもありましたが、好みを伝えると、オリジナルのものも作ってもらえます。
担当バーテンダーは、弊社刊行おかやまバーテンダー掲載店の中で特に行ってみたいと思っていた「華伝座」のマスターでした。何というラッキー☆
カンパリ系リクエストで作ってもらったのがコチラ。

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スプモーニベースで、梅酒と何かと何か(忘れた・・・)を足しているそうです。
ちょうど良い甘苦さで、美味しかったです♪

 

続いてはおつまみ。
この日の担当は、小粋な大人の居酒屋「健太郎」さん。
8品くらいの中から、好きなもの2品を選びます。
がこの時すでに、2~3品が売り切れになっていました。
あ~、でもどれも美味しそう。
「穴子寿司」が残り3皿だといわれ、一品目はそれに決定。
2品目は、趣旨を考え(?)、とかく女が好むという「芋たこ南京」の煮物にしてみました。

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他には「秋刀魚の梅煮」、「牛すじとふろふき大根」、「筑前煮」とかがありました。

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木の葉型の飾り切り。こういう繊細さが和食ですよね~♪
芋も蛸も柔らかく炊けていて、美味しかったです。

 

美味しいお酒に美味しい料理。それを手軽に楽しめる素敵イベント。
毎週末、いや月一でいいから定期開催してほし~い。
(いやいや、気に入ったのなら、ちゃんとお店に行くべし!ですね(^^;))

 

女子バル」参加バーテンダー9人のうち、6人が紹介されています!!
 

『おかやまバーテンダー』

 

 

余談ですが、大人の女性を「女子」を呼称することについては「それってどうよ?」的意見も多々あります。
恐らく、女子=「女の子」だと思われていて、そこに「スイーツ(笑)」的痛さ、ナルシズムや幼稚さを感じる人もいるのだと思います。
だけど「女子トイレ」、「女子プロゴルファー」、「女子と小人は養い難し(論語)」のように、本来「女子」というのは「女性」を指す言葉であり、大人の女性を「女子」と呼ぶことも、何ら間違ってはいないのです。v(・_・)

 

それに「女子」って、やっぱり使いやすいんですよね。
「女性」だと固くなるし、「女」というと、呼び捨てのような捨てばちさ、あるいはなまめかしさ、情念みたいなものまで感じたり感じなかったり・・・。
その点「女子」にはあっさり感がある。性的ニュアンスが少ない気がするのです。
決して「いくつになっても乙女心を忘れないカワイイあたしアピール」とかではありません。

 

情報の一つとして、単に性の別を述べたいだけなのに、自身のジェンダー観を問われているかような気持ちになってしまうのはなぜ?σ(^_^;)

11.09.16

音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-新刊のご案内です!

音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-

音楽の話をしよう              -10代のための音楽講座-


このほど、チャーミングでユニークなエッセイ集を刊行いたしました。
著者は広島県生まれ、2004年から2007年まではアムステルダムに拠点を置いて活動してきた音楽家 寺内 大輔氏。広島大学教育学部で講師をお務めです(公式サイト)。

   ・独奏曲、管弦楽曲、校歌や映画・イベント・ゲームソフト等のBGMなど
     50曲を超すオリジナル曲の作曲
   ・独演会、バンド演奏、書道家やダンサーらとのコラボレーションなど
     多様なスタイルによる国内外での200回近くにおよぶ演奏会への出演
   ・幅広い年代層を対象にした音楽教育活動

など、多様な音楽活動に積極的に取り組んできた経歴をお持ちです。著者経歴(スライドショー)はこちらにもあります(YouTube)。
その音楽、世界観は独自のもので、とても「~音楽」と括れるものではないし、一口では言い表せない、聞く人の感性に直接訴えてくる自由なもの。
このほど完成した
『音楽の話をしよう-10代のための音楽講座-』
は、そんな著者が10代を中心としたこれから音楽を学んでいってほしい世代を読者の中心に見据えて音楽の楽しさ、表現の自由さについて説いたエッセイ集です。

目を引くのは、これまた独特のタッチで個性あふれる挿画の数数。
小学館『ヤングサンデー』講談社『ヤングマガジン』青林社『ガロ』など国内を代表する雑誌で幾多のコンクール入選歴を誇り、連載4コマ漫画、広告漫画、教材漫画、コンビニ本、デコメ素材、イラスト等を手掛ける多忙なイラストレーター
門倉 フリッツ 貴浩氏公式サイト)。

2011091518110000

2人の気鋭のクリエイターが互いの芸術性を融和させた頭にも目にも新鮮な一冊です。


陰影の濃いモノトーンの写真も深く印象に残ります。

陰影の濃いモノトーンの写真も深く印象に残ります。


こんな、いやし感あふれるイラストもあります。

こんな、いやし感あふれるイラストもあります。



そんな個性あふれる内容をまとめ、簡潔で読みやすい紙面を構成してくださった
“アトリエてがき”戸次 祥子様公式サイト)。
門倉氏のイラストをフィーチャーしたひときわ目をひく装丁も担当されています。
素材を生かしたコラージュや温かみのある版画作品を数多く手がけていらっしゃいます。

扉の先はちょっとした『異空間』です

扉の先はちょっとした『異空間』です



『10代のための』と銘打ってはおりますが、老若男女を問わず、音楽に関心のある方をはじめ、多様な観点から楽しめる1冊に仕上がりました。税込定価1,890円で、広島県内を中心に各書店で発売中!オンラインストアでももちろんご購入いただけます。中秋の名月も過ぎて徐徐に涼しくなってくるこれからの季節、夜長のお供にいかがですか?

[著者によるコピーより]
人は,何のために音楽を聴くのだろう。
何のために歌い,奏で,音楽を作るのだろう。
音楽とぼく達とは,どんな風に付き合っているのだろう。
「音楽とはこういうものだ」という概念を問い直し
音楽とぼく達との関係をもっと自由にするための話―――まずは耳を澄ますことから。





7月下旬から8月そして9月上旬と、担当した物件が立て続けに校了~刊行となり、いつになくせわしない夏の時間を過ごしました(書きながら思うけど“せわしない”って夏には似つかわしくない言葉だな…)。
せわしなさはまた現在進行形でもあるのですが、特派員である私にとってこの時期は来年以降に向けた新たな先生方、新たな書籍との出会いを求めて旅に出る大切な時期。
これからしばらくは“渡り鳥”人生かな。

9月15日は愛媛県に出張。ランチタイムに瀬戸内海の斎灘(いつきなだ)で。対岸は広島県

9月15日は愛媛県に出張。ランチタイムに瀬戸内海の斎灘(いつきなだ)で。対岸は広島県

11.09.14

モフモフ♪ZIPPEI 岡山滞在中

朝からウツウツ気分になりがちな、世知辛い世の中です。
それでも、お部屋代を払うため、ご飯を食べるためには、働かなくてはなりません。
そんなやさぐれOL(?)出勤前のつかの間の癒しといえば、

「めざましテレビ」(フジテレビ)の「きょうのわんこ」、

そして「ZIP」(日本テレビ)出演、真っ白ふっさふさの可愛いわんこ「ZIPPEI君」です。

 

そのZIPPEI君、今週はココ岡山県に滞在中です。ワオン♪(U・x・U)

今朝の放送は、県北、鏡野町訪問の様子でした。

 

岡山の温泉といえば美作三湯(湯原・奥津・湯郷)が有名なのですが、その中の一つ、奥津温泉を有しているのが鏡野町です。
かなり山深いところですが、その秘湯っぽい雰囲気が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!といわれています。

 

そして、このほど女子サッカーチーム「湯郷ベル」のメインスポンサーに決まった山田養蜂場の本社があるのも鏡野町です。

 
先日、所用があって鏡野町近辺に行ったのですが、通りすがりに「山田養蜂場お菓子工房 ぶんぶんファクトリー」なるものがあったので立ち寄ってみました。
それぞれ試食できる10種類くらいのはちみつと、はちみつを使ったお菓子、化粧品などが販売されていました。
ソフトクリームにも惹かれたのですが、それは岡山駅にもあったと思うので、はちみつジェラートを買ってみました。
ちゃんとはちみつの味が感じられ、やさしい甘みで美味しかったですo(*^^*)o~

 

 

ZIPPEIと同じサモエド犬。ブログで人気となったクローカ君です。
かわいい~白くて大きなモフモフちゃん(*´∇`*)
モフモフください。
 

『モフモフ売りがゆく! サモエド・クローカの日記』

 

 

「モフモフ」で検索するとアルパカちゃんもでてきました。
うぅっ・・・。可愛いじゃないか。
そうそう、「クラレちゃん」でお馴染み、株式会社クラレも岡山創業の企業です。 

『もふもふはなこ』

 

白いふわふわもこもこって、やっぱり最強!  
もふもふしたい、もふもふしたい、もふもふしたい、もふりたいっ!!


  『モフモフ家族』