▼2011 年 8 月 20 日 のアーカイブ

11.08.20

辛坊 治郎氏 講演会(「ちょっと」前の)報告

ちょっと前になるのですが、前よみうりテレビ解説委員長 現在は株式会社大阪綜合研究所代表の辛坊治郎氏の講演会を日本生命岡山支社さんが催され、無料セミナーということもあって、いそいそと聴講してきました。
6月13日月曜日午後6時半開始。場所は岡山プラザホテル。2か月前です。「ちょっと」か!?
すみません、だいぶん前です…。

さて、辛坊氏というと関西では絶大な支持を誇るキャスターです。会場のホテルに開始30分程度前に着くと、すでにロビーは黒山の人だかり。みんな「たかじんのそこまで言って委員会」を観てるんだろうな、と思ったりしながら会場へ。
講演会場にはパイプ椅子が整然と並び、25人×36列のなんと900席。



[さすが「しゃべりの達人」です]

講演は90分間。キャスターとして活躍する日常の話、政治の話、「たかじんの~」の出演者とか視聴者からの反応などのエピソード…興味深い話題がめくるめくかのごとく続いた、あっという間の90分でした。

なんといっても話が理路整然として分かりやすい。これは一朝一夕にできることではありませんが。
そして、いろいろな突っ込みを入れたくなる話題が中心なのですが(もちろん聴講者もそれを期待している)、むやみに批判したり上から目線や説教調になるのでなく、
謙虚さ、客観的な分析、それに関西人ならではのユーモア
で的確にやんわりとまとめてくれるので、会場はハイテンションながら終始和やかで最高の雰囲気でした。
スピード感を保ちながらも的確に「注」を付けながら話してくれるので900人の聴講者の誰一人置いて行かれることなく、最後まで演者と聴講者が一体になりきっていました。
さすがキャスター、解説委員、そして名うての「しゃべり」の達人でした。

次回またチャンスがあったらぜひ参加したい(もちろんお金を払って)です。
日本生命岡山支社様、お世話になりました。

当日の話にもありましたが、辛坊氏はよみうりテレビで月~金の朝帯「す・またん」(5:20~6:30)のアンカーをしているため毎朝2時起床なんだそうです。なんと、ベーカリーをやっている私の友だちと同じ起床時間。

8時に終了して、すぐに発っても帰阪が11時くらいにはなるでしょうね。
平日の夜に地方で講演会なんて、めったなことではできそうにありません。
距離的に見ても名古屋か岡山が限界では?得がたい貴重な機会だったなー、と幸せな気分で会場を後にしました。

月曜の夜とあって忙しいのか、聴講者は大半が私より先輩の方方でした。
20~30代の若い皆さんも、もっともっと聞きに来るといいなーと思います。



[人とのコミュニケーションを図る上で大切なこと]

最後に、当日特に印象深かったお話を僭越ながら紹介させていただきます。
上記はこの日のメインテーマ。盛りだくさんの話に織り込んで、さり気なく辛坊さんが教えてくれた3か条を紹介します。
座右の銘にしたいような、まさしく金科玉条だと思いますよ!

―― 1対1のコミュニケーションは、まず自分が相手の話を聞くことから始めよう。
 >相手に自分の話を聞いてもらうには、まず相手の話をしっかりと耳を傾けて十分に聞かないといけない。聞く姿勢を示さないといけない。聞くことはしゃべることよりもずっと難しい。


 [カウンセラーの先生方などにも通じる姿勢ですが、当然のことと頭ではわかっていても、しばしば失敗を犯してしまいます。「自分がしゃべるのは後から」。鉄則ですね。]

―― 思いついたことをすぐ口に出さない。口にするのは一度頭で回してから。
 >言葉は花束にも凶器にもなる。無意識のうちに口にした言葉が思いがけない凶器になることもある。言葉として口に出すと、良くも悪くも後後まで相手に残るもの。言葉を口に出す前に一度頭で回せ。


 [まさに、政治家など優秀なはずの方方の「失言」が後を絶たないのは、この図式ではないでしょうか。]

―― 与えられたニュース(数値、話題)を鵜呑みにしない。
 >見かけ上は正しそうでも、真に事実とは限らない。数字により表出されているものの奥にあるもの、向こう側にあるものを取りに行く心構えを常に持つ。


 [まさにジャーナリストならでは。しかし、私たちも世論を担う一員ですから同じです。]



[新刊です(これまた少し前ですが)。よろしくお願いいたします。]



ところ変われば「常識」というものがこうも変わるのか!
を多方面の切り口から平易に紹介しています。
まろやかな口当たりにして得がたい情報がぎっしり。後から効いてくる1冊です。