▼‘時事’ カテゴリーのアーカイブ

09.01.05

新しい年。スタート

いよいよ2009年もスタートしましたね。

年末年始に親戚が集まって、麻雀をしたって人も結構いるのでしょうか?

我が家でもやってましたよ。賭けはしないのですがね。

子どものころは、さっさと部屋へ追いやられて、大人たちが麻雀牌をまぜる音を聞きながら、眠りについていたものです。

襖の隙間から光が漏れて、時折大人たちの笑い声が聞こえてきました。

最近は不況だとか、派遣切りだとか、内定取り消しだとか、あまりいい話はないですね。
そんな時代におすすめなのが、この本ですね。

 

「麻雀放浪記」で有名な阿佐田哲也氏が、本名の色川武大として書いた、エッセイというか人生訓というか…そんな本です。
僕は、人生のハウツー本の類は好きではないのですが、この本は違います。
上から目線ではなく、博打などを引き合いに出しながら、人生のしのぎ方を教えてくれます。いや気づくように仕向けてくれます。

例えば、僕もそうだったのですが、「自分は何をして生きていけばいいか解からない、やりたい仕事が思い浮かばない」という人に対して、色川氏は、「消去法でいけ」といいます。つまり、絶対無理な方面には行かない。無理な方面を外していって、残った道に進めば、俺にはこの道しかないんだと開き直っていける。欠点からのほうが、自分の特徴をつかみやすいのではないかと。
たしかに、あなたの長所はなんですか? と聞かれるとなかなか出てきませんが、欠点ならどんどん出てきますからね。

「プロはフォームの世界」と色川氏は言います。
つまり、このフォーム(やり方)さえ守っていけば、なんとか勝ち越せる。そういうものを作りなさいと。
もちろん運、不運はあって、勝ちっぱなしの時もあるし、負けてばかりのときもある。
それに惑わされて、フォームを崩してしまうと、勝てなくなってしまう。
誰しもが何らかの世界のプロであるのだから、自分に合わせたフォームを作り、それを信じて戦いなさいと…

まあ引用しだすときりがないのですが、とにかく僕はこの本を、折に触れて読み返しているのです。

08.12.22

ヌーヴェルヴァーグ

M-1グランプリ2008でNON STYLEが優勝しましたね。

決勝は、爆笑レッドカーペットでおなじみの面々が独占しました。

 

時代が変わっていってますね。キングコングや笑い飯は、決勝にすら残れなかった…。

 

我が家の息子たちも、レッドカーペットが大好きなので、決勝に出た3組のことはもちろんよく知っていたのですが、驚いたのは、ダウンタウンの松ちゃんが、NON STYLEとかを知らなかったことですね。

 

お笑いの世界に出てくる新しい人たちの事に興味とか、恐怖はないのですかね。

まあダウンタウンぐらいになると、もう「上がり」で、そもそも土俵が違うのでしょうね。そして絶対の自信もあるのでしょう。

 

それでも時代は変わっていきますがね。いやおうなく。

 

これがたとえばテニスの話になると、新人に無関心なんてことはありえませんね。

いくら確固たる地位を築いていても、伸び盛りの新星に負けてしまえば、そのポジションから追い出されてしまいます。

だから伸びてきそうな新人はマークされ研究されます。もちろん新人も上位の選手に勝つために作戦をねり、身体と技を鍛えていきます。

 

そんな新星がうれしいことに、日本から誕生しましたね。そう錦織 圭です。

彼はもちろん本物中の本物です。これほどの選手が日本から出るとは!!

 

今までの日本の選手の試合は見ていてもあまりおもしろくなかったのです。ただ繋いでるだけって感じで…。いや日本だけでなく他の国も同じです。見ていてワクワクするようなプレイをできる選手はほんの一握りです。

錦織のプレイは見ていて楽しいですよ。クリエイティブで攻撃的。WOWWOWの特集では、コートセンスがいい。と言われていましたね。

 

そして、あのエア・ケイなんか、まねしたいもん。(足が攣りそうになるけど)

 

現にテニスを習っている子供たちはエア・ケイの真似しています。おそらく憧れて同じラケットを使っている人もいるでしょう。これは凄いことです。

 

昔僕がマッケンローに憧れて、ダンロップの200Gというラケットを使ったり、独特なクローズドスタンスのサービスを真似したりしていた。

それと同じことを、今の子供たちが、錦織に対してしている。なんか感無量ですね。

 

来年が本当に楽しみです。テニスでは19歳でブレイクする人が、結構多いんですよね。

グランドスラムベスト4ぐらいに入って欲しいな。

 

そうそう恥ずかしながら僕も、実は錦織の真似してるんですよ。

そう。これです。ラケットの振動止め…。

08.12.18

サンタのおばさん-クリスマス本selection

街中がクリスマスソングとキラキラのイルミネーションに彩られるこの時期♪
幸せそうなカップルや家族連ればかりが目について、ただ一人で歩いているだけで必要以上に孤独感を味わうことになるのは何故なのでしょう?ふ・し・ぎ(・・?)
冷たい夜風が身にしみる、そんな時にはあえて外に出て「マッチ売りの少女」妄想(「フランダースの犬」でも可)に浸ってみることをお薦めします☆

 

というわけで、本日はクリスマス特集~♪
クリスマス本といってまず思い浮かぶのはこれ!
『サンタクロースっているんでしょうか?』
あまりに有名なのでご存知の方も多いと思いますが、100年以上前、アメリカの新聞に実際に掲載された社説を元に書籍化されたものです。
「サンタクロースは本当にいるの?」ヴァージニアという8歳の少女から新聞社に届いた手紙。
「Yes, Virginia」から始まるその答えが実に素晴らしい。こんな風に答えられる大人って素敵だなぁって思います。
『サンタクロースっているんでしょうか?』(邦訳版です)

 

他には、これも有名ですがSABUDAさんのポップアップ絵本もいいですね。
大切な人や、自分自身へのプレゼントに是非!
仕掛けがすごいのはもちろんですが、英文もすごくきれいなんです。
『The Night Before Christmas』

 

そして、ちょっと変わったサンタ本をお求めの方にはこちら。
『サンタのおばさん』
毎年恒例のサンタ会議。アメリカサンタが引退することになり、後継者候補として紹介したのは、予想外の女性候補だった。ちなみに前回会議で問題となったのは、アフリカサンタの肌の色がサンタのイメージに合わないのではないかということだった。しかし女性のサンタというのはさらに前代未聞!女性サンタを認めるかどうか。各国サンタが、自国の事情をふまえながら白熱した意見を闘わせます。父性とは?母性とは何か?そしてそもそも、サンタは何のためにいるのか?

 

このお話を書いたのは、あの東野圭吾さんです。幅広いですよねぇ。
この物語は、東野さんの著書『片想い』から生まれた作品だそうです。その中ではタイトルだけが登場していたのですが、そのいわばスピンオフ作品?という感じでしょうか。

 

偶然にもAmazonの『サンタのおばさん』商品説明で『サンタクロースっているんでしょうか?』にもふれられています。やっぱり、不朽の名作なんですね。
そして生理用品の進化が女性の社会進出に大きく寄与したとのこと。なるほど。確かにそうなのかもしれません。というわけで、こちらもどうぞ。
『生理用品の45年の軌跡』

 

日本でも商業的にはそこそこ盛り上がるクリスマスですが、アメリカなどではやはり、もっと特別な意味を持つようですね(でも今年はそのアメリカでクリスマス商戦が不振だそうで、金融危機の深刻さが伺えます)。

 

私の大好きなドラマ「アリー my love」でも、クリスマスシーズンになるとよく、サンタがらみの訴訟が起こされていました(主人公アリーは弁護士)。
太りすぎを理由に、百貨店からサンタ役を解雇された男(※1)。ニュース番組で「サンタなんていない」と発言したため解雇されたキャスター。自分をサンタクロースだと思いこむようになり、それを危険な妄想だと判断され解雇された老教師。いずれも不当解雇だとして訴えを起こします。

 

このドラマでは他にも「神様を訴えたい!」という白血病の少年(あのハーレイ・ジョエル・オスメント君が演じています!)やユニコーンを見たという男の裁判、難病を患い死を待つだけだが夢の中では理想の恋人と素敵な時を過ごしているという老女が合法的な睡眠の措置を求めた裁判など、一見訴訟大国アメリカならではのトンデモ裁判のように思えますが、実に深みのあるじんとくるエピソードが多いんです。様々なタブーにも踏み込み、きれいごとだけじゃない、リアルな人間の姿が描かれ、マンガチックなCG映像などコメディ要素も盛り込みながら、時折現れる鋭く真実をついた言葉にドキッとしてしまうのです。

 

アリーmy Love 1stシーズン DVD-BOX

 

アリーmy Love 2ndシーズン DVD-BOX


 

5thシーズンまであります。

 

(※1) アリーは現実世界を先取り?!昨年12月、こんなニュースが報道されていました。
[ニューヨーク 7日 ロイター] クリスマスのシンボルでもある「サンタクロース」に対し、太った体形が健康的ではなく、子どもの肥満率が上昇するなかで悪い見本になっているという批判の声があがっている。
 英ケント州ダートフォード近郊のショッピングセンターでは、赤い衣装を着て子どもらを出迎える「サンタ役」に対し、体を絞るためにクリスマスまで1カ月間のブートキャンプ参加を命じている。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-29263720071209

 

欧米では、肥満や喫煙は自己管理ができていないものと見なされ、厳しい評価をくだされることが多々あるようですが・・・。
そういえば昨年はビリーズブートキャンプが大流行しましたね。入隊された方も多いかと思います。私も一時「がんばるぞ!」と思ったのですが・・・一日体験入隊で終わりました。_| ̄|○

08.12.13

今年を象徴する文字は

日本漢字能力検定協会(京都)が毎年暮れに制定している,その年を象徴する漢字ひと文字。
今年を象徴する文字は

 

 

と決まったそうです。「変化」「変動」を意味して,オバマ米次期大統領の選出や急激に変わる政治・経済情勢,「ゲリラ豪雨」など,こちらも急激な天候の変化などに因んだとのこと。
きっと「変な年」だったという意味も,ちょっとはあるでしょうけどね…。
でも,去年は「偽」で,本当に救いのない字だなと感じたのに比べると,「変」は悪い意味ばかりじゃないし,オバマさんの選出で盛り上がる米国民の皆さんの姿もだぶったりして,「未来に向けて希望を持ち,変化を恐れずやっていこう」という意味に捉えなければ,と思います。
世界中の経済にとって来年は「正念場の年」になるでしょうけどね。

 

さて,そう書いた端からあれですが,先日,まったく変化していない「時の止まったスポット」に足を踏み入れ,言葉に尽くせない感慨を味わう機会がありました。

大学時代の同級生だった男から結婚披露宴への招待があり,実に久しぶりで同期の部員8人が一同に会したのです。
お互い出身地もばらばらの上京組が大半だったため,卒業後Uターンしてからは会う機会がほとんどなくなったまま,ほぼ15年ぶりの再会でした。
お互い腹が出て,髪がちょっと薄めになり,白髪も増えましたが,それでも,まるでタイムスリップしたように,昔のままの顔で会話し笑いあいました。

 

「体育会という,とりわけ密度の濃い世界で苦楽を共にし,試合に勝った嬉しさ,負けた悔しさ,情けない失敗をして先輩に叱られた事などをすべて共有することで,この先長い人生の終わりまで,強い絆で結ばれるもんだよ」
と当時のOBに教えられたことが,今身をもって体験できたなあと,口にこそ出しませんでしたが,全員が間違いなく感じたであろう一日でした。

 

結婚式の前に立ち寄った大学の弓道場。
泣けることに,見事なまでに昔のままのたたずまいでした。
キャンパスはずいぶん立派になっていたのですが,ここだけは「時の止まったスポット」でした。

普段は的が掛かっています。射位からの距離は27m。

「星的」と言い,学生弓道の独特の的です。直径約36cm。

矢を的場へ取りに行くため通る道

 

今回もまた,個人的な感傷にこの場を使ってしまいました。

写真を撮影し,この場に使わせていただいたことへの感謝を込めて,すべての関係者と部員の方へ。

「明治大学体育会弓道部の創立100周年おめでとうございます!!」

 

先週ご紹介できませんでしたが,雉軍団こと「ファジアーノ岡山」見事にJ2最後の椅子をゲットしましたよ!
そりゃJ2は厳しいでしょうが,希望を持って一年間がんばって欲しいものですね。

 

<今年の漢字:「変」に決まる 政治や経済など「変化」象徴>
(毎日新聞 2008年12月12日 14時14分)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081212k0000e040082000c.html

08.12.12

エムケイ 全国で1万人の正社員雇用計画を発表

派遣切りに内定取り消し、リストラの嵐が吹き荒れる最中、なんと正社員を1万人も採用するという企業が現れました。今朝のニュース、驚きです。

 

 タクシー事業を展開するエムケイ(京都市)は11日、今後1年間を目標に、全国で計約1万人もの正社員を雇用するとした「MKタクシー緊急全国雇用創出計画」を発表した。

 同社は現在、開業が見込まれている5社を含めグループ計10社で車両1523台、社員3050人の規模。計画によると、それを1年間で5932台、1万3050人に増やすとしている。

 ただし、計画書には「新規参入や増車に障壁を設けた国土交通省のタクシー再規制が重大な支障を来す」などと記されており、現状では実現性は未知数だ。 (12/12 毎日新聞より)

 

MKグループ創始者である青木定雄氏の一代記、当社より刊行しております。

韓国でベストセラーとなったものの邦訳版です。翻訳作業では、岡山にあります大学の韓国人留学生諸氏にも尽力いただきました。

 『韓流 人が動く -MKタクシー青木定雄の経営哲学-』

08.12.11

自分の体で実験したい!

早いもので、今年も残り20日ほどとなり、何かと気忙しい師走でございます。
食の不安に世界的な金融恐慌、暗い話題が続いた2008年ですが、物理学賞と化学賞、日本人のダブル受賞にわいた今回のノーベル賞ニュースは、ひときわ明るいものでうれしいですね(*゚-゚)

 
昨日行われた授賞式では、王立科学アカデミーの代表者による賛辞が日本語で述べられていました。日本語講演にこだわった益川教授に配慮されたものでしょうが、何とも粋な計らいですよね。別に自分が何かをしたわけでもないのに、日本人であるだけで何だか晴れがましい気分になれるニュースってそうそうないと思います。実に素晴らしい!

 

素粒子物理学がどんなものかは分からなくても、一つの事柄に対し、何年でもどこまででも追求し続ける科学者ってすごい!と思う私のような人にお薦めなのが、本日ご紹介する本。
『自分の体で実験したい-命がけの科学者列伝-』

 

科学の進歩には、実験が必要不可欠です。医学の研究では動物実験も多い。しかしながらやはり、人間を使わなければ意味のない実験もある。
その実験を、自分自身の体で試してきた科学者たちの記録。勇気ある人体実験の記録です。

 

1770年代の体温計は、おもちゃのような代物にすぎなかった。
人間の体温が通常36.7度前後ということは知られていても、なぜその温度になるのかわからない。
人間はどれだけの熱に耐えられるのか、人体と熱の関係を解明しようとした男がいる。

 

手始めに蒸気の立ちこめる部屋にこもり、32度、43度と徐々に温度を上げていく。ついに49度。心拍数は1分間に145回!
それでも体温は37.8度を超えることは無かった。

 

さらに実験は加熱していく。
四人の紳士が仲間に加わり、65度と72度、さらには92度の部屋で10分過ごした。金属でできたものはどれも熱くなりすぎ触れることができない。
体に力が入らず、手が震える。めまいに襲われながら、やっとの思いで体温を測ると36.7度!平熱のままである。
自分の体を触ってみると「横腹が死体のように冷たかった」という記述を残している。

 

それでも好奇心はおさまらない。さらに4人の紳士を加え、室温127度にまで挑戦だ。温度計が狂っていないか確かめるため、生肉と生卵を置いてみる。20分で卵は固ゆで、30分ほどで生肉がウェルダン状態のステーキに。
それでも体温は37度を超えることがない!

 

なぜ体温は変化しないのか。秘密の一つは汗にある。

彼らのあぶり焼き実験のおかげで、医者は病人の体温の変化に気を配るようになり、体温計を使って体調管理ができるようになったのです。ありがとうございます!

 

他にも消化のしくみを知るために袋や木の筒ごと食べ物を飲み込んだ男、病気に感染したメスを両腕に刺して記録をとった男など、彼らの実験とその陰にあった物語、後の社会に与えた影響などが紹介されており、その勇気と情熱にはただただ圧倒される。
何が彼らを、時には死をも賭す実験に駆り立てたのか。
世のため人のためという崇高な意志もあったでしょう。ですが一番には、純粋に科学者としての好奇心と探求心、抑えきれない知的欲求というものだったのではないかと思います。

 

でも、それはちょっと分かる気がします。なんて言うのはおこがましいですよね。まったくレベルは違いますが、いまだ「見たい!知りたい!感じたい(感動したい)!」という気持ちマンマンなお年頃ではございます(*・・*) すみません。

08.11.29

“0系”よ,いつまでも!!

まずはローカルスポーツの話題から….
先週,J2昇格を賭けて地元最終戦に臨んだ“ファジアーノ岡山”でしたが,結果は0-0のドロー.
ついに,全試合同日同時刻開始の今季最終戦の結果で昇格か否かが決まることになりました.
運命の1日はあさって日曜日です.
同じくJ2をめざす“ガイナーレ鳥取”は勝ち点こそ岡山に2点及ばないものの,得失点差では逆に2点リードしているので,勝ち点が並べば鳥取の土壇場での逆転昇格となります.
岡山○なら無条件で岡山,岡山×またはドローなら鳥取○で鳥取が昇格となります.
非常にスリリングでシビアな隣県の昇格争いになりました.
鳥取県の方もきっと大いに盛り上がっていることでしょうね.
でも,こうした地域限定の盛り上がりはいいですね.
住民の郷土愛も高まるし,盛り上がれるものがあるのは幸せなことだと思います.

 

さて,いよいよ11月末日をもって山陽新幹線のレールから“0系”が姿を消しますよね.これ本当に大きな節目だと思います.
1964年の新幹線開業以来,1985年まで20余年もの間,新幹線というと“0系”しかありませんでした.
今はというと,1993年の“300系”登場以来,“500系”“700系”そして“N700系”と次々に新型車輌が投入され,ひとつの型が最新である期間は非常に短くなっています.
確かに“N700系”はとても速いのに乗り心地もよく,設備も行き届いて本当に快適ですが,キャラクターの持つインパクトでは“0系”を凌ぐものが今後現れることはないでしょう.

 

私が小学校3年生の時に山陽新幹線が岡山まで開通しました.
乗り物などにいちばん興味を持つ年代に新幹線をごく身近に体験することができた,たいへん幸運な世代です.
一年に数度ながら親に連れられて神戸あたりまで乗車したものですが,小学生にとって,新幹線に乗ることは非常に“非日常”でエキサイティングな経験でした.
そんな経緯で,“0系”への思い入れは深いですねえ.

 

実は,ふくろう出版のある社屋ビルは山陽新幹線の走っているすぐ脇にあります.
岡山駅から西に1~2kmの地点で,しかも事務所が4階にあるため,ちょうど目の高さを列車が一日中東へ西へと行き来しているのです.
鉄道ファンの集う有名撮影スポットがあちこちにありますが,実はうちもそうしたスポットに遜色ないロケーションなんですよ.

 

今週は去りゆく“0系”を名残惜しんで,慣れない動画撮影にトライしてみました.
撮影場所は社屋の屋上です.
なにぶん慣れないためミスも連発するし,所詮は携帯のカメラですので恥ずかしいような画質ですが,会社のそばを“0系”が駆けぬけたことの記録に,“0系”への愛情と敬意を込めて動画をアップします.
新幹線に胸ときめかせたあの頃と同じ,白と青に塗装された“0系”.
もう見られないと思うと,じーんと来ますね.
“0系”よ,いつまでも!! 丸い鼻カッコよかったぞ!!
今後は“ドクターイエロー”として,ときどき会おうね.

 

 081127_下り

 

081127_上り

 

正直な話,できればあまり会いたくないんですけどね,ドクターイエローには.
何しろ彼らが登場する時間とは…

08.11.13

女子も理容室へ行こう!

最近、理容室に行く女性が増えているそうです。その目的は、美容院にはない理容室だけの特権「顔そり」。ん~、確かに気持ちよさそうですよね。

理容室=男性が行くところ、というイメージがありますが、女性が入りやすいようサロン風の雰囲気にしたり、個室ブースを設けたり、はてはネイルやマッサージなどエステメニューを始めているところもあるようです。
近所にそんなお洒落理容室ができたら、是非是非行ってみたいと思います♪

 

本日ご紹介するのは、ある理容室を訪れたことから、人生が思わぬ方向に変わっていったという人々の悲喜こもごもを描いたオムニバス小説です。

 

気が弱く、言いたいことも言えず、人に舐められ、そんな自分が嫌で自己嫌悪。
短大総務課で働く須川沙紀は、ある日、気分転換に髪を切ることにした。普段は行かない、美容院ではなく理容店。女性店主との気持ちの良いおしゃべり、マッサージをしてもらううちにうとうとした。目を覚ました時、鏡の中の自分は、凶暴性を放つ威圧的な眉になっていた。
眉に引っ張られるように、沙紀は強気な行動をとれるようになり…。
                                        「眉の巻」

男は記憶を失っていた。
なぜか警察や病院には行かない方がよいと思え、記憶喪失のまま仕事を捜すことにした。

面接前、散髪くらいはしておこうと入った理容店で、マッサージされながらうとうとし、目を覚ましたら、側頭部が縞模様に刈られていた。
これではまともな会社に就職することはできない。髪に引きずられるように、男はブラックジャーナリズムの会社に入った。
そして記憶が戻ったとき、男は…。
                                       「黒の巻」

小学五年生のちひろは、春休みを祖父母の家で過ごすことになった。

パッチワークだフラダンスだと毎日いそがしい祖母に引き換え、会社人間だった祖父は、退職後の日々を無為に過ごしていた。孫を退屈させまいと動物園に行けば休園、退職した会社を訪ねてみても歓迎されず、やることなすこと空回り。
散髪をする祖父につきあい初めての理容店に入った。ちひろはマンガに熱中し、気が付くと、鏡の中の祖父は高校球児のような丸坊主になっていた。
不本意な丸坊主。憤慨する祖父に、ちひろはあるプレゼントをした。そして・・・。
                                         「花の巻」

 

初めて入った理容店。
ついうとうとしている間に、髪形(または眉)がすごいことに!
髪形が変わることによって、服装が変わり、性格が変わって、人生までもが変わってしまうというお話。最初はみんな戸惑うものの、結局はなりたい自分、気づかなかった本来の自分になれているような気がします。この店主には人の心の奥底を見抜く力があるに違いない!
そんな陰の主役ともいえる女性店主ですが「以前一緒にやっていた夫と離婚したときにこの店をぶんどってやった」という話を毎回しているのがちょっとおもしろかったです。
個人的に一番気に入ったのは「花の巻」。今の60歳過ぎなんてまだまだ若いし元気な人も多い。家に引っ込んでいるだけなんてもったいない!

『わらの人』六編収録


 

映画化もされていたようです。「髪がかり」DVDもうすぐ発売。

 

女店主のイメージは夏木マリではないんだけどなぁ。。。

08.11.08

晩秋のたそがれに切ない歌声を聴いた

秋も深まってきました。今日は立冬ですね。
画像はおととい撮った岡山大学の遠景です。小さくて分かりにくいのですが,西から見た理学部の正面です。
一昨日,打ち合わせで入構した折に,きれいだったので失礼して撮らせていただきました。
鮮やかに紅葉しているのは岡山県の誇る国宝・閑谷学校でも有名な楷の木です。
確かなことは知らないのですが,閑谷学校の木が分けられて来た?と聞いた記憶があります。
間違っていたらすみません。
西から東へ理学部を望む
今日は打ち合わせで愛媛県松山市に出張していました。
松山に午後4時ごろまでおり,そこから国道317号線経由で山の中を今治市に向かいましたが,木々がそれぞれ違う色の紅葉や黄葉を見せ,山全体が燃え立つように膨らんで見えて,これぞ晩秋という風情が溢れていました。
晩秋のたそがれに,エイミー・マンの切なくて,それでいてどこまでも澄んだ歌声がよく合いました。
唐突ですが,私は海外のロックやポップスが好きです。
1963年10月生まれの45歳で,最初にLPレコード(アナログ盤)を買ったのが1977年だから,リスナーとしてはかなり古株です。
かつて競い合うようにロックを聴いていた同世代リスナーは少なくなりましたが,私はもうしばらく「今の音楽」に付き合っていきたいと思っています。
さすがに次々と現れる10代とかの新人バンドは聴けなくなりましたが…。
エイミー・マンは私がまだ学生のころバンドでデビューして以来今日まで,3年おきくらいにはきちんと新作をリリースしてくれる女性ボーカリストですが,憂いや陰りをたっぷり帯びたボーカリゼーションはベテランのなせる業であっても,その澄んだ歌声と見事なプロポーションはいつまでも若々しく,年齢(4●歳)が信じられません。
彼女のリリースする新作はいつも晩秋を切なくさせてくれます。
私にとって晩秋にもっとも聴きたくなるアーティストのひとりです。趣味の話ばかりになってしまいましたが,ふくろう出版のブログであることを忘れずに,仕事のことも書いていきたいと思います。
これからよろしくお願いします。

08.11.06

CHANGE!(キムタクじゃないよ)

オバマさん、決まりましたね!まずはおめでとうございます(*゚▽゚)_

「私は言いたい。リベラルのアメリカも、保守のアメリカもない。あるのはアメリカ合衆国だ。黒人、白人のアメリカも、ヒスパニック系、アジア系のアメリカもない。あるのはひとつのアメリカだ」(4NHK放送「オバマ対マケイン(前編)」より)

キング牧師がI have a dream.という名演説を残してから45年。感慨深いものがありますね。

     キング牧師について知りたい方はこちらをどうぞ。来週12日にタイムリーな番組が放送されます。

http://www.nhk.or.jp/sonotoki/main.html

 

いわゆる「ロス疑惑」での三浦元社長逮捕時に、未解決殺人事件を捜査する「コールドケース」というアメリカンドラマが注目されましたが、そのドラマでもしばしば人種差別が事件の背景として描かれていました。黒人と白人が同じ店に入ることはなく、かなり古い時代だと、話をしたり目を合わせることすら許されない。白人至上主義者は黒人を暴圧するだけでなく、有色人種差別をしない優しい(まっとうな)人とも激しく対立する。「そういう時代だったのよ」事件を捜査する殺人課メンバーが、やりきれない思いで何度も口にする言葉です。

このドラマには他にも、同性愛者や共産主義者に対する弾圧、イラク戦争や近年アメリカで実際に起こった事件をモチーフにしたエピソードもあり、なかなか考えさせられることの多い、重厚かつ非常に面白いドラマなのです。ただ、残念ながらDVDは発売されていないんですよねぇ。回想シーンなどで事件が起こった当時のヒット曲を使用し、その時代の雰囲気を醸し出すという演出が人気の一因となっているのですが、そのことが著作権問題を複雑にし、DVD化は難しくなっているといわれています。

 

オバマ新政権で、日米関係についてはどんなChangeが起こるのか、気になるところですが、とにもかくにも、これがアメリカ国民の選んだ答えです。

ていうか、国民一人一人に大統領を選ぶ権利があり、かつ予備選も含めるとかれこれ1年以上も考え検討する時間を与えてもらえるアメリカが、ものすごくうらやましいんですけど。

 

かたや日本はというと。。。

下記書籍は今年7月に刊行されたものですが、福田さんが辞意を表明した直後からものすごく売れ、即増刷となったそうです。

戦後就任した歴代総理の、特に散り際にスポットをあてているのですが、人となりから就任の経緯や主な業績、退任後の人生などについてもコンパクトにまとめられており、政治に疎い私にも非常に読みやすかったです。また時系列で読み進めていけるため、時代の流れや、今問題視されている「政治家の世襲」についても「あ、あの人のお父さんはこの時この人の門下生(?)だったのかぁ。だから今・・・」などと思うこともあり、派閥とか師弟関係についても、ものすごく大雑把にですが学ぶことができます。

ただ、7月刊行なので当然、福田前首相が現役総理として最後を飾っています。

うーん、あと数ヶ月もすれば、あと2人の散り際を追加した「改訂増補版」を作れそうですね♪ 

 

『総理の辞め方』