徳島でうだつをあげる?
古い話で恐縮ですが、今年のGW、徳島へ行ってまいりました。
瀬戸大橋はじめ本四連絡橋の通行料も1,000円となり、今年のGWは特に四国旅が人気だったようです。香川のさぬきうどん店も2~3時間待ちの大行列なんてところがいくつもあったとか。
徳島にも見所はたくさんあるのですが、今日は今回の旅テーマの一つ
「うだつが上がらない」の語源を訪ねる
について書いてみたいと思います。
徳島県美馬市脇町には、その語源といわれる「うだつの町並み」があります。
この通称「うだつの町並み」は東西約430㍍。
国の重要伝統的建造物に指定された商家や蔵が八十八棟、延々と連なっています。
歴史が息づくきれいな町並みでした。
そもそも「うだつ(卯建)」って何なのでしょう?
説明書きがありました。
(看板より)
うだつ「卯建」は、二階の壁面から突き出した漆喰塗りの袖壁で、火よけ壁とも呼ばれ防火の役目をしていました。
江戸時代、裕福な商家はこの「うだつ」をあげた立派な家を競って造りました。
ことわざ辞典にいつまでもぐずぐずして一向に出世できないことを「うだつがあがらぬ」と記しており、この語源になったのではないかと思われます。
脇町は徳島県を東西に流れる吉野川の中流にあるのですが、かつて吉野川流域は日本最大の藍作地帯でした。脇町はその水運を利用して、江戸時代から藍の集散地として発展し、一時は百を超える藍商人たちが栄華を極めたといいます。
元々は防火という実務的な役割を担って登場し、後に装飾としての意味合いが強くなってきたという「うだつ」。
その設置にはかなりの費用がかかるため、豪商達は富の象徴としてこの「うだつ」を競ってあげ、様々な装飾も施し豪華さを誇ったのだそうです。
もっと写真があったらよかったんですが、うだつにも色々と個性があって、すごく凝った装飾が施してあったり、隣近所で競い合っていた当時の栄華が偲ばれます。
建物の内部が公開されているところもありました。
タイムスリップしたような気分が味わえますよ。
「重要伝統的建造物群保存地区」「日本の道100選」にも選ばれた町並みです。
図書館もうだつが上がっていますO(≧▽≦)O
他にも、近くの郵便局やスーパーマーケット、歯医者さんもうだつが上がっていて、何かそういうサービス(?)って観光客にはうれしいですよね~。旅気分が盛り上がるというか。
またこのすぐ近くに、山田洋次監督の映画「虹(にじ)をつかむ男」の舞台となった劇場「オデオン座」もありました。
日頃何気なく使っている言葉、言い回しでも、その語源を辿り、その地を訪ねてみると、なるほど的を射た表現であると感心するとともに、当時の人々の暮らしぶりまでもが鮮やかに浮かびあがってくるようで、おもしろいなーと思いました。
また機会があれば、他の語源も訪ねてみたいです。
語源を訪ねてみたくなった貴方には、この本がオススメ。
『地団駄は島根で踏め』
徳島は他にも、祖谷のかずら橋、眉山、鳴門の渦潮、大塚国際美術館などなど、見所満載でした。また機会があればそれらのお話も!
待ち人が予想以上の大行列で、泣く泣く渡るのを断念したかずら橋。
大塚美術館内の庭園。大鳴門橋がすぐ側に見えています。
うずうず~。
この日はあまりうずうずしていなくて残念!
眉山から見た徳島市。天気がよかったら淡路島とかもっとくっきり見えたはずなんですが。
(画像加工:「微笑みメガネ」J氏)
鮮やかな緑と空がよみがえりました。ありがとうございました!