▼‘時事’ カテゴリーのアーカイブ

09.08.06

ブサカワ犬 愛媛代表!

和歌山県の貴志川電鉄の“たま駅長”や“ソフトバンクCMのお父さん”など,有名ペットたちは国民的人気者です。何を隠そう,私も子どもの頃から動物は何でも大好き。旅先で猫が地面にぐたーっと寝そべっていたりすると,つい携帯カメラのシャッターを切ってしまいます。



さて,誰の目にもかわいい“たま”や“お父さん”とは全く異なる系譜で,某ブログから人気に火が付き,今や“お父さん”にも決して負けていない(?)のが青森県のイカ焼き屋さんの看板犬“わさお”ですよね。
いまや写真集,写真展ですか。いやー,すごい。
asahi.com 2009/7/24



私も時たま,ユルーいその風貌を拝んでは仕事の疲れをひととき癒させてもらっています。



その“わさお”が発端となって,いまや国中のあちらこちらで“ブサカワ(不細工でかわいい)犬・ブサワカねこを追え!”の機運が活況を呈していますが,そんな中,強力なタレントとして私がご推薦したいのが,愛媛大学の名物犬“ハナちゃん”です。
先週も,愛大に行ったときに,謁見してきましたよ。



聞けば,もうかれこれ15年ほど愛大に暮らしていて,今は法文学部棟(堂々の玄関!)で暮らしているとか。
私は愛大に,年に数回ながらもかれこれ10年以上うかがっていますが,確かにかなり前からここにいらっしゃったですね(今ほどは注目してませんでしたが)。



ごらんの通り,でっぷりしたメタボ気味の体型,伸びた頭髪,ユルーいそのたたずまい,とどこから見ても正真正銘,正統派の“ブサカワ”です!



そういうわけで,このハナちゃん地元では熱心なウォッチャーもいて,学生たちのアイドルでもある,“わさお”ブレイク以前からの有名犬なのでありました。
元気で長生きしてね。
(ハナちゃんに関するエピソードの出典は2009/2/14付愛媛新聞)



この際,ふくろう出版も柳の下をねらって,“ブサカワペットを追え!”なんてどうでしょうか…。
実際のところ,それはないと思いますけれど,もしかして『ハナちゃん今昔写真集』を出版するときが来たりすれば,昔のハナちゃんの画像などお持ちの方はご協力よろしくお願いします。
この場合,やっぱりどなたかの許可がいるんでしょうかね。WHO?飼い主さん?

愛媛大学法文学部前でくつろぐハナちゃん

愛媛大学法文学部前でくつろぐハナちゃん

岡山の市電は貴志川電鉄と企業間の縁があり,タマ電車が走っています(もちろんタマ駅長はいません)。

岡山の市電は貴志川電鉄と企業間の縁があり,タマ電車が走っています(もちろんタマ駅長はいません)。

09.07.28

高齢者は働くことしか才能がない?

「高齢者は働くことしか才能がない」
 
麻生首相発言がまたえらく非難されてましたねぇ。
前後の文脈とかも分かりませんし、一部分だけで判断するのはどうかと思いますが、でも、そんなにダメなこと言ったかなぁ?というのが私の正直な感想です。
60代・70代、80代でも実際元気な人はいっぱいいるし、できれば働きたい、社会とつながりたいと思っている人だって多いと思う。やる気も能力もあるのに、それを活かせる場が無い、というのはすごくもったいないことだと思うし、麻生首相発言の意図は「働きたい高齢者にはもっと働いてもらえるような制度・枠組みを整備する必要があるし、企業にも積極的に取り組んでほしい」ということなんじゃないの?と思いました。
確かに言葉の選び方は上手くなかったでしょう。だけど別に「おまいら全員、死ぬまで働け!」なんて言ってるわけではないと思うんですが。どうなんでしょう?

 

それにそもそも「勤労」って尊いものなんじゃないんでしょうか?
「労働」=「搾取」というわけではなく、生き甲斐につながることも多いと思うんですが。
戦中・戦後の混乱期から高度経済成長期へ、今の日本の礎を築いてくれた高齢者世代は、趣味なんて楽しむ余裕も無く、家族のため、社会のために、ただがむしゃらに働いてきたという人も多いと思います。

 
「働くしか能がない」上等!
 

それは誇りにしていいと思うし、高齢者自身もそういう自負がある人は多いと思います。

 

そして思い出したのがこの本です。
『そうだ、葉っぱを売ろう!  -過疎の町、どん底からの再生-』

 
徳島県の過疎の町、上勝町を激変させた葉っぱビジネス「彩(いろどり)」。
これまでTVや雑誌などに何度も取り上げられている有名な取り組みですので、ご存知の方も多いと思います。

 

過疎が進み、これといった産業もない田舎町。
暇なので男性は朝っぱらから酒を飲み、女性は日がな一日他人の悪口を言って過ごしているという状態。
私もかなりの田舎町出身なので、過疎の町にありがちなこういった状況って、すごくよく分かります。

 

そしてこの本を読んで思ったのは、人間いくつになっても、忙しいくらいの方が幸せなんじゃないだろうか、ということ。

 

することがなくて、毎日のように診療所やデイサービスに行っていたお年寄り達が、今では「忙しいて、病気になるひまがないんよ」と毎日笑顔で働いている。

 

パソコンで毎日市況を調べ、出荷する商品を調整する。
売上と順位が日々更新されることが良い刺激となりやる気につながった。

 

年収1,000万を超える農家も出てきた。
家を改築し、息子や孫夫婦を呼び戻すこともできる。
新築の家が建ち、Uターン・Iターンで移住してくる人も増えてきた。

 

「自分で稼いで、自分で使えるこのうれしさっていうのは言葉にできん」
「自分の子や孫に、自分のお金として使える喜びは、男の人には分からん」

自分で立ち、自分で稼ぐことの感動。
いくつになっても現役で、自分が人生の主役になっている。
この喜びというのは本当に尊いものだと思う。
高齢者、特にこれまで表舞台に立つことがなかった女性を主役にしたことで「彩」は成功し、町の活性化につながっていった。

 

今や人口の2倍もの視察者が訪れるという上勝町。
だが同じ葉っぱビジネスで成功したところは未だないという。
上勝町の成功は横石さんの力によるところが非常に大きかったからだろう。
最初は誰にも相手にされなかった彩ビジネス。
根気よく説得を続け、徐々に信頼関係を作っていった。
どういう葉っぱが売れるのか?給料を1円も家に入れず、自腹で料亭に通い続けた。
なかなかできることではない。
おばあちゃん達をやる気にさせる仕組み作り。これも試行錯誤の繰り返しだ。

 

簡単ではない。
だけど不可能なわけでもない。

 

本書の中で横石さんは言う。

 

「福祉」は、みんなが幸せになることであって、「してあげる」ことでもなければ「いたわる」ことでもない。
「そんな年寄りまで働かせて」ということではなく、お年寄りだからできる仕事を生み出し、稼ぐことで人も町も元気になれば、それこそが「福祉」になっていると思う。
箱物の充実だけでなく、一人ひとりに自分が必要とされている「居場所づくり」を、地域全体で考え出していくことが、本当の福祉ではないだろうか。

 

少子高齢化社会における見事な解決策の一つがここにある。

 

マンガもありました。

『葉っぱがお金に化ける?!』

絵は、岡山の中国デザイン専門学校の生徒さんが描いたものらしいです。

 

また、お年寄りの力というのは、子育て支援にも活かせると思います。
保育園じゃなくても、人生経験豊富なおばあちゃんベビーシッターに待機児童を預かってもらうというのはダメなんでしょうか?
映画や小説にもよくありますが、子どもと老人の組み合わせって好きなんですよね。
子どもの情操教育的にもいい影響があるんじゃないかと思います。

こちらもオススメ。
『世代間交流 -家庭教育の一環として-』

核家族化が進み、孤独な一人暮らしを強いられている高齢者がいる。
一方で、近くに頼れる人がなく、子育ての悩みや不安を一人で抱え込んでいる母親もいる。
世代間交流先進国であるアメリカでの取り組み、現状を検討しながら、日本におけるこれからの世代間交流のあり方を提起する。

 

以前、ネット掲示板で「リアル8○歳だけど質問ある?」(正確に何歳だったかは不明)というスレッドを見たことがありますが、何か意外に良スレになってたような気がするんですよね。
「どうせ釣りだろ?」と最初は皆疑ってかかっていたのに、最後には「じいちゃ~ん、待ってたよ~」「今日は何してたの~?」とか本当におじいちゃんと孫達、みたいなすごく和む掲示板になってたんですよね。

 

パソコン、というかネットも、高齢者こそ利用すればいいと思うんですよね。
注意しないといけないことはもちろんありますが、うまく使えば、老若男女問わず新しい仲間ができて、生活にもハリが出てくると思います。

 

シニアが作ったシニアのためのパソコンテキストあります。
『ぴんコロICTテキスト―高齢社会をよりよくするための挑戦』

09.07.17

水筒男子って?

ちまたにはびこっているらしい水筒男子。
僕もちょっとまえからそう(水筒を持ってきてた)だったのですが、水筒男子って言葉は知りませんでした。
なんでしょうね。この○○男子っていうのは。水筒にくっつくぐらいだから、もはや何にでもくっつくでしょうね。
以前から「メガネ男子」(これにもあてはまりますね僕は)とか「弁当男子」(これは自分でつくってないから違うのかな)とか「草食系男子」(これもちょっとあてはまらない?)等々。様々な○○男子が乱立しています。
***
この「男子」という言葉。少し前までは小学生ぐらいのイメージでしたよね。(僕だけでしょうか?)
まあ男子バレーとかいう使い方はあったけど・・・。
これもやめて「男バレー」・・・
うーん。。これは「男子」のほうがいいかな。。
ともかく男子と呼べるのは、せいぜい高校生ぐらいまでで、大学生にもなって「男子」はないだろって感じですね。
僕の感覚が古いんですかね?
ちなみに僕のイメージする男子とは・・・

そう。これですよ。
話は一寸ずれますが、この写真集いいですよ。
写真集をみてこんなに笑ったのは初めてかもしれません。
我が家の2人の「男子」もこんな感じですよ。
本当っに「バカ」だよねー。男子は。
「女子」の冷たい視線が目に浮かびます。。
***
で、水筒男子です。
しかし僕の基準から言うと、もう男子って歳じゃないんですよ僕は。
でも「水筒男」と呼ばれるのもいやですね。なんかの怪人みたいだし・・・。
「水筒持参の男」?ピンとこないですね。
やっぱりいいのか?水筒男子で。
***
実はこのたび、以前から持っていた水筒が一寸使いにくかったので、今回の水筒男子ブーム?に乗じて、新しい水筒を買いました。

それがこれです。サーモスのケータイマグ
色はチョコにしましたー。
なんて・・・
こんな軟弱なものを買うから「水筒男子」って呼ばれるんですよね。
ダメダメ。。
男はこれだー(これもテニスのときに使ってます)

同じサーモスですが、こちらは1.9リットル入ります。
そしてアグレッシブな赤!
これを会社に持っていって、仕事中に飲んでいたら
「水筒漢(おとこ)」とみんなに呼ばれるに違いありません。

09.07.02

太宰治 生誕100年に『女生徒』を再読する

今年は太宰治 生誕100年。様々なイベントや映画化も続いていますね。
そして6月は、太宰が生まれた月であるとともに亡くなった月でもありました。
そんなMemorial YearのMemorial Month、久しぶりに太宰を読み返してみました。

 

私が太宰を読んでいた中学~高校時代、当時は太宰=「暗い」とか「自己憐憫に浸っているだけのエゴナルシスト」なんて言われがちで「太宰が好きだ」などうかつには口に出せない雰囲気がありました(; ̄□ ̄A。
でも今は、特に若者の間で「太宰肯定派」が多いようで、なんかうらやましいです。

 

太宰が広く若者に受け入れられるようになったのは、綿矢りささんが芥川賞受賞後に「太宰好き」を告白したことがきっかけだったのでは?と思っているのですが、どうでしょうか?
若くてキレイな娘さんだったから余計、その影響力は大きかったと思います。
そして『DEATH NOTE』風カバーの文庫なども出て、さらに拍車がかかったと。
だけど彼女がリスペクトする太宰自身はというと、当時創設されたばかりの芥川賞受賞に意欲を燃やし、切望し、能力もあったはずなのに結局受賞は叶わなかった。何だか皮肉ですよね。

 

太宰作品の中で特に有名なのは「人間失格」、「走れメロス」、「斜陽」あたりだと思います。
でも他の短編でもおもしろいものは多くて、中でも特に印象に残っているのが「女生徒」です。

 

「あさ、眼をさますときの気持は、面白い。」
そんな独白で始まる同作は、ある女生徒の、朝起きてから、夜眠りにつくまでの一日を描いたお話です。
日常の中でとりとめなく押し寄せ、流れていく感情。
思春期に特有の自意識過剰や潔癖さ、迷い、不安など、男性の太宰がなぜ?と思うほど見事に描ききっていると思います。

 

(以下、本文より部分的に抜粋)
**************************************

 

朝の私は一ばん醜い。
朝の寝床の中で、私はいつも厭世的だ。

 
二匹をまえに並べて置いて、ジャピイだけを、うんと可愛がってやった。
カアは、悲しくて、いやだ。可哀想で可哀想でたまらないから、わざと意地悪くしてやるのだ。

 
その労働者たちは、いつもの例で、言えないような厭な言葉を私に向かって吐きかける。

 
けれども、私がいま、このうちの誰かひとりに、にっこり笑って見せると、たったそれだけで私は、ずるずる引きずられて、その人と結婚しなければならぬ破目におちるかも知れないのだ。女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。

 
なぜ私たちは、自分だけで満足し、自分だけを一生愛して行けないのだろう。

 
プラットフォムに降り立ったら、なんだかすべて、けろりとしていた。

 
学校の修身と、世の中の掟と、すごく違っているのが、だんだん大きくなるにつれてわかって来た。学校の修身を絶対に守っていると、その人はばかを見る。変人と言われる。出世しないで、いつも貧乏だ。

 
自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしりするほど、厭だ。

 
それよりも、この空は、美しい。このお空には、私うまれてはじめて頭を下げたいのです。

「みんなを愛したい」と涙が出そうなくらい思いました。

 
客間のほうからお母さんたちの笑い声が、どっと起って、私は、なんだか、むかっとなった。お母さんは、私と二人きりのときはいいけれど、お客が来たときには、へんに私から遠くなって、冷くよそよそしく、私はそんな時に、一ばんお父さんが懐かしく悲しくなる。

 
いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。

 
明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。

 
パタパタパタパタ、カアの足音には、特徴がある。右の前足が少し短く、それに前足はO型でガニだから、足音にも寂しい癖があるのだ。
カアは、可哀想。けさは、意地悪してやったけれど、あすは、かわいがってあげます。

 

**************************************

 
自分自身に対する自信のなさ、でもある時は他者と比較し優越感に浸ってみたり、美しいものに涙する。純粋さ、潔癖さゆえの批判や嫌悪感。そして自分を省みてはまた落ち込んでみたり。
多感な少女の一日なんて、そんなことの繰り返しだ。

 

でも今読んでみても「あ~、分かるぅ~」って感じなんですよねぇ。
成長していないということか?(^▽^;)
子どもの頃は、大人ってもっと「大人」だと思ってたんだけどなぁ。。。

 
太宰作品は既に著作権が切れており、ネットで全文を読むこともできますが、読んでみて「いいな」って思ったら本も買ってくださいね♪(他社さんのだけど)

 

新装版がいろいろ出てますね。

カバーデザイン:祖父江慎×カバー写真:梅佳代 ですって!
豪華コラボですねー。
『女生徒』

 

 

デカ文字でもどうぞ。

 

こちらもコラボです。
小説見開き2ページ+写真見開き2ページが交互に繰り返されます。

 

 

私生活では、何度も自殺や心中未遂を繰り返すなど波瀾万丈であった太宰。
幼少時に愛情を受けられなかったことが、彼の抱える生きづらさの根源であり、人生に影響を与え続けたといわれている。
紛れもない才能と純粋な心を持ち、その作品は死後何十年も愛されているというのに、彼自身は本当に充足した幸福感というものを手に入れることができなかったのだ。
悲しいです。

 

そんなことを考えていると、先日急逝したSUPER STARの顔が浮かんできました。
ここ数日「マイケル・ジャクソン 栄光の軌跡」的な特集がよく流れていましたが、その中で「彼は自分自身に対する自信というものが絶対的に無い人だった」と誰かが言っていました。虐待や金銭トラブルなど、彼の幼少期も問題が多くあったといいます。

 

子ども時代が幸せじゃなかった人間は、どうやってもその呪縛から逃れることができないのだろうか?
そうではない、と思いたい。
でも彼らだって、結婚し親となり、いわゆる「普通の幸せ」というものも模索しただろうし、彼らなりに努力はしていたはずだ。だけどうまくいかない。
どうやって生きていけばいいのか?誰も教えてはくれないのだ。

 
今になってCDやDVDが激売れです。
でも私もポチらずにはいられませんでしたー。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。
昨年、生誕50周年記念として出されたベスト・アルバム

「キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション」

  

80~90年代のビデオクリップ集

「ビデオ・グレイテスト・ヒッツ~ヒストリー」

 
世界最強にして伝説のライブらしい。
「ライヴ・イン・ブカレスト」

少年時代のすごく伸びのある高音ボイスや天使のような優しい歌声もいいですね。( p_q)
「ベンのテーマ ~ベスト・オブ・マイケル・ジャクソン 」

今年のクリスマスはこれを聴きます!
「クリスマス・ベスト」

09.05.27

囚人版ツール・ド・フランス開催?

囚人版ツール・ド・フランスとは、フランスの受刑者が、自転車に乗り、リールからパリまでの2300kmの走破をめざす(結構キツイ)もので、順位は付けず、チームワークや努力をする価値観を育むのが狙いとか。
途中、刑務所のある17の町を巡る(ちょっと笑)らしいです。
***
これを聞いて思い出したのが、アラン=シリトーの書いた、「長距離走者の孤独」です。

もう読んだのはずいぶん前のことになるので、うろ覚えなのですが、たしか感化院に入っている主人公の青年がマラソン大会に出場する話だったと思います。
感化院側の狙いは、おそらく囚人版ツール・ド・フランスと同じようなもの(チームワークは関係ないですが)だと思いますが、この「長距離走者の孤独」の主人公は感化院側の思惑などくそくらえで、ただ自分が走りたいから走っている感じでしたね。もっと哲学的なものを求めているような・・・。
***
同じくシリトーの書いた「土曜の夜と日曜の朝」という作品も当時好きでしたね。タイトルもカッコイイし。
シリトーという作家は、それまで持っていた、僕のイギリスに対するイメージを変えてくれました。貴族的で取り澄ました感じだったものが、もっと肉体的で荒々しいところもあるのだと・・・。
もっともこれは僕だけの感想ではなく、シリトーは1950年代にイギリスに登場した「怒れる若者達」というムーブメントの代表格でもあり、当時のイギリス文学界に衝撃を与えたのです。
「怒れる若者達」にはコリン=ウィルソンなども含まれています。彼についてはまたいずれ、このブログでも取り上げていこうと思います。「アウトサイダー」とかいずれ詳しく。
***
そして「怒れる若者達」というと、なぜかJ.Dサリンジャーのことも浮かんできますね。もっともサリンジャーはアメリカ人ですから、関係ないのですが、「ライ麦畑でつかまえて」のホールデンもまた「なにか」に怒っている若者の代表格ですから。
***
僕も、昔は怒っていたのです。「なにか」に・・・
***
でも今では僕の子どもたちが怒っているようです。
「おまえら!いったいなにを怒ってるんだ?」

09.05.18

ろうがんず?

俳優の石坂浩二さんが「ろうがんず」というプラモ同好会を結成したらしいですね。
***
僕も子どものころ、ご多分に漏れずプラモにはまっていました。
基本的にAFV派で、戦車ばっかり作ってました。たまに飛行機とか車にも浮気してましたけど・・・。
当時から、とにかく凝り性なくせに、イマイチ根気がないもので完成しないんですよね。
手すりを金属で作り変えたり、キャタピラを弛ませたり、汚し塗装をしたり・・・色々するんですが、途中で失敗してやめちゃったり、そもそも買っただけで満足してしまって、まったく作らなかったり・・・今でも多分、屋根裏の倉庫には、そんなプラモたちが眠っているはずです。
***
それからずっとご無沙汰してたのですが、なんか最近またちょっと作りたくなってたんですよ。
物理的に不可能なんですが、でも作りたいなーって・・・。
そんなときに、石坂浩二さんの記事をみて、刺激されましたね。創作意欲が。
今ならもっとうまく作れるような気がするんです。
最近のプラモは昔よりはるかに出来がよくて、もともと金属パーツが使われていたり、汚し用のツールが何種類もあったり(↓こんなの)

かなり進歩してるんですよね。
僕自身も「オトナ」になっていますから、知恵もついているはずだし・・・絶対うまく作れるはず!
マクロレンズもあるから、写真を撮ったりも出来るし。
あー作りたいなー。
***
あの当時、僕はタミヤ派で、ほとんどタミヤのものばかり買ってました。
パッケージがカッコイイんですよね。あの白バックが新鮮だったんです。

この本の感じですよね。
他のモデルメーカーのパッケージが背景まで描き込んでいるのに対して、白バックにリアルなイラストを配置している。
グラフィックとしても優れていたと思います。
タミヤが定期的に発行していたタミヤニュースも買っていましたが、これもカッコよかった。
版型も縦長で、表紙もマークを大きくグラフィック的に扱っていて、今見てもイイと思いますね。

この右上の方に小さく載っているのが、タミヤニュースです。
うんカッコイイ。
***
僕も老眼になったら入れてもらえないかな?
ろうがんず

09.05.01

新発見!エジプト展 in 岡山

少々前の話になるのですが、岡山市立オリエント美術館で開催中の「吉村作治の新発見!エジプト展 ~国立カイロ博物館所蔵品と~」に行ってまいりました。
私が訪れたのは開催初日の4月11日。初日だし吉村先生も来られているし、人多いだろうな~とある程度覚悟をしていたのですが、恐れていたほどではなく、割とゆっくりと展示を見てまわることができました。

2009_0411e69db1e4baac0200

 

2年前「セヌウの青いミイラマスク」も見に行きましたが、今回のメイン展示品は夫婦ミイラの木棺でした。何千年も前のものなのにかなりきれいな状態で残っていて、すごいですよね。やっぱり乾燥した地域のなせる技でしょうか?

 

古代エジプトにもいろいろな神様がいたようですが、なかでも不思議だったのは「月と湿気の神」。それぞれ単独ならわかるんですけど「月」と「湿気」を兼務ってどういうことだろ?夜露とかそういうこと?太陽は乾かすから、太陽に対するものとして月?う~ん、やっぱり古代文明っておもしろい。興味はつきませぬ~。

 

他にもお墓の副葬品やミイラ製作の医術具、死者を護る神々の像などが展示されており、展示品とともに、当時のエジプト人の死生観というものをかいま見ることができ、それがとても興味深かったです。

 

人は死ぬとどうなるか?体から魂が離れ・・・、というのが一般的な日本人の考えだと思うのですが、古代エジプトでは、人は「肉体」と「カー」と「バー」、この3つから成り立つと考えられていました。カーもバーもどちらも魂なのですが、カーは肉体とバーをつなぐ(関連づける?)人格みたいなもの(だったと思います)。そういう概念って日本には無いですよね?魂には人格も盛り込まれているというか。

死への恐れっていうのは今も昔も変わりなくあると思うんですが、そういった(概念的な)違いとかって、おもしろいなぁと思います。

 

そして、第2の目的。
図録を買って、吉村作治先生のサイン会に。一緒にお写真も撮っていただけました。
かなり人が並んでいましたので、流れ作業的になっても仕方ないと思っていましたが、ダンディ吉村先生、すごくにこやかに対応してくださいましたよ~

 

吉村作治の新発見!エジプト展 ~国立カイロ博物館所蔵品と~
岡山市立オリエント美術館にて5月31日まで開催中
http://www.city.okayama.okayama.jp/orientmuseum/

 

そして、オリエント美術館を訪れた際に是非とも見ていただきたいのが、常設展示されているアッシリア・レリーフ「有翼鷲頭精霊像浮彫」です。
紀元前9世紀に強大な勢力を誇っていたアッシリア帝国。その宮殿を飾っていたレリーフの一部で、連なっていた他の部分は、大英博物館やメトロポリタン美術館など、世界の名だたる美術館、博物館に分蔵されています。そんな貴重なレリーフが、なぜか(?)ここ岡山にもあるんです!すごくないですか?平成16年、開館25周年記念事業の一環として取得したもので、その時のお披露目展示会にも行きましたが、「ものすごく頑張って買いました」と学芸員さんがおっしゃっていました。

 

そして、オリエント美術館初心者のためのプチ得情報~♪
美術館近くに、前売券を取り扱っているお店がいくつかあります。昭和の香り漂う飲食店だったり、ふらりと入るには敷居の高そうな備前焼のお店だったりするんですが、入口にポスターが貼られているのですぐに分かると思います。で、会期中でも前売券が残っていることが結構あるので、美術館に入る前に、近くのお店をのぞいてみられることをおすすめします。私は今回も当日、前売券を買いました。

 

帰り道、岡山城の近くを通ってみました。
月とお城が、前を流れる旭川に映り、かな~りいい感じでした。
肉眼で見るともっとキレイだったんだけどなぁ。

 

2009_0411e69db1e4baac0210

 

 

ハッ!水面に映る月。これがもしもナイル川だったら・・・。

月と湿気の神がおわすシチュエーションって、もしやこんな感じ??

09.04.30

“冗談は顔だけにしろよ!?”

この台詞にピンときた方は、たぶん同年代ですね。( ̄ー+ ̄)ニヤリ
そうです。あのむっちりほっぺのアーノルド!
子どもの頃大好きだったアメリカンドラマ「アーノルド坊やは人気者」が、ついに、ついに、DVDとなって帰ってくるんですーーー!!!キャー!パチパチパチ!

 

地域によっても違うと思うんですが、1980年代に何度か再放送されていたと思います。
ハーレム育ちの黒人兄弟ウィリス(兄)とアーノルド(弟)は、ある日突然、お金持ちの白人家庭に引き取られることになる。新生活で巻き起こる様々な事件を軸に、周囲の人々と繰り広げられるやり取りをユーモアたっぷりに描いたハートフルコメディ。

 

そしてこのドラマを印象深くしているのは、笑いの中に時折顔を出す、人種差別や薬物問題といったシリアスな社会問題でした。重くなりすぎず、だけど子どもなりに何かしら感じることができる、笑って笑って笑って泣ける、本当に秀逸なドラマだったと思います。

 

養父となるドラモンドさんがまた、いい人なんですよね~。
家族って「血のつながり」じゃないよな、って思います。

 

そして悲願だったDVD化、それは「たのみこむ」から実現した企画なのでした。
「たのみこむ」とは、ユーザーから企画やリクエストを募り、条件をクリアできれば商品化、販売が実現するという消費者リクエスト型のショッピングサイト。
「こんな商品を作ってほしい」という企画案や「なつかしのあのドラマを是非DVDに!」といったリクエストを投稿することができ、他の人が発案した企画やリクエストに賛同投票することもできます。
実は数年前、同サイトで“「アーノルド坊やは人気者」DVD化”という発案を見つけ私も賛同していたのですが、歳月は過ぎ、たのみこんだことすらもう忘れていました。
ところが数日前、「たのみこむ」から「アーノルド坊やは人気者」DVD化決定とのメールが届いたのです!!
願いって、叶うこともあるんですね~。・゜゜・o(iДi)o・゜゜・。

 

これまで「たのみこむ」から商品化が実現したものはいくつもあり、NHKで今も再放送中の「フルハウス」や、不朽の名作「大草原の小さな家」も確かそうです。私も賛同しました。

 

そして今回、アーノルドと同時にDVD化が決まったのは、今NHK教育で再放送中の「アルフ」。何とDVD化リクエストランキング第1位だったそうです!
そんなに人気なんですね。あの毛むくじゃら♪
いや、私も好きですけどね。でもアーノルドの方が思い入れは強い。

 

発売は8月26日とまだ先ですが、予約しちゃいますよ~。たのしみ~((o(^-^)o))

こちら↓から購入すると限定特典も。
たのみこむ公式サイト
http://www.tanomi.com/

 

アマゾンでも予約受付中。

「アーノルド坊やは人気者」1stシーズン


 

 

「アルフ」1stシーズン

09.04.21

ミステリーの新しいカタチ

4月といえばTV番組の大改編期ですが、新番組「探偵Xからの挑戦状!」で、NHKが新しい試みを始めています。
ケータイ小説とテレビ番組を連動させた「ケータイコラボミステリー」企画。

 

まずはNHK携帯電話サイトで「問題編」となるケータイ小説を6日間分割で配信。

その後「解答編」はテレビ番組で、30分のドラマ形式で見せるという流れ。
謎を解く手がかりはすべてケータイ小説の中で示されており、犯人当てクイズに投票することもできます。

 

番組は4月2日午前0時10分スタート(毎週水曜日深夜放送)だったのですが、どんなものかと初回のみ参加してみました。
時間が無かったのでケータイ小説はざざざっと流し読み。推理する間も無くテレビ番組スタート。

これって携帯を持っていない人とか、事情を知らずテレビのみ見た人には意味不明な番組になるのかなぁと思っていたのですが・・・、結論から言うと「大丈夫」だと思います。
テレビでもケータイ小説に書いてあったことのおさらい的な説明がされていました。(と思います。既にうろ覚え・・・。)
番組放送後は、ケータイでも解答編を読むことができます。

 

ただ「問題編」を読むことができるのは携帯のみでPCは不可なんですよねぇ。

TV離れが進んでいるといわれるケータイ世代の若者を取り込みたいということなんでしょうが、ケータイよりPC世代(?)な私はちと不満。

どうなんだろう?電車とかバス通勤の人なら通勤時の暇つぶしにいいのかなぁ? 

詳しくは「探偵Xからの挑戦状!」サイトをご覧ください。(直リンク不可なので“探偵Xからの挑戦状!”で検索してみてね!)

 

 

ネットは既存メディアを駆逐するか?
数年前からしきりに論じられていることですが、「本」という媒体に限っていえば、個人的には本が無くなることはないと思っています。(それはなぜかと聞かれたら、長くなるのでまたの機会に!)

 

そしてクロスメディアミステリー。
実は弊社でも2年前にやっておりました。y(^―^)y

本の中では犯人を明かしません。
  「犯人は誰?」
  「答えはWEBで」

本に書かれている専用サイトにアクセス(PCでも携帯でもOKです♪)していただき、ストーリーに関連したいくつかのクイズをクリアすると解答編をご覧いただけます。

また「ネットとかやりません」、「やっぱり答えも紙で読みたい」という方のために、ご希望であれば解答編の郵送対応もいたしております。

 

『ノー・ソリューション -解決編のない推理小説-』
以下の3編を収録。
「消滅した夜 ―記憶に残る福井の謎―」
初級編:舞台は福井県。敦賀から北海道へ向かうフェリーの中、殺されたのは資産家老人。容疑者と目された後継者候補の孫たち。
    失われた記憶、それは“私が殺人を犯した”記憶だったのか?
「オルフェウスのダンジョン」
中級編:舞台は大阪市。被害者は「地下街シリーズ」で人気の推理作家。次作となるはずの大阪地下街殺人事件が本物に。手がかりはボイスレコーダー?
    地下は地上の合わせ鏡や。ナニワ6地下街を捜索せよ!
「うつし夜は悪夢」
上級編:舞台は三重県名張市。ミステリー愛好会のオフ会で、第一の事件は起こった。なぜだか懐かしいその町並み。デジャヴュ。。。ドッペルゲンガー。。。
     乱歩生誕の地で起きた幻想、それは「うつし世の夢」。

09.04.21

変わる国立大学病院

今朝の「めざましテレビ」(フジ)で、「変化する国立大学病院」として、いくつかの大学病院で行われている様々な取り組みが紹介されていました。

 
とかく「待たされる」というイメージの強い大学病院ですが、受付・支払いをコンピュータ化し、薬を院外処方にするというシステムで人の流れをスムーズにしていたり、待ち時間が気にならないようカフェを併設している、などといったことです。

そういえば岡山大学病院にもスタバが入っていました。

 

国立大学病院も独立行政法人となり、サービスやマネジメント力というものがより求められる時代となっているのです。

 

そして東京大学病院や東北大学病院などと共に紹介されていたのが徳島大学病院。
番組で取り上げられていたのは、シミやイボなどの美容的な悩みに対応する美容センターがある(保険適用外で自費診療)ということ。また、エステティシャンもいて術後のケア・相談に応じているということでした。

 

そしてここからは番組内にはなかったことですが、徳島大学病院は医療・看護サービスの質向上のための具体的手段として、国内大学病院としては初めてISO9001の認証を取得した病院でもあります。

現在はそれに加えPマーク、病院機能評価も取得しており、それは患者さんだけでなく、スタッフの満足度向上にもつながっているそうです。

 

そして看護部で取り組まれてきた実践記録、弊社より刊行しております。

『ISO9001が看護を変える』