1Q84である。
微妙なタイミングである。
1Q84を読む人は、もうすでに読んでいるだろうし、今この時点で読んでいない人は、この先も読まないかもしれない。
僕は後者ですね。たぶん。
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僕は村上春樹氏が、嫌いなわけではない。
実際結構読んでいると思う。
「風の歌を聴け」も読んだし「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も読んだ。
「ノルウェイの森」や「ダンス・ダンス・ダンス」も読んでいる。ほかにも、もっと読んでるかも。
ただ
結構おもしろかったはずなのだが、なぜだかまったく内容を覚えてない。
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僕はもともと欧米の文学を主に読んでいた。
イギリスとかアメリカそしてロシアなどなど・・・
日本文学を余り読まない僕だが、村上春樹氏の本はあまり日本文学っぽくなくて
むしろ海外の文学を翻訳した感じがするのである。
だから違和感はなく、読みやすかったのであるが・・・
いかんせん記憶に残っていない。
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でも1Q84を読まない理由はそのせいではない。
ちょっと売れすぎているからだ。
僕は若干ひねくれていて、みんなが「いい」と言うものに、反旗を翻したくなるのである。
巨人ではなく阪神を応援し、
ルパン3世では次元が一番好きで、
トヨタ車を買うぐらいなら、日産車を買う。
と、まあそんな感じである。
見ておわかりのように、そうたいしてひねくれてはいない。ほんとに若干ですね。
いわゆる2番手が好きなんだと思う。
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1Q84のブックデザインは王道感に溢れています。もはやアイコンと化している。
こういった、ものすごく売れる本のカバーとしては正解だと思いますね。
何100万部も出る本は、例えば紙をすこし変えただけで、原価が大きく違ってきますしね。何回も増刷を繰り返すでしょうから、あまり凝った作りにもしにくいです。
とにかく露出が多いので、シンプルでメジャー感があれば、それでいいと思います。
でも、これまた僕の好みではないんですね。
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そんな僕であるが、村上春樹氏が翻訳したレイモンド・カーヴァーは大好きだった。
それまで、短編小説の面白さが理解できなかったのだが、カーヴァーを読んで初めておもしろいと思った。
「ささやかだけど、役に立つこと」なんて特に好きだったな。
この作家を紹介してくれただけでも、村上春樹氏には感謝したいと思う。
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翻訳といえば、僕の好きな小説の3位以内に必ず入るであろう「ライ麦畑でつかまえて」も村上氏は訳しているのだが・・・これは絶対に読みません。
僕の中には、野崎孝さん訳で、その世界が完璧に出来上がっていて、それを壊したくもない。
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それに僕は若干ひねくれているのだ。